マキと謎の男の子【類友編】
昨日の夜の一件から、次の朝になった。
ジリリリリッッ!!
目覚まし時計が鳴り響く
「う…うん…」
ジリリリリッッ!!「起きないと◯すぞ☆」
「はっ!」
チン!
「はぁ…はぁ…なんなんすか!この目覚めの悪い目覚まし時計は!!!いや…たしかに目…覚めましたっすけど…精神に悪いっすよ…これ。はぁ…そういえばあの子はっと…あれ〜?」
マキは一緒に寝ていたはずの男の子がいなくなってることに気がついた。
「あれ〜!!どこにいったすか!?」
マキは急いでゆっくり、マイとアネゴとミナが寝てる部屋を覗くが…
「こっちの部屋にもいない…。一体どこにいったす…」
部屋を見渡すと…男の子が着ていた服がなくなっていた。
「あ!!服がない!!」
そしてコスプレ用の服が玄関前に散乱していた。扉を見ると扉の鍵は開きっぱなしだった。
「あの子、外に出ていったんすか…。でも、なんで…どうして…」
マキは独り言のようにブツブツ考えた。
「昨日の夜は、あの子が寝るまでずっと様子を見ながら寝たふりをして、あっしは見ていやしたっす。そしてしばらくして、やっと寝たのをみて、起きる気配もなくなったからあっしも眠ったっす。でもまさか…あれは…嘘寝だったとしたら…いや…あの歳で嘘寝をしてあっしを騙すなんてことできるんすかね…。ん〜それが事実だとしたら、一杯食わされたってことっすか?まさかあっしが…子供に…」
マキは少し取り乱す。
「だー!!!!うっせーぞマキ!!!なに1人でブツブツ言ってんだー!!」
マキの独り言でアネゴが起きてきた。
「あ!アネゴ!すいやせん…」
「あん?なぜ謝る?それに………あのガキはどこいった…?マキ?」
「すいやせん。どうやら出し抜かやしたようです」
「あ?どういうことだ??」
マキはアネゴに昨日の出来事といなくなった原因の推測を話した。
「ふん。あのガキ…ただもんじゃねぇーな。俺もマキも、神経質だから少しでも音が聞こえたら気づくはずなんだが…。静かに布団から出て、静かに歩いて、静かに服を取り、服に着替え、扉の音も出さないまま出て行ったなんて、ただの5歳児にできることじゃねぇーな。どこでそんなスキルを身につけてくるんだ?まるで逃げるために特化した生物じゃねーか」
「そうっすね。あっしも油断してやした。まさかこんなことになるとは…」
「ん〜考えても仕方がねぇ。マキ!俺は昨日、あのガキを任せるといったの覚えてるな?」
「はいっす!」
「あいつをどうするかはまかせるぞ」
「はいっす!とりあえず、この辺りの地域を探してみやす!」
「探すんだな。わかった。家の事は俺がするから行ってこい。ちょうど俺ら2人とも休みだったからよかったな」
「はい!じゃ、あとはお願いしやすっす!行ってきやす!」
マキはすぐに外に行く服に着替え、家からでていった。マキは自転車に乗り、地域を走り周った。が、なにも手がかりもない状態だったので、子供を探すのはかなりの苦難だった。マキは朝の登校中の子供たちに聞いたり、コンビニでも聞いて回って、目撃情報を探した。でも何の手がかりも掴めなかった。そうこうしているうちに夕方になり、夜になった。朝から探し回ったマキは腹ごしらいにコンビニでおにぎりを3個とお茶を一本買った。そして近くの公園で食べようと向かおうとした瞬間、雨がパラパラと降り出した。マキはまたコンビニにもどり、ビニール傘を買い、まだ見ていない最後の公園に向かった。最後の公園は団地の敷地にある公園だった。
「ついてないっすね。雨なんてあの子、濡れたりしてないっすかね…大丈夫といいっすけど…。しかし結構、遠いところまで探しに来やしたっすね。今日はさすがにもう無理そうかな…」
とぼとぼ歩いてたら公園につく頃には雨はやんでいた。
「えぇーせっかく傘買ったのに…。はぁ…まぁいいっすけど…」
傘を閉じた瞬間だった。
「ふぅ…ふぅ…」
どこかオバケが言いそうな、トーンの高い声が、公園のスベリ台のしたのドカントンネルから鳴り響いていた。
「鳥の鳴き声?いや、こんな時間に鳥が泣きやすかね…?まさか…」
マキは急いでドカントンネルを覗いてみた。するとそこにはあの逃げた謎の男の子がうずくまって、泣いていた。
「はぁ……やっとっすか…。君!大丈夫っすか!」
