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ヤンキーアネゴと真顔少女【出会い編】

とある夜、二人の女ヤンキー達は山道を車で走らせていた。


「アネゴー、暇っすね〜」

「ふん!いいから走らせてろ」


 俺、いや私はイライラしていた。ただただイライラしていた。理由なんていくらでもあるだろうが、今日は日頃のストレスのせいで、格段と機嫌が悪かった。


「何かあったんスか〜?今日は特に荒れているようですが…」

「なんでもねぇよ、それよかもっと車をとばせ!遅すぎだぞ!」

「そんなこと言っても、この電柱もたってないこの道で速度を出すのは危険すぎますよ!」

「はぁ…わかった、俺が運転する、変われ」


 そういうとゆっくり車を路肩に寄せ、電灯が点いているところで停車した。周囲は夜中だけにまったく人の気配も感じないくらいに静かだった。


「アネゴー悪いことは言いませんから、今日は引き上げましょうぜー?」

「おう、言いたいことはそれだけか?いいから行くぞ!乗れ!」

「やれやれ………こうなったら付き合うしかなさそうっすね…」

「おーい!いくぞー!」


 車に乗り込むと猛スピードで発進した。車の発進音は夜中の空に鳴り響いた。

 発進した車はスピードを上げ山道を突き進んだ。


「アネゴー!スピード出しすぎっスよ!誰か人が立っていたらどうするんスか!」

「今は夜中で深夜だ!誰もいやしねぇよ!よし、テンション上がってきたぜぇ!!」

「あ!アネゴー!落ち着いてくださーい!!危ないっす!!危険っス!!」


 危ないとわかっていながら日頃のストレスを発散する勢いで、曲がりカーブに差し掛かった。


「ドリフト行くぜー!!!」

 まさにドリフトをしようとした瞬間、曲がりカーブの道路の真ん中で黒髪少女が立っていた。

「アネゴー!誰か!人が立ってるッス!ブレーキブレーキ!!」

「チッ!」


 ブレーキを掛けたが間に合わないと判断し、ドリフトを中断し、曲がるのをやめ、曲がりカーブを直進で進み、ギリギリの所を少女を避け、車はガードレールに突っ込んだ。


「いっててて…おい、大丈夫か?」

「なんとか無事っスよ、アネゴ…」


 二人は車を降り、接触した車の状況を確認した。


「これはひどいっスね〜、いや、これで済んで良かったと言えばいいんすかね…」


 それもそうだ、あんなスピードで突っ込んで、ガードレールは曲がるぐらいと、車の片方のライトが壊れてしまうだけで済んだのだから。

「ったく!誰だよ!道路のど真ん中に立つ馬鹿野郎は!!」

 アネゴは怒りながら、少女に近づいていった。


 少女は曲がりカーブの真ん中で座り込んでいた。

「おい!車!どうしてくれんだよ!親はどこじゃボケェ!!」アネゴは少女の胸ぐらを掴んだ。

「………………………」少女は何も喋らず、無言でこっちの顔を見ていた。

「チッ!」っと舌打ちをし少女をおろした。イライラし、タバコを吸い始めた。

「アネゴ、とりあえずはここはマズイっす!この子連れて行きやしょうよ!」

「チッ」子供を急いで車に乗せ、すぐに発進した。


 これがヤンキーアネゴと真顔少女の出会いだった。

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