序夜

四季夜桜は散らぬ常世桜(さくら)。神が創りし散らぬ夜桜。

春から夏へ。夏から秋へ。秋から冬へ。冬から春へ。

四季夜桜は四季、世を廻る。

四季夜桜は四季夜を、廻る。

神が創りし夜の守人は、桜と寄り添い夜を見る。

四季夜桜が与う桜の花弁を抱く桜の子は、桜から離れ陽(昼)を見る。

そして四季夜桜は記録する。

守人の見る夜の全てを。桜の子の見る陽(昼)の全てを。

永劫を記し、果てはなく、

そして今宵も変はり無く、

四季夜桜は四季夜(世)を廻る。

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