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だから私はスポーツが嫌い  作者: とみた伊那
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11.剣道によって目覚める

私には姉がいる。この姉は私とちっとも似ていない。どこが似ていないかと言うと、姉はスポーツが得意で男の子のように活発だった。

しかし姉妹というものは、小さい頃は大抵姉の後を妹が付いていくものである。姉がピアノを習った時、私も習った。姉が習字教室に行った時、私も教室に行った。


その姉がある時突然「剣道を習いたい」などと言い出した。理由は近くに剣道の道場があったので、興味を持ったためだった。私は絶望的になった。姉が習うものは私も習わなければいけないと、その時まで思っていたからだ。

姉の希望を聞いて、母は道場に入門の仕方を聞きに行って粛々と剣道を習う準備を進めていった。その母に、私は恐る恐る聞いた。

「私も剣道の道場に行かなくちゃならないの? 」

「別に行かなくてもいいよ」

母はあまりにあっさりと答えた。


その時、初めて私は私と姉は違う、姉がやる事の全てを自分がやらなくても良いのだと分かった。姉の後ろに付いて歩くのではなく、個人としての自覚が生まれた時だった。


それからしばらくして、私はヴァイオリンを習うようになった。私は楽器をアゴに挟んでギイギイとかき鳴らすようになり、姉は憎くもないし悪人でもない人間に対して、棒を振り回して叩くようになった。


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