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若き武将達

ご指摘があったので、ここで修正情報を。


献帝→劉協


理由が献帝という呼び方は諡号なのでおかしいのでは?


諡号とは死後に奉る名前なので、この小説内で帝の事を献帝と呼ぶのはおかしいそうです。

作者も知らなかったのでご指摘ありがとうございます!


この小説内は

帝か劉協と呼ぶ事に致します。

「久しぶりだなお前等」

「よー、荊州はどうよ?」

「海が近くはいいな、釣りが楽しいし呉軍との共同軍事演習もやり甲斐があるし」

「いいなぁ…こっちは流石の自然要塞だから他国の連中は使者くらいしか来ないからなぁ」

「ま、それぞれの職務を全うするしかないな」

「なぁ呉軍では誰が凄いんだ?俺は呉軍との戦はそこまで出陣してなかったしさ」

「そうだな…武勇で誇るなら甘寧将軍だろうな、智勇なら呂蒙将軍だと思うけど…」

「けど?」

「呂蒙将軍の後ろにさ俺達より、年は上だと思う奴がいてよ。呂蒙将軍が軍略談義の時にそいつにも意見を求めてたんだよ」

「へー、つまり切れ者か?」

「しかも相当のな…まぁうちの軍師殿には勝てないだろうがな」

「うっ…軍師殿…」

「おい、安国こいつ何やったんだ?」


呻き始めた天祥は無視して俺達義兄弟は酒を煽る、親父達が義兄弟故にそのまま俺達も義兄弟の盃を交わし俺が兄となった。でも歳が1つしか変わらないからそこまで気にはしないけどな。この天祥も俺達と歳はそんなに変わらなくて黄忠将軍の孫だ、本人はそうでもない言うが奴の弓には舌を巻く。将軍とは違いこいつは凄い態勢で弓を射っても外しはしない、その度に将軍からぶん殴られてるがな…将軍曰く

『そんな態勢になる前に終わらせんかい!!!』

だそうだ。

俺と安国も弓には自信あるがこの2人には敵う未来が見えない、昔に大喧嘩した時は互いの武を競ったが呆れた劉備様に

『天祥、あの2人をどう見る?』

『一騎打ちをすれば片方は勝ちますが、恐らく死ぬ程の怪我を負います。止めるべきかと』

『なら止めてくれ、あの2人は私にとっても息子なのだ』

『では弓で、ふっ!』

『『あだ!?』』

『御二方!貴方達は偉大な父を持つ御二人!!そしてその長兄であらせられる劉備様が心配しておりますぞ!一国の君主の前に貴方達二人にとって父も同然のお方の心を痛めて何になりまする!!?』