散々探して、最後の最後で見つかって、マキは安堵した。
「さ…寒い…。震えが止まらない…。どうしたらいいの…」震え声で苦しそうに返事した。
男の子は震えていた。服もびしょ濡れで、さっきの雨が原因だとマキはすぐ気がついた。
「ちょっとおでこ失礼するっす」
おでこをさわると明らかに熱があった。
「熱は…ありやすね…。家からちょっと遠いっすが、おぶっていくっすよ!!」
マキは急いでジャンパー脱ぎ、濡れているその子に着せて、おんぶして、自宅の風呂の準備を電話で伝え、自転車を置いて、走った。
「はっ!はっ!はっ!もう大丈夫っすよ!がんばるっす!」
「………………」
「まったく、お礼は元気になったら言ってくださいっすよ!」
マキは走った。時間は22時過ぎ、秋後半、外の温度は11度だった。
家に着くと、アネゴが風呂の用意をして待っていた。
「風呂は用意した。後はまかせるぞ」
「はい!ありがとうございやす!」
謎の男の子とマキは急いで服を脱ぎ一緒にお風呂にはいった。マキは急いで男の子を湯船に入れたが男の子は湯船に入れても震えが止まらなかった。マキも一緒にはいり、男の子をお湯をかけ、湯船に入れた。そのまま頭と身体を洗った。そしてマキはお湯の温度を上げようとお湯を出した。それから震えている男の子をマキは優しく抱きかかえるように抱いてあげた。肌と肌が重なることでなんとか男の子の震えがだんだんと落ち着いった。
「大丈夫っすか?」
「うん」
「寒くないっすか?」
「マシになった」
「そりゃよかったっす!」
マキは湯船につかりながら男の子に今朝のことを色々聞いてみた。
「ねぇ。なんで今朝でていったんすか?心配したんっすよ?」
「僕がいると、みんな…不幸になるから…」
「不幸になるんっすか?!そりゃ驚きっす!それでいなくなったんすね」
「うん、あと怖かったから」
「あーそれは否定できないっすね!あはは!アネゴは特にね〜」
「ヘックシ!!だれか噂してんなークソが」アネゴは料理を作りながらで愚痴るのであった。
男の子ちょっとづつ話し始めた。
「あと人間が憎い」
「え?でも君も人間じゃないっすか!自分も憎いってことっすか?」
「うん」
「変わってるっすね!でもあっしは憎まないでくださいっすね!」
「うん」
そんな話をしているうちに男の子の震えが止まった。
「よし、じゃぁ!すぐに上がるっす!!」
「嫌だ。まだお風呂の中にいたい。寒い。」
「風呂に入ってても熱は下がらないっす!部屋は暖房つけてて暑いくらいだから、お布団にはいれば大丈夫っすよ!」
「本当?」
「騙されたと思って!ほら!おいで!」
男の子は恐る恐る湯船からで震えながらマキが用意していたバスタオルに飛び込んだ。マキは急いで男の子を拭き、服を着せた。マキも急いで体を拭き、服を着た。風呂に上がるとアネゴがご飯の用意して、タバコを吸いながら待っていた。
「まったく…残さず食えよ」
「アネゴ色々ありがとうっす!」
「これは貸しだかんな?2人とも」
「はいっす!」
「…………」
男の子はアネゴの作ったご飯を食べた。その間、アネゴたちは食べてる様子を静かに見守った。しばらくして男の子が食べ終えると男の子を布団に寝かせた。
「どうっすか?あったかいしょ!」
「うん、でもまだ寒い」
「まぁ風邪ひいているっすからね。少し待つっすよ!あと今度は逃げちゃダメっすよ!」
「うん」
(マイをミナさんの家に移動させといてよかったす。人間が憎いって事は、かなりの人見知りだろうですし、あの2人がいれば、また脱走しかねないところだったすね。いや、マイは大丈夫な…気が…いや、わからないっすけど)
「お姉さんたちは何故助けるの?」
「ん〜?それはお姉さんたちが大バカ者だからっすよ!」
「大バカ者って何?」
「自由ってことっす!」
そんな話をしているうちに、相当疲れていたのか男の子は眠っていた。マキは男の子を起こさないようにそっと氷水とおしぼりを用意し、絞って男の子のおでこにのせた。
「じゃ、俺も寝るから今度は出し抜かれるなよっと」
「はーい、おやすみっす!」
アネゴとマキも寝る用意をし、アネゴは別の部屋で、マキはその日も男の子の隣で寝たのであった。
翌日にはまたあの謎の男の子はいなくなってたのは次の話で…。




