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Jバスケット  作者: 神谷頼杜
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第1話 進学校に奇人現る

第1話 進学校に奇人現る



キーンコーンカーンコーン


部活始まりのチャイムが鳴り響く

ー今日もみんな揃っているか!?これから部活を始めるぞ!

新部長の滝沢がいつもの一言を言う


ー部長そんなことより今日新入生の部活勧誘の日でしたよ!

ーバスケ部誰も行かなかったんでですが大丈夫ですかね?

ーたった8人の部員で今年のインターハイとウィンターカップは戦わないとですし。。。


進学校の東仙高校は2年生のウィンターカップが終わり次第

大学へ向けて受験勉強がはじまる3年生はインターハイ予選前には引退し

東仙高校では半年世代が入れ替わるのが早くて有名だ。


ーもし本当にこの部活に新入生が入るとしたら、恐らくここまで来るだろう。


新部長は諦めがついているかのような力のない声でそう答えた。


そんなどんよりという言葉がふさわしいくらい暗い空気の中

誰もいるはずのない入り口のほうから声がした。



ーあのぉ~?バスケ部ってこちらですか?


部員が一斉に入り口を向いた

みんな死んだ魚のような眼をしながら振り向いたその時の光景は

新入部員に大きな衝撃を与えた。


ーえっと…なんかすみません!バスケ部じゃなかったみたいですね!


新入生2人があまりの空気に耐え切れず苦笑いを浮かべ逃げだしそうになったその時

小さな杏先生が新入生の行く先にいた


ーあら?バスケ部はここよ?あなたは入部希望者かな?うちは進学校だけどめちゃめちゃ練習は厳しいけど結果はでるって照明はされてる部活よ!それでもいいなら私たちバスケ部はあなたを歓迎するわ!


「希望」そう…まさに希望という言葉がふさわしかった。天使のような笑顔の杏先生を目の前に見た新入生は何も言わずコクっとうなずき体育館へいざなわれた。


ー杏ちゃんすごいじゃん!さすが学校一の美少女ティーチャー!


副部長の井村が遅れてやってきた


ーあんたが新入部員勧誘時間にサボったからでしょ!新入生君ほんと使えない先輩でごめんねぇ~

ー杏ちゃんそんなこと言うなんてひどいよ~俺も一応さ!新入部員これでも見つけてきたんだから!


そう威張って井村は新入部員?を呼んだ!


ーお~い雫ちゃーん!こっちだよ~!ってあれどこ行ったんだ?…あっいたいた!


あっという間の出来事だった。ものすごいスピードで体育館入口から校門へ逃げる女の子とそれを超速で追いかけ捕まえる井村の犯行現場を部員全員は目撃した。


ーあ~あれはダメね・・・


杏ちゃんと部員と新入生。

あわせて10人はお互いの顔を見合わせながら同じことを思った。


ーほら連れてきた!

ケロッとしている井村と半泣きの女の子がそこにはいた。


ーあんた!バカだろ!


小さな杏ちゃんが井村を責め立てる。


ー大丈夫?けがはない?ごめんなうちのアホが…


部員全員でかわいらしい彼女を杏ちゃんに目もくれず心配する


ーあっ大丈夫です。。。お気遣いいただきありがとうございます。


おしとやかに部員全員にお礼をいう雫ちゃんと

私にはこんな扱いしないくせに…と、陰ですこし膨れる杏先生。

そんなほほえましい光景が広がっていたその時。


 すみませーん、ここってバスケ部強いんですかー?

明らかに柄が悪い。制服を肩に背負って、タンクトップ一枚。新入生なら今日初めて履くはずのズボンなのにもう汚い。そして身長は2mはあるかという巨人がいきなり現れた。


 えっと…どちらさまですか?

思わずみんなが背筋が凍り敬語になった。

さっきまでおしとやかだった雫ちゃんは驚きすぎて氷のように固まっている


ーバスケ部に入りたいんですけど大丈夫っすか?そのかわり俺より強い人間がこの部活にいたらなんですけど!


まさに宣戦布告。いや道場破りとでも言ったほうがいいだろうか。


進学校の体育館でまさに古典的な手法で乗り込んできた巨人がそこにはいた。


静まり返る体育館

誰もがこいつヤバいやつだ。いろんな意味で!と警戒度がMAXになった瞬間

小さな胸を張りつつ杏ちゃんがその巨人に向かって言い放った。


 いいでしょう!その代わり君が負けたらこの3年間この部活に入ってもらうわ!


ええええええええええ!!!


 全員が何アホなこと言ってるの杏ちゃーーーんって心の中で思った時


まだ体育館を探している一人の男が職員室前をふらついていた。



第1話 進学校に奇人現る Fin


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