クリスマスパーティー【クリスマス編】
SH
『『『メリークリスマース!かんぱーい!』』』
あれからアネゴ達はマイの家から帰宅し、クリスマスの装飾をちょっとだけして、ミナさんを含め、4人でパーティーを開いた。時間は、帰ってから用意やらなんやらして21時ぐらいになっていた。お店で売っていたファミリー用のおかずとチキンをレンジで温め、ケーキを並べた。小さなクリスマスツリーにみんなで飾り付けをし、子供も飲める子供用のシャンパンでカンパイをしたが、アネゴだけ、どこで仕入れたのかわからないワインを飲んでいた。
「アネゴーどこでそのワイン仕入れたんっすか?…ん?たしか…買い物の時には買ってなかったっすよね??」
「ふっふっふ〜。実はマイの家の棚からかっぱらってきた物だー!ただでかえってくるわけねぇーだろ?お駄賃だよ!お駄賃!」
「お駄賃ってあなた、子供じゃあるまいし〜。でもまぁ私も頂いちゃうんだけどね〜♡」
「ミナさんまで…。やれやれ…アネゴの手グセの悪いところっすよね。ねーマイ」
「…?ダメなの?」
「そこからっすか…。(まだ4・5歳ぐらいっすからね。まだ善悪の区別はまだ難しいっすよね…)まぁその話は置いといて…、どうっすかマイ!クリスマスパーティ!いつもと違うっしょ!」
「うん。綺麗…。でも…お祈りはしなくていいの?」
「ふん!お祈りなんてメンドクセェことしねーよ。クリスマスはこうやって、笑って、飲んで、美味いものくっとけばいいんだよ!」
「アネゴ…(その考えもどうかと…)」
「そうね〜♡やっぱクリスマスはこうでなくっちゃ♡たまにはいいこと言うじゃない!それでね、マイちゃんは〜この後でサンタコスしてねぇー♡写真とか、いっっっっぱい撮るから!」
「あん?おいミナ!あんまりマイに負担をかけさせるなよ。迷惑だ〜」
「あら?別にいいじゃない?服着るぐらいねー?」
「は??そういう問題じゃねーよ!!」
「じゃ〜どういう問題?私にはわかんな〜い♡」
「あん!?俺が気にくわねぇーつってんだよ!!わかったか!!」
アネゴとミナはお酒がはいってエンジンがかかっていた。こうなると止めるのは容易ではない。
「2人とも〜喧嘩はやめてくださいっす…。子供の目のまでみっともないっすよ…。せっかくのクリスマスですのに…。ねーマイー」
「うん。でも好き…かな…」
「…マイも成長したっすね…。……ん?(これははたして喜んでいいものなんすかね??)んんー……」
「まぁ!何はともあれ今日は飲みまくるぞー!」
「って、ほどほどにしてくださいっすよアネゴー」
(マイの家での一件で、気まずい空気になるのではないかと思っていやしたが、大丈夫そうっすね)
しばらくマイのコスプレするかしないかについて、アネゴとミナの会話が攻防した。いつもの事なので、マイとマキは二人で楽しんだ。普通の家庭とは違う、アネゴ家のクリスマスパーティーは妙に騒がしかった。そんな中、外では雪が降り続けていた。いつのまにかホワイトクリスマスになっており、穏やかで、良い雰囲気になっていた。そんな中、マイはご飯を食べながら窓の外を眺めていた。マイが眺めてるのを見てマキが声をかけた。
「あー雪っふってやすねー。マイは雪、好きっすか?」
「好き…綺麗…」
「そうっすね〜。マイの髪みたいに銀色の景色っすねー。…そうだ!せっかくですし、ちょっと外で、直接見やしょうか!せっかくですし、あったかい格好してね!行ってみるっすか?」
「…うん。行きたい」
アネゴとミナが言い合ってる間に、マイとマキは酔ってる二人を無視して外に出た。家から外に出た2人は階段を降り、降り注ぐ雪の中に入った。雪はすでに道路が見えなくなるまで積もっていた。薄暗い中、電灯が照らす雪は白く降り注いでいた。近くに設置されている温度計は0を指していた。
