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だから私はスポーツが嫌い  作者: とみた伊那
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14.クラス対抗バレーボール大会・その3

中学三年になっても、懲りずにバレーボール大会は続く。もう中学三年なのだから、受験勉強でもしていた方がよっぽど有意義に時間を潰せるのに。


その年は例年以上にキャプテンは熱くなっていた。熱くなって……。そして全員参加だったが、選手交代して私を試合に出す事を忘れた。私は最初から最後までコートの横で見ていただけだった。その事自体、別に辛いとは思わない。むしろ忘れられてラッキーだと思ったくらいだ。


しかし問題はその後だった。中学生くらいの年齢の女子は、たかがバレーボールの試合に勝ったとか負けたとかくらいで、いちいち感動して泣く。その時もほとんどのクラスの女子が感動して、試合が終わった途端に泣いていた。こっちは立っていただけなので、感動も何もあったものじゃない。さっさと帰ろうとこそこそしていたところ、うっかりキャプテンに見つかってしまった。キャプテンの目は泣きはらして真っ赤である。キャプテンは全身感動と負けたことへの悔しさ、そして頑張った充実感を持って

「inaさんも、今日は頑張ってくれてありがとう」

とやっと涙が止まった目と、泣き続けてかすれた声で言った。ここで私も

「はいはい、お疲れ様」

とでも言って調子を合わせておけば良かった。しかし私は非常に人付き合いが下手である。それに加えて散々練習に突き合わされ、全員参加制でありながら試合に出してもらえなかった恨みも多少はある。キャプテンに向かって、つい

「いいえ、私は一度も試合に出ていないので頑張っていません」

と言ってしまった。キャプテンはその時になってようやく、選手交代を忘れたことに気づいたようである。そのまま黙って行ってしまった。

後から別の人に怒られた。

「inaさんがあんなことを言ったから、キャプテンがまた泣いてしまったじゃない」

おおお、試合に出ていない私が、試合でミスもしていないのに攻撃対象になってしまった。せっかく人付き合いの下手な私が苦労して作り上げた人間関係が、このバレーボール大会でガラガラと崩れていく。


そしてルール違反で全員参加しなかったことは、その後何の問題にもならなかった。

学校の規則なんて、そんなものだった。



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