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出会いと不測

今回はシリアスターン。

ブックマーク登録ありがとうございます。励みになります。

 私、高橋千沙と高梨螢との出会いは、彼の6歳の誕生日パーティーの最中であった。生来、大人しい性格であった螢はパーティーの雰囲気についていけず、休憩と称してひとりで中庭にいた。そこで目にしたのは、千沙が高橋逆らえない家の子を罵倒し、あまつ螢の婚約者と名乗り他家の女の子に牽制をしている姿だった。


 うん、まあそりゃ普通は引くよね。だって身分差とかが嫌いなうえに、争い事が嫌いな彼のことだ。関わりたくないなーとか思ってたら婚約者だとか言われて、気分が良いわけがない。


 え?それだけで最悪なの?と思うなかれ。第一印象とは簡単に覆るものではなく、さらにその後も悪い噂ばかり聞いていたらどうだろうか。会っても他の子を牽制するか、自分に媚を売るだけの幼馴染。自分ならそんな幼馴染、いくら顔が良くてもまっぴらごめんである。



 だがしかし、転生し今までの記憶を有する今、そんな愚行は犯さない!

 中庭へ行っても誰かを貶すこともなく、取り巻きを率いることもなく彼と話をし、しっかりと交流を深めてきましたとも!原作では無理を言っても呼んでもらえなかったのに、彼から「ちぃちゃん」と呼んでもらえた。とりあえず最初の関門は突破である。

 ふっふっふ…。すでに転生すること6度目、こんなところで私は躓かないのさ。



「なんで、また、あの女はイベントを潰すのよ…!このイベントがないと、私と螢くんの出会いが薄くなっちゃうじゃない!もう、また裏工作しなきゃいけないじゃない!!」



 物陰で私たちの様子を見ながら、ヒロインがそんなことを呟いているとは思いもせず、私は出会いイベントを終えたのであった。








 夢をみた。夢と言っても、実際にあった場面だ。学園の中庭、好奇心につられた野次馬に、鋭い眼差しの彼。


「ちぃちゃんがそんなことをするとは思わなかった!」

「螢ちゃん?なんのこと…?」

「とぼけないでよ。優華に陰で色々やってたの、僕が知らないと思った?」

「そんなことしてないよ!まって、螢ちゃん、話を…!」

「僕は話すことなんてないよ。ばいばい、もう会いたくもない」

「まって、まってよ…!」


 普段は優しくこちらを見つめる瞳が、絶対零度の物へと変わる。どんなに私が叫んでも、彼は振り向くことはない。その背中は、はっきりと私を拒絶していた。



 暗転。


 

 なんで?どこで間違えたの?


 一回目の様に他者を貶めたりなんかしてない。

 二回目の様に両親の悪事を見過ごしたりなんかしてない。

 三回目の様に自分磨きを怠ったりなんかしてない。

 四回目の様にヒロインに嫌がらせなんてしてない。

 五回目の様に取り巻きに好き勝手なんてさせてない。



 なのに。なんでなんでなんで。私は、いつも、悪役なの…?

 なんで。いつもいつもいつも。優華が邪魔をするの?皆、優華を信じるの?


 なんで、そんな言葉ばかりがぐるぐるとまわる。


 


「……ッ!」


 頬への痛みで意識が浮上する。ああ、また叩かれたのか。覚醒しかけの脳で事態を推測する。頬は困るんだけどなあ。とぼんやりと思った。隠しにくいから。べったりと汗ばんだパジャマが肌に纏わりついて、気持ちが悪い。ああ、なんだか吐き気がする。


「なんでッ!どうしてわたくしばかり…!」


 それはこっちのセリフだよ。お母様。

 このヒステリーが始まるとしばらくは収まらないので、落ち着くまで甘んじて母のサンドバックになろう。痛みを感じる心は、三度目の人生くらいで費えた。感覚が、麻痺しているのだと思う。これが痛みなのか、そもそも痛みとはなんなのか、もう分からない。もう、何かを考えるのも億劫だ。



 そう思いかけた時、玄関のチャイムがなった。



「…はい?」

「高梨です。千沙さんはいらっしゃいますか?」


螢のお父さんだ。その声音は普段よりも幾分か堅い。



「い、いませんわ!まだ帰ってきていませんの!」



 お母様さ、その言い分は夜の10時には通用しないか、逆にそんな時間まで子供の安否を確認しない非常識な家庭だと思われるよ、とか。10時に家を訪ねてくるなんて非常識だとか、色々と思ったのだけれど。




「…いるのは分かっていますよ。千沙さんを出して下さい。」






 こんな展開、今までになかったよ!?




 不測の事態に唖然とする私の前に、螢のお父さんが現れた。







主人公を支えているのは、螢との優しい記憶と、螢への愛情。

螢はふんわり系で、優しい正義感あふれる子です。

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