「ウゥ〜!さぶいっすねー!でも…すごいっすね〜。何年ぶりっすかねーこんっなに降ったのわ」
「…そんなに…凄いの?」
「凄いっすよ!この地域でもそうは降らないっすよ!それにあっしの故郷なんて全くふりやせんので珍しいっす!」
「…そうなんだ…」
そういうとマイは足元にある雪を掴んで、団子を作って遊び始めた。
「お!雪玉っすね!」
「雪玉…?」
「そうっすよ!それを人にぶつけたり、転がして大きくしたりして、他の人と遊ぶ遊びなんっすよ!」
「…そうなんだ…じゃ…マキも雪玉…大きくして…遊ぶ?」
「お!了解っす!あっしも雪玉を大きくするっすよ!」
こうしてマイとマキは雪玉を大きくするために、雪が降る、夜の寒い中転がし続けた。雪が結構な量が降っていたので二人が作っていた雪玉は、すぐに中位の玉が出来上がった。出来上がった雪玉は最後に2人で協力して雪だるまを完成させたのあった。
「やったっすね!目に石を入れて…はい!これが雪だるまっすよ!大きさはマイぐらいですが十分な出来上がりっすね!楽しかったっすか?」
「うん…これが雪だるま…」
「そうっすよ!あっしは久々にやったから腰がちょっと痛いっすよ…あはは…。」
マイは雪だるまを作り終えてからいきなり涙を流し始めた。涙を流すマイにマキは驚いた。
「マ…マイ!ど…どうしたんっすか!?何かやなことでもあったんすか!?」
「違う…。たぶん…手が痛いから…」
「手?…あ!そういえば、お互いに手袋してなかったっすね!ごめんっす!そういえばあっしも手が真っ赤っすわ…」
寒い中、雪にずっと触れていたおかげで、マイとマキの手は赤くなっていた。
「あっちゃ〜あっしは皿洗いとかしてるから…痛みはないっすけど…子供には痛すぎるっすよね…」
「…うん。手…痛い…」
「泣くほど我慢してたんっすね…。よし!じゃーとりあえず両手出してくださいっす!」
マキがそう言うと、マイは赤くなった手をだした。マキは最初にマイの頭にかかった雪をはらってからマイの両手を掴んだ。そして「はぁー」と白い暖かい息をマキは何度もはいて、マイの手を暖めてあげた。
「…マキ…?」
「どうっすか!気休めですが…少しはマシになると思いやすよ…」
マキはマイの手を暖かい息を吹きかけながらある話をしだした。
「マイ…実はっすね。あっしも〜初めて、この手を温める行為をアネゴにしてもらったんすよ。その時のあっしは色々と辛いことがありやしてね、そんときにアネゴが来て、座り込んで悲しんでいる時、こう言いながら手をとって暖めてくれたんっす。「手なんて飾りだ。だからな…心さえ暖まれば…寒くも寂しくもないだろう?」って、笑顔でそう言ってくれて、去っていったっす。何故、アネゴがそう言うことしたのかわからなかったっすけど、今なら分かる気がするんっす。だから、あっしも誰かに温もりを与えられるような、人になりたいと思ったんすよ。そしてそれはマイで叶えられたっす!だからね、マイも、誰かに優しくできるような人になってほしいっす!これはあっしの勝手な思いっすけどね…。はい!これで少しはマシになったと思いやすよ!」
「…ありがとうマキ。…マキは…アネゴのこと…好きなのね」
「そうっすよ!アネゴは身勝手ですし、口も悪い、自己中でやんちゃな所もただありやすが…凄く優しい一面もあったりするんっすよ!」
「そうなんだ。…私も…優しくしてもらえるのかな…」
「あはは。アネゴはプライド高いですからね…なかなか難しいと思いやすけど、たぶん条件さえ揃えばきっと、マイにだって優しくしてくれると思いやすよ!その条件はわからないっすけどね!」
「…マキ…ありがとう。色々お話を教えてくれて」