『『…』』

『そう言う事だ二人とも、確か張苞が歳上だったな。張苞を兄とし義兄弟となるのだ、互いに研鑽してこの蜀を守ってくれ』

『『はっ!申し訳ありませんでした!!』』

『しかし、天祥よ練習用の刃が付いてない弓を二人の頭に射るとは…』

『熱くなってる時は予想外の事をすれば大人しくなると祖父に教わりましたので』

『さすが黄忠だ、よき教育だな』


その後たまたま親父と一緒に黄忠将軍に会ったが、大笑いされたのはいい思い出だ。額が腫れてたからな…


「今度交代で俺達親子が荊州に行くんだぜ」

「お、そりゃいい。呉との演習楽しみにしとけよ」

「あぁ、兄貴も久しぶりの荊州だから楽しみにしてたよ」

「平兄さんがか?なんかあんのか?」

「行きつけの店があるらしくてな、そこの娘が大層気に入ってるんだ」

「へぇ意外だな」

「今日は若殿と出かけてるそうだから、そのうち鉢合わせするかもな」

「若殿は元気か?」

「あぁ近頃子が産まれてな、劉備様が破顔して甘やかしてるそうだ」

「ははっそりゃ平和な証拠だな、お前んとこの奥方はどうだ?」

「まだ子は作ってないが、近頃銀屏がよく遊びに来て武技を教えてるんだぜ?」

「いい事じゃないか、武家の妻なんだからさ」

「そうか?可憐な妻が矛を振ってるのみるとハラハラするぞ?」

「銀ちゃんは嫁にはまだ行かないのか?」

「本人は行く気があるんだが…親父が…」

「あぁ、納得だ」

「銀屏より俺は気になる奴がいるんだ」

「ん?誰だ?」

「こいつだよ、オラ!天祥いい加減起きろ!!」

「なんだよ…」

「使用人の玲とはどうなったんだよ」

「まだ手を出してないのか?」

「れ、玲とはそんなんじゃないんだよ!」

「おいおい、何歳だよ…こんな純情なやつ初めてだぜ」

「お前も俺達と一緒で跡取りなんだからよ、お家の事考えないと駄目だぜ?」

「うるせぇ!!」

「これは割と真剣に考えないといけないからな?」

「玲じゃなくてもいいだろ…」

「はぁ〜玲が可哀想だなぁ」

「そうだな、何度か会ったがあんなに気立てのいい子居ないぞ?」

「好き放題言いやがって…」

「まぁ嫁に貰うも貰わないもお前次第だからな」


おのれ…好き放題言いやがって、今度の訓練で絶対ぶん殴ってやる。俺達は店を出て帰路に着く、張苞はそのまま関家に遊びにいくらしく先に別れた。

俺はそのまま屋敷に帰るが、露店で水と果実を貰い飲みつつ齧り付く。玲に見られたら怒られるとこだが居ないから出来る事もあるのだ。


「お帰りなさいませ」

「まだ起きてたのか?」

「仕事ですから」

「寝ててもよかったんだかな…」

「湯浴みはされますか?」

「あぁ、頼むよ。一人でゆっくりするから」

「わかりました」


あの阿保二人の所為で変に考えてしまう…

湯浴みをして落ち着くか。


〜玲〜


ま、またやってしまった…

仕事だから待つなんて…冷たい女って思われたかもしれない…落ち込むのは後よ、まずは着替えを準備しないと。夜の屋敷はとても静かで起きてるのは私と天祥だけでしょうね、漢升様は今夜は厳顔様の屋敷で飲み明かすと肴を持って行かれた。私にとってもお爺様の様な人だが本当に若い、生涯現役を自称されてるがこれは冗談でも何でもないでしょうね。

ふと、手が止まり天祥とこの屋敷に二人っきりという事実に顔に熱が集まる。慌てて準備をして気を紛らわせる、こんな顔では仕事が出来ません!


「ふぅ、すまんな遅くまで」

「いえ」

「明日の俺の予定は?」

「特に急ぎのものはありません」

「なら村の子達の様子を見にいくかな…」

「何か持っていかれますか?」

「途中の露店で買っていくさ」

「わかりました、準備しておきます」

「…玲も来るか?」

「は?」

「忙しいなら良いんだが…」

「い、いえお供させて下さい!」

「お、おう?」


天祥は自室に戻られ寝るようだ。

私も急いで屋敷の片付けを行い、自室に戻って寝る支度をする。ふ、不自然じゃなかったかしら?天祥から誘われるなんてどういう風の吹きまわしかしら…?

私は明日の事を思うと目が覚めてよく寝れない夜を過ごしてしまった…


……

………


「じゃあ行くか」

「はい」


私は天祥と共に屋敷を出て、村の人達の元へ向かう。

朝から他の使用人の方に仕事を任せましたが、皆から頑張れとの声援を頂いてしまった…な、何故わかってるんでしょうか…


「やぁ天祥様、おはようございます」

「あぁ、おはよう。此間買った菓子をくれぬか?」

「はい、わかりました。少し多めに入れておきますね」

「すまんな」

「いえいえ、いつも贔屓にさせて貰ってますので」

「玲、行こうか」

「はい」

「毎度ありがとうございます」


天祥が寄った店は我が屋敷でもよく茶菓子に出されるものだ。漢升様もお好きでよく食べられる、私達もよく買いに行きますが私達よりも天祥の方が買いに来ている様だ。一度城の方の執務室を片付けに行ったが、菓子袋が大量に隅に追いやられていたのでちょっと驚いた。昔から甘い物は好きだったが…ちゃんと片付けして貰わないと…少し思い出し笑いをしてしまった。


「ん?どうした?」

「ふふ…いえ、余程この菓子が好きなのですねと」

「む…好きな物は好きなのだ仕方ないだろう」

「若様は昔から甘い物が好きでしたね」

「まぁ…そうだな、執務の間についつい摘んでしまうな」

「食べ過ぎもよくないですよ?」

「わかってるって」

「また掃除に行くような事はしないでださいね」

「わかった、わかったから…」


つい何時もの調子で言い過ぎてしまった…

せっかくのお出掛けなのに、こんなんじゃ…


「…まぁお前だからこんなに甘えられるのかもな、他の使用人には出来ないと思うよ」

「え?」

「それこそ、小さい時から一緒なんだ。どうしても気を抜いてしまうさ」

「ふふ…駄目ですよ、漢升様の跡を継がれるんですからしっかりしないと」

「あの爺様が死ぬとこなんて想像出来ないがな」

「それでもご高齢なのですから…」

「そろそろ手合わせでも勝たないとな」

「漢升様はお元気過ぎますからね」

「お前からも言ってやってくれ」

「私より母が効きますよう」

「そりゃ、敵わないだろうな」


2人は和やかに歩みだす。

まるで小さな時に戻った様に互いに笑い合い、普段の若様と使用人ではなく。幼馴染の天祥と玲として…

そんな2人を屋敷の高い所から観察していた黄忠は曽孫も近いと確信をしていたが、手伝いで一時的に復帰していた玲の母にしこたま怒られていた。


「お前さんも孫の顔を見たいだろうに…」

「それとこれとは話が別です」

使用人 玲 れい


この世界の使用人の立ち位置として、家政婦というかメイドというか…お世話係と思って下さい。

掃除洗濯料理などなどやっております。


母が黄忠に仕えていた為小さい頃より、天祥とは一緒に育ってきた。

昔はやんちゃな娘でイタズラもするし、天祥とも喧嘩はしていた。

仕事を覚えてからは真面目にこなしている、使用人の中では若い衆の纏め役も務めている。


天祥の事は昔から慕っている、自分が使用人の娘という立場があるので前に出てこれない。

それを知っている屋敷の人間は全員で応援をしている、知らないのは天祥のみである。

母が黄忠に娘と天祥の結婚って大丈夫なの?って聞いたら。


「むしろ、儂は玲を娘と呼びたいから早く結婚して欲しいと太鼓判を押している」


つまり、早く結婚しろという事である。

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