ヤンキーアネゴと真顔少女の花火大会【変わった日常編】
「おはよう〜」
「おはようっす!アネゴ!」マキは朝食を作りながら返事をする。
「おはよう…、マキ、アネゴ」
「おう!おはよう」
「マイ!おはようっす!」
最近は、この朝の挨拶は欠かせないものになった。お互いに問題なくってーのはねぇけど、平和な朝が迎えられようになった。俺たちの関係も家族に近い何かになったのかなってそう思えてくる。あとはマイの情報だな。あれからいろいろありすぎる面倒ごとのせいで、忘れかけていたけど、なんとか今後も、この話もしないといけなくなるだろう。ただ、いつ話すかだが…。
「はい!朝食できやしたよー!席についてっす!」
「お!?今日は朝からオムライスか!いいじゃん!」
「はい、マイ〜、ゆっくりあじわって食べてっす!口に合うかはわかりやせんけど…」
「うん、食べる!」
「それでは、いただきますっす!」モグモグ…
「そういや、あいつは?珍しくみねぇーけど?」
「ミナさんっすか?誘ったんっすけど、なんか忙しいらしいっすよー」
「また私に着せる服作ってるのかな?」
ミナさん、服作りが得意で、趣味で生活している人。服を作ってはマイに毎日着せに来る変態姉さんだ。
「ごちそうさん〜」
「お粗末様っす!あれ?マイ?今日は全然食べてないっすね?どうしたんっすか?
「わからない。でも…、マキが作った料理は全部食べたい」
「そうっすか?あまり無理に食べなくてもいいんっすよ?あっしは気にしやせんし、大丈夫っすよ!」
「うん、でもちょっとは食べる。全部、食べられなくてごめんなさい…マキ…」
「いいんっすよ!マイはまだ子供なんだから気にしなくていいんっすよ!」
「は!衣食住そろって、住んでるくせに、お残しとはね」
「アネゴ、今のマイに説明しても理解できないっすよー」
「あん?なんでだ?これくらいのことはわかるだろう!」
「アネゴアネゴ。子供が言葉を覚え始めるのは小学校入ってからっすよ?」
「ふん〜そうだったっけな〜。ま、いいや。でも感謝はしてほしいモンだね。」
「アネゴ。これは保護なんすから、当たり前の行動っすよ」
「はぁ…そうかい」
「それにマイは、ちゃんと感謝しているっすよ?手伝いもするし、いい子じゃないっすか!」
「わかったわかった。もういいはその話は…。そだ!そういえば今日!花火大会と祭りがあったな!」
「そーっすね。近所でやるらしいっすね。」
「よし!みんなで行こうぜ!行っていろいろ食って!花火の見納めをしようぜー!!」
「急にテンションが変わったっすね。まぁアネゴ好きですっからね。花火とか祭り」
「マキー?花火って、何?」
「簡単に説明するとっすね、夜の空に花が咲くんっすよ!マイは初めてっすか?」
「うん」
「じゃあ、楽しみにしてるっすよ!すごく綺麗だから!」
「うん、わかった。」
「さ!食器を片付けるっすよ!マイ〜お願いっす!」
こうして私たちは花火大会に行くことにした。花火大会に備え、アネゴ達とマイは着物屋に向かった。着物屋に着くと人が並びに並んで、行列ができていた。アネゴ達は待つのが馬鹿らしいと判断し、私服で行くことにした。時刻は夜の7時。アネゴ達とマイは出かけようと家の扉を開けた瞬間…。
「待って!行かないで…!」
息を切らしたミナが和服に着替えて、さらに和服を持ってやってきた。
「これ!みんなの分!なんとか間に合った〜…」
「おお!すげぇー!いかすぜこれ!」
「これ、マキさんとマイちゃんの分!」
「え?ミナさんずっとつくってたんっすか!?朝からずっと!?」
「具体的には昨日の晩からかな?♡」
「え!?それって、体調大丈夫なんっすか?徹夜で?なおかつこの時間まで何も食べずにやってたんっすか!?」
「ぜぇ…ぜぇ…間に合ってよかったわ♡」
「家で休んだほうがいいっすよ…」
「行くの!マイちゃんと和服デートしたいの!!」
「あーうるさいやつだな!行けばいいだろ!行けば!」
「アネゴ…」
私たちは急いで和服に着替え、夏祭りに向かった。しばらく歩き、祭りについたと同時にアネゴは「俺!いろいろ買ってくる!花火の見物席を取っといてくれー!」って、言って人ごみの中に消えていった。私らはアネゴの言いつけ通り、花火のそこそこいい見物席を取った。アネゴとはスマホで連絡を取り合い、合流した。アネゴは…なんかすごい量の食べ物を抱えて、満足そうに座った。
「ほれ!たこ焼き!出来たてだから早く食おうぜー!」
8個入りのたこ焼き、2個づつ分けて食べた。が、マイは1個しか食わなかった。
「マイ?食べないっすか?」
「1個でいい。すごく美味しかった」
「そうかい?じゃーあと一個は俺が食うぜ!」
「あ!待ちなさいよ!マイちゃんのたこ焼きは私のよ!」
「あん?でしゃばってくんじゃねーよ!これは俺が買ってきたから俺のモン〜!」
「その和服、高いわよ?」
「い!!せこいぞそれ!!」
「さ?どうする?」
「チッ、まったくよう…ほらよ」
「やったー!マイちゃんのたこ焼きー♡」
「まぁ、マイの残り物だから違うってわけではないっすけどね…」
そうこうしているうちに、一発の花火が、夜空を照らした。
「お!ターマヤー!」姉貴は大きな声で言った
花火はどんどん空を舞い、可憐な花がいろいろな色を放って、たくさんの人を魅力した。
しばらく夜空に輝く花火を見ていた。そして最後のラッシュ花火、連続で打ち上がる花火はそれはそれはすごく綺麗だった。ラッシュ花火を見終え、拍手と共に花火大会は終わった。帰宅途中、マキはマイに聞いた。
「どうだったすか?花火!綺麗だったでしょう?」
「うん。すごく綺麗だった…」
「そうよね♡私、久々に花火なんて見たからドキドキしちゃった♡これもマイちゃんのおかげかな〜?♡うふふ♡」
「いや、確かに花火は綺麗だったが、やっぱり屋台で売られているイカ焼きこそ!最高だったぜ!」
「何言ってんのよ!花火が一番だったでしょう!」
「いいや、イカ焼きが一番だった!」
「あはは…。あの2人も大概っすね〜」
「うん、でも見てて楽しい…」
「そうっすね〜あれはあれで、新しい夏の風物詩っすかね〜」
「うん…」
「うん?マイ?なんか…顔色悪くないっすか?大丈夫っすか?」マイはフラフラしていた。
「うん…大…丈…夫…。」
パタンッ
「え?マイ?マイ!!どうしたんっすか!?大丈夫っすか!?返事するっす!マイ!!」
マイは急に倒れた。二人が言い合っているさなかの出来事だった。雲のない、静かな夜空の星々が彼らを見下ろす。




