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だから私はスポーツが嫌い  作者: とみた伊那
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27.朝礼で運動部を絶賛

 卒業してすぐ病院に就職した。そこでは自分なりに人並みには働いていたと思う。一人前という意味ではなく、まだまだ研修中だがそれほど他の先輩には目立った迷惑をかけずに仕事をしてきたつもりだ。


 就職して三か月くらいたった時、もう一人採用することになった。その時、朝礼で薬局長が言った。

「今度、人が足りないのでもう一人採用することになりました。よく大学で運動部にいた人は就職してからも優秀な人材だと聞きます。今度はそういう事を参考にして、運動部にいた人に入ってもらいたいと思っています。では今日も一日よろしくお願いします」


 この後私はずっと考えた。

「今度は運動部にいた人を」

と言うことは。その前に採用されたのは私だけ。私は大学では囲碁同好会で運動部ではない。今度は運動部の人にしたいということは、私は何か悪い事をしたとか、とんでもなく仕事に支障があったとかがあったのだろうか。ずば抜けて優れてはいなかったが、就職してから次の採用の障害となる程のことは、どう考えても思いつかない。


 今から考えるとあの薬局長はただ単に

『運動部にいた人=精神力が鍛えられている』

という巨人の星のような幻想に取りつかれているに過ぎない人だったと思う。今まで私が一緒に仕事をして、この人は優秀だと思った中に運動部だから優秀だと思った人はいない。常に勉強をしていた人。人をまとめるリーダーシップのある人などの優秀な人はいた。大学時代の部活動など関係ない。


 それだけ言われたので、どれだけ体力自慢のがっしりした人が来るのか、楽しみに待っていた。新しく来た人は軽音楽部にいた明るい人だった。体育会系の汗の臭いは微塵も無い。私とその人はすぐに仲良くなった。薬局長は残念だったのだろうか。ちなみにその薬局長も小太りでいつも足を引きずって歩き、運動とは縁の無さそうな人だった。


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