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『死ぬ』って何だろう

 今日はちょっと真面目なお話。

 暗い話はしないって言ったんじゃなかったのか(笑)


 さて。

 突然ですが、死ぬって何だろうなぁと、たまに思います。

 幼い頃、夜になると理由もなく怖くなっていました。

 今横で一緒に寝てるお父さんが、お母さんが。明日になって、もし死んじゃったらどうしよう。大好きな母方のおじいちゃんも、おばあちゃんも、いずれ死んじゃうのかな。嫌だなって……。

 今思えば不謹慎極まりないんですが、夜寝る前という感覚がそうさせてしまうのか、そんなマイナスなことばっか考えて、毎晩泣いていました。

 ただ、ここは昔からプライドの高い凛のことです。そうやって泣いているのが親にバレたら、「頭が痛い」と毎回嘘を吐いてましたけどね(笑)


 でまぁ、何故いきなりそんなことをふと思い出したのかというと……もちろん私なりに、理由があってのことでございます。

 実は最近、高校時代の同級生が亡くなったと友人から聞きました。病気だったそうです。

 とはいっても、亡くなったのはもう随分と前のことだそうですが、とにかく知らなかったのでびっくりしましたね……。

 百五十センチない私よりももっと小柄で、可愛らしい女の子。

 その子と私は特段仲が良かったわけではないのですが、悪印象があったわけでももちろんなく、むしろ好意的だったかな。そういえば友人が仲良くしていたなぁという、それくらいの認識でした。

 高校を卒業してから……確か、翌年か翌々年でしたかね。母校の文化祭に幼馴染と行った時、食堂で会いました。同窓会にいたかどうかはよく覚えていないので(コラ)、もしかしたら彼女とお話したのは、その時が最後だったかもしれません。

 悲しいかどうか? 先ほども申し上げた通り、特別親しかったわけではないので、その辺に関しては正直よく分かりません。

 ただ、漠然と。なのですが。

 もう二度と、彼女とお話することはできないのだなぁ……と思うと、なんだか少し寂しいような気がしてしまいました。

 できればもっと、仲良くなりたかったと思いますね。


    ◆◆◆


 私は小五の時に父方の祖母を、中三の時に母方の叔母を亡くしました。

 それについては何年か前に『似たもの家族の一人語り』というエッセイを書いたのでご存じの方もいるかもしれませんが、私が人生で初めて『死』というものに触れたのは、実はそれよりももう少し前のことです。

 小学校三年生の時。

 当時の同級生――とはいえ、クラスは違ったのですが――に、生まれつき身体の弱い男の子がいました。

 幼稚園児や小学生なんていう年頃は、だいたい誰とでも仲良くできるものなんですよ。男女とかそんなん関係なしに。ですからもちろん例外なく、私もその子と一緒に遊んだり、お話した覚えがあります。

 心臓が悪かったか何かでね。あんまり激しい運動をすると命にかかわるとか、まぁそんなことを言われていた子で。体育の授業や運動会、マラソン大会なんかもよく見学していました。もちろん私たちも、先生方も、それはちゃんと理解していたわけです。

 で……その時もまぁ、少し前から体調が悪いと。それで今ちょっと病院にいるんだと。そういうお話は少し聞いていたんですよ。

 けどすぐに元気になって戻ってくるよね、と。風邪ひいて学校休んでるみたいなノリで。

 幼い私はそう、信じて疑ってませんでしたし、同級生たちも同様でした。

 まさか、肺炎で突然亡くなるなんて思いもせず。

 朝礼で校長先生からその知らせを聞いた時は、悲しいとかそういうのよりまず、純粋に「えっ」て思いました。

 何を言われているのか、分からなくて。

 なんだか呆然としたまま教室へ帰って、改めて担任から話を聞いて。

 一時限目の授業が確か理科で、移動教室でした。確か二クラス合同だったのかな。ちゃんと覚えていないんですが。

 それで、理科室へ着いてさぁ準備できました授業を始めましょうって時に、多分誰かが泣き出したんですよね。そこからみんなが、つられるように泣き出して。それからしばらく、ひとしきり全員で泣いた覚えがあります。

 途中から、何で悲しいのかも、どうして泣いているのかさえも、まったくわかんなくなっちゃって。

 結局その日は一切授業にならなかったので、何日か後にお葬式があるということで、みんなでお別れの手紙を書くことになりました。

 で、何日かして……翌日だったかな? 覚えてないですが、とにかくお葬式に行って。

 実際に彼の名前が刻まれた、会場を見て。

 仏壇に飾られた笑顔の写真を見て。

 目頭を押さえるご家族を見て。

 そして、棺桶の中にいる生身の彼を見て。

 私は幼心に、本当にショックを受けました。

 彼はもう、いないんだ……という事実が。もうお話ができない、一緒に遊べない。そんな実感が、今頃湧いてきたといいますか。

 今にも起き出しそうなほど安らかで、綺麗な顔だったのに。

 唇の色だけが、不健康に真っ青で。

 彼を奪った『死』っていうのは、こういう事なんだと、実際に目の前に事実を突き付けられたようで。現実を思い知らされたようで怖かったし、ひどく悲しかったです。


 誰かがいなくなって悲しいと思ったのは、心の底から泣いたのは、この時が生まれて初めてでした。

 最初で最後だとは、言いません。私の名誉のために(何)


    ◆◆◆


 昨年書いたお話の中で、「死ぬということは、自分の存在が消えてなくなるということ」みたいなことを書いたんですが……なんやかんや言って、結局のところそれが一番怖いと思うんです。

 意識がブラックアウトして、『それから』がもうないわけでしょ。

 そしたら自分はどうなってしまうのか……だって、この世にいる人は誰も、その先を知らないんですよ。未知の世界。考えるだけで果てしないし、本当に怖くなってしまいます。

 いずれ誰しもがそうなるんで、こればかりは仕方ないんですけど。

 ただ、実際自分がそうなった後。自分という存在を、そういう人間が生きてたっていう事実を、他の誰かが覚えていてくれたらなぁ……とは、思いますよね。

 そのために、人は生きているのかもしれません。

 誰かに、覚えていてもらうために。

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