25.ディズニーランドですら運動神経が必要になる
友達とディズニーランドに行ったことがある。誰もが楽しめる夢の世界。もちろん運動神経の悪い私も楽しく遊べる……はず。
アトラクションの中に、エンジンが付いていなくて自力でカヌーを漕ぐというものがあった。十人くらいでカヌーに乗り、係の人の掛け声と共に全員でカヌーを漕ぐ。実際に乗って漕いでみると、これが案外難しい。
「はい、皆さん頑張ってください。頑張って漕がないと進みませんよ」
と明るく声をかける係のお姉さん。
くたくたになってそのアトラクションは終わった。
カヌーを降りた人はだいたい同じ流れで、同じ人が次のアトラクションの同じ列に並んだ。すると私達が並んでいる列の後ろで男の声で
「今、カヌーに乗ったんだけど、一緒に乗ったヤツがメチャクチャとろくって、なかなか進まないでイライラしたぜ」
と噂をしていた。
聞いていないフリをして聞いていた私は、ここ夢の国でも世間様に対して迷惑をかけていたことに気が付いた。自分では人並みに漕いでいたつもりだが、十人の漕ぎ手の中では浮いていた存在だったのか。今度から遊園地でも気を付けないと。
しかし遊園地の乗り物で、なぜそんなに急ぐ必要があるのだろう。せっかくお金を払ったのだから、長い間カヌーに乗っていられる方が楽しいと思うのだが。
今の世の中、遊園地の中ですら時間に追い立てられているようにイライラしている。何だか怖い。




