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真顔少女の初めてのクリスマス【クリスマス編】

 トントントン・・・


 リズム良く食材を包丁で切る音。あの謎の男の子の件から数日が過ぎ、ヤンキーと真顔少女はクリスマスの寒い朝を迎えていた。朝食の当番はマキとマイだった。マイを拾った当初に比べ、マイは家事を難なくこなせるようになっていた。マキも母親のようにマイに接するようになっており、マイもその愛情に応えるように行動で表していた。


マイと私の分の朝食ができたと同時にアネゴが寒そうに部屋からでてきた。今日の朝食は目玉焼きと焼きベーコンとサラダだ。


「あーさむい…」

「あ!おはようっす!アネゴ!今日も寒いっすね〜!」

「おはようアネゴ…」


「あぁ、おはようさん。じゃなくて…なんでこんなに部屋が寒いんだ…?」


「それが…ストーブの灯油が切らしてやして…」

「はぁ?なぜ買いにいかねぇーんだよ。飯より、暖だろ…」

「アネゴ。昨日、灯油を入れたのはアネゴですよね?ルール通りなら責められる筋合いはないっすよ!」

「チッ!あぁ…そ〜だな…。その通りだよ…まったく…。とっとと買ってくるか」


 ルールその1

【灯油を最後に入れて、ポリタンクを空にしたら、空にした本人が買ってくること】である。


「じゃ、ちょっと行ってくる。飯は・・・先に食ってろ」


 アネゴは渋々、灯油用のポリタンクをもって、買いに出かけて行ったのあった。それと同時にアネゴの朝食をマキは作り始めた。


「やれやれ、アネゴの寒さ嫌いには困ったもんすねー。ねぇーマイ」

「…?アネゴは寒いのが嫌いなの?」

「そうなんすよ!アネゴは昔から寒さが苦手で…一時期、1日中ずっとコタツから出ない!なんて事もあったぐらいっすよ!」

「…そうなんだ…」


「マイは寒くないっすか?あっしは料理で火を使ってるからあまり寒くないっすけど…」

「大丈夫…動いてるから…寒くない…」

「そうなんすか!子供は風の子って言うし、さすがっすね〜。ん?ってことは…」


 マキはいきなりマイをぎゅっと抱きついた。


「…マキ…?」

「んん〜!これは…マイ抱き枕暖房器具っすね!なんちって!……………結構あったかいっすね!マイ!」

「マキ…マキ…」

「ん〜?どうしたんすか〜?苦しいっすか〜!もうちょい!もうちょいだけっす!!抱かせてくれっす!!!」


「煙が…」

「えっ?煙?あ!ああああああああ!?!?アネゴの飯がー!!!」


 最後にアネゴように作っていた目玉焼きとベーコンが黒く萎んでいた。もちろん、こんなの見せたら殺されるのは必至だった。


「マキ…大丈夫?」

「あ…仕方ないっす!あっしが食べやす!だから大丈夫っすよマイ!ただ…食べ物を粗末にしてはいけないって、ルールがあるんすよ!これはあっしが勝手に考えたルールっすけどね。はぁ…」

「マキ。私の綺麗なのと半分こにしよ」

「ええ!?マイ!いいんすか?!」


 そういうとマイは食器棚からナイフとフォークだして、綺麗な目玉焼きと焼きベーコンを半分切って、黒焦げた目玉焼きとベーコンを半分に切り、焦げたやつと綺麗なほうと半々に分けた。


「マイ!いいんすか!?本当に!?ありがとうっす!!」


 マキはマイをまた抱きしめた。


「うん………ぁ…」

「マイ…優しく育ったすね…。あっしは嬉しいっす!一時期、アネゴの悪影響で口の悪い、ワガママな子に育つんじゃないかと思いやしたが安心しやした!マイ!大好きっすよ!」


 ガチャ…ン 静かに扉が閉まる音


「ほ〜う?」


 ビクッ!!


「お前〜俺のことをそんなふうに見ていたのか?そうかそうか…。そうだ。ここに今。灯油があるんだが…俺はそろそろ暖にあたりたかったところだったし…ね?マ〜キちゃん?暖房器具になりたくな〜い?うん?」


「ああああ!!!アネゴおおおおおお!!!いや〜これはその〜…ねぇ?あはは!そうだ!ご飯食べましょう!ね!?ね!?」


「はぁ…冗談だよ…。許してやるからストーブに灯油入れといてくれよ…寒いから…。」


「はい!了解っす!寒い中お疲れ様っす!今すぐに!あ!先に食べててくださいっす!」


 そういうとマキはストーブの灯油缶に灯油を入れるため、外に出て行った。ヤンキーアネゴたちのたまにある、日常風景。マイとアネゴは席につき、「いただきます」と言って、食べ始めた。


「ん?なんでマイとマキのおかずだけ黒いんだ?」

「…私が焦がしたの」

「そっか、次から気をつけろよ」


ちょっと気まずい空気の中、マイとアネゴはもくもくと静かにご飯を食べ続けた。ちょっとしてマキが外からもどってきた。


「いや〜寒いっすね〜。そういえば、今日!クリスマスっすね!」

「…クリスマス…?」

「マイは初めてっすか?今日はお祈りして、ケーキを食べたり、プレゼントをもらう日なんっすよ!」

「お祈り?ケーキ?プレゼントって何?」


 それを聞いてマキは考え始めた。


(おかしいっすね…。この歳ならクリスマスぐらい知ってそうなはずなんっすけど…。一体どういう家庭で育ったんすかね…。ますます…謎が増えて、マイがどんどん遠くに行ってしまうような…そんな感じがするっす。最近は、親近感が出てきて…打ち解けた感があったんすけどね…。今は深く突っかからないように接するのが吉っすね。…たぶん、アネゴが色々調べていると思いやすし、あっしは、あっしができる事をするっす!)


「ご飯食べたら平○堂に買い物に行くっすよ〜!」

「…買い物?スーパーの?」

「ぶぶ!スーパーよりでかいお店っす!色々買うっすよ!そして、クリスマスを教えるっす!アネゴ!車お願いしやす!」


「なんで俺まで行かなきゃならねぇーんだ?せっかくの休みなのに、なんでお前らの道楽に付き合わなきゃならん。お前らで行ってこい」


 そういうと立ち上がり、食べた食器をかたずけ始めた。


「ヘェ〜アネゴ行かないんっすか?じゃ〜アネゴだけケーキとチキンなしでいいっすよね〜?」

「あん!?何故そうなる!?俺たちはパートナーだろ?」

「働くざるもの食うべからず。っすよ!どうしやす〜?」

「チッ!わかったよ〜。行けばいいんだろ !行けば !まったく !早く食器だせ !食器 !」


 アネゴ家 ルールその2

【ご飯、作らなかった人は食べた後の皿洗いをすること】だ


「じゃマイ、アネゴが皿洗いをしたら行きやしょうか !外は雪降ってやしたし、あったかい格好をして行きやしょうね!」

「うん」


 こうして、アネゴたちはマイこと真顔少女の初めてのクリスマスパーティーの準備をするために買い物に行くのであった。

凄く…いや…とてつもなくありがとうございます…OTL

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― 新着の感想 ―
[良い点] 寒がりなのでマイちゃんを抱き締めたくなりました…っ、マキさんが羨ましいです……っ! [一言] こんなに早く続きを読めて本当に嬉しいです、ありがとうございます……っ! これからも賑やかにな…
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