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だから私はスポーツが嫌い  作者: とみた伊那
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32.免許も結局は運動神経だ

四十歳を過ぎたある時、ふと運転免許を取ろうと思い立った。

その時はもっと簡単に取れるものだと思っていた。少なくとも一般の人より少し多いくらいの時間で。


我が家は車を持っていなかったので、運転席に座ること自体が初めての経験だった。そして実際に運転してみると

 車の大きさの感覚がつかめない(これはテニスのラケットの感覚が分からないのと同じ)

 スピードに慣れていないために、怖くてスピードを出せない

 信号、自転車、歩行者などに対して素早い判断ができない

実技教習を受けて、落第の連続だった。


心配なのは教習ノートである。一人一冊二つ折りの教習ノートがあり、教習を受けるたびに合格と不合格の判子を押してもらう。普通の二、三回落ちて合する人は、その二つ折り一枚で終了する。しかし私は半分も進まないまま、そのノートがいっぱいになってしまった。

「大丈夫です。こんな人もいます」

教習所の事務員さんは予備の紙をノートに貼ってくれた。これでまだどんどん判子を押す場所ができた。その後私の実習は順調に落ち続け、教習ノートは追加の紙で本のような厚さになった。

そして何度も何度も実習を重ね、教習所の有名人となった後、やっと免許を取ることができた。


よく免許を取るには年齢と同じ金額がかかる、と言われている。私が受けた時は「追加受け放題五万円コース」というものがあった。普通の授業料の他に五万円を払えば、何度落ちても追加料金がかからずに授業を受けられるというコースだ。もちろん私はそれを選択した。


私が免許を取ってから数か月後、その教習所の案内を調べてみた。その「追加受け放題コース」が無くなっていた。あの教習所には悪いことをしたと思っている。


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