「いいっすよ!これぐらい!あ!でもあっしの話は秘密っすよ?アネゴにバレるとうるさいっすからね!」
「うん」
「それじゃーすぐに部屋に帰りやしょう!ストーブで手を温めれば完璧に治るっすよ!……後…、マイ?痛かったら痛いって、素直に言えばいいんすよ。我慢ばかりじゃ…辛さには勝てないっすからね!それにあっしらは、マイが心を開くのをずっと待ってるっすよ。…泣いたり、笑ったり、バカのことしたりして楽しんだり…、マイともっといっぱい思い出を作ったりしたいと思っていやす!親でもないのにこんなこといって…変っすけどね!」
「うんん…、嬉しい…」
「それは良かったっす!さ!せっかくですし、手を繋いで戻りやしょうか!アネゴたちも待っているだろうし!」
「うん」
そんな暖かな話をしている時、アネゴとミナとは言うと………、今日の出来事を話していた。
「ふ〜ん。マイちゃん家、見つけたけど…何もなかったのねー」
「ああ、せっかく見つけた情報だったのによ…クソォー…やりきれないぜ…」
「でも…よかったんじゃない?マイちゃんの苗字がわかったのは?」
「そうでもないな。本当に探していたのはマイの写真、書類類だからな。全部持っていかれてんだぞ?そうとう執念深く用心して出て行った感じだった…情けないぜ」
「ヤァね〜。そんな弱気になっちゃって。いつものあんたらしくないわよ〜?でもそこまでして、隠したいことがあったってことなのかしらね…」
「恐らく何かはあるんだろうが…何故、自分たちの娘を山道なんかに捨てていったのかその理由もわからん。わかんねぇーよったくよー!」
「それはさっき経済的な理由って、結論出してなかった?あんた飲み過ぎよ〜?お冷だしましょうか〜?」
「そんなのはどうでもいいんだよ!俺はな…マイを児相に渡すべきか、どうかも悩んでいる。あいつの人生だ。ここにいるよりはそっちに入れた方が何かといいはずだとも思ってる。でもな…マキの執着が気がかりで、判断できずにいる。そんな簡単なことが判断ができない自分がいる。イラつくぜ…」
「はぁ〜?児相なんかに渡しちゃったらコスプレ衣装着せ替えできないじゃない!やめてよね!?そんな勝手な判断!!このままでいいじゃない!?」
「ミナ、お前は相変わらず自分のことばかりだな…。いいか?俺たちには親権なんかないんだぜ?今は保護しているだけだけどな…あと一年ちょっともすれば、学校に通わないといけねぇー歳だ。親権がないまま…このまま保護しても全く意味はないんだぞ?だから俺は…なぁ………………」
ガタンッ アネゴは頭をテーブルに打ち付け、寝落ちした。
「あらあら…アネゴってまったくお酒強くないのね〜。まさかワイン一本程度で酔い潰れるなんて…。そんなにアルコール度高かったかしら?まぁなんか面白いこと聞いちゃったかもだし♡なんだかんだパーティに来てよかった♡」
ガチャ 外に出ていた二人が帰ってきた。
「ただいまっす!あーあったかい!」
「ただいま…」
「あら♡おかえり♡二人とも手を繋いで中の良いこと♡」
「あはは…手はカチンコチンっすけどね!ストーブに…って、あれー!?アネゴ!どうしたんすか!?アネゴーー!!」
「ただ酔い潰れてるだけよ〜心配ないわ。さて〜それじゃ〜邪魔者もいなくなったことだし、マイちゃんのコスプレの時間ね♡」
「ミナさん!今日はパーティーがメインっすからコスプレは控えてください!」
「ちぇ〜。じゃサンタコスだけでもしてもらおうかな〜?いい?マイちゃん♡」
「…一回だけなら…」
「決まりね♡」
「はぁ…あっしはアネゴを寝室に運ぶっす」
「そう、ごゆっくり〜♡さ!着替えましょ!マイちゃん!どんな髪型にしようかしら♡」
雪が降る夜は心が暖かくなる日…。アネゴ家のクリスマスの夜は少し長く騒がしかったのであった。




