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番外編7・父は球技が苦手
私も私の母も全く運動ができない。しかし父はそうでもなかったらしい。
「球技以外の運動は普通にできていた」
と聞いている。
先日、戦争当時は小学生だったという男性の話を聞くことができた。
その人が言うには、男子の体育の時間は手りゅう弾を投げる練習をやらされたそうだ。手りゅう弾の模型のようなものを、遠くに向かって何度も投げる練習をした。そして教官から
「一つは敵に向かって投げろ。もう一つは自決用だ」
と言われて、手りゅう弾を二つ渡された。今でもそれが心に残っていると言っておられた。
母にその話をしたら
「そう、女は竹を使ってなぎなたの訓練だけだったけれど、男はそういうことをやっていたらしいよ。父は球技ができなくて、手りゅう弾が全然遠くに飛ばなかったんだって」
と言われた。
つまり当時の球技とはバレーボールとか野球ではなく、手りゅう弾を投げるということだったのか。
そうなると、もし父が手りゅう弾を投げたとしたら、最初の一つ目から敵に届かず自決用になっていたわけだ。
当時、父はまだ軍隊に行く年齢ではなかったが、もし兵隊になっていたとしたら、私と同様に非国民になっていただろう。役に立たない親子だ。




