表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/25

古めかしいものが好き

 平安の、国風文化と呼ばれる文化が好きです。あの、いわゆる平仮名やカタカナが生まれた時代。

 まぁ、最初は単純に十二単が好きだったんですね。カラフルで、きらびやかな(かさね)の色目が。もともと幼い頃からそういった色鮮やかな物――例えばビー玉や色紙など――を好んで集めていまして、その延長線上という感じです。

 だから、学生時代は国語の便覧を食い入るように読んでいましたね。

 その影響でしょうか。徐々に和服や、古典文学にも興味を持つようになりました。国語の授業ではもっぱら古典が好きで、竹取物語や源氏物語を独学で読んでみたりとか。あんまり、把握はできていませんが(笑)

 和歌も好きです。万葉集や古今和歌集に出てくる句の意味を、これもまた独学で調べたりとか。百人一首なんかも、ピーク時には九十首くらい空で言えたものです。今は……半分いけるかどうか危ういところですけど。

 思えば、本をよく読むようになったもともとのルーツはそこにあるのかもしれません。それも、現代文より古典派。

 現代文も好んで読みますけどね。ただ、評論と文法がすごく苦手だったので、現代文の成績はそれほど芳しくありませんでした。


 高校時代ぐらいからは、明治時代の文学も少しずつ読んで吸収するようになりました。いわゆる文明開化の時代、『散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする』ってやつですね。

 小学校時代に歴史を勉強した時は、別にそうでもなかったのですが、その良さが分かるようになってきたのは本当にここ最近ですね。大人になったという証拠なのでしょうか。

 女学生や、書生さんのような袴姿とか。それこそ散切り頭に、三つ揃えのスーツですとか。鹿鳴館のダンスパーティーでよく着ているような、西洋を象ってはいるものの露出度の低い日本淑女的なドレスですとか。

 和洋折衷のような、ね。例えるならクリスマスと正月両方やっちゃうような、ダイニングキッチンと和室が同じ家にあるような、あぁいうちぐはぐな……褒め言葉ですよ……独特の雰囲気が、何とも言えず好きです。

 この辺りの嗜好は、波津彬子さんの『雨柳堂(うりゅうどう)夢咄(ゆめばなし)』という漫画作品に影響を受けたのかもしれません。明治時代から大正時代あたりが舞台の作品だそうですから。

 あぁ、でも中世も好きなんですよね。ルネッサンスや、フランス革命あたりの時代。世界史の成績はからきしでしたが、広い西洋風のお屋敷や絢爛豪華な装飾品、フリルたっぷりのきらびやかなドレス、堂々と掲げられる十字架、けどその裏ではなんやかんや理由付けては人がざっくざくと処刑されていく……みたいな雰囲気も、個人的にはたまりません。

 まぁとにかく……総括すれば、和風洋風関係なく現代よりも一昔前の雰囲気の方が私はとても好き、みたいなことです。


 そういう好みは、私自身の作風にもよく表れていると思います。

 例えば拙作『恋文』では、百人一首の句の他にも、それこそ万葉集や古今和歌集、新古今和歌集などの句を引用したりしています。和歌で想いを伝えあうなんて、ロマンチック極まりないじゃないですか?

 また、公開はしていませんが、昔書いていた小説で竹取物語を取り扱ったことがありました。確か、あの……前にもエッセイで申し上げたと思うんですが、かぐや姫が千年ぶりに、記憶なくなった状態で現代に戻ってきて、帝の生まれ変わりである男の子と恋愛するみたいなね。そういう……何かもう、今考えると「何それ意味わかんない」っていう感じの。


 拙作『二度目の交錯』は、泉鏡花の『外科室』を現代風になぞったお話になってます。鏡花氏については、以前エッセイで鬱陶しいほど熱く語ったので……詳細については割愛しますけど。

 また拙作『物語を操る女房』は、源氏物語の作者・紫式部と、時の権力者・藤原道長を中心としたお話になっています。源氏物語のキャラを絡めつつ、史実を時折思いっきり捻じ曲げつつ、自分なりの紫式部像(主にヤンデレ)を出してみました。


 そして拙作『若葉かげ~或る恋のはなし~』では、樋口一葉が物書きを志してから肺結核で亡くなるまでの半生(というか晩年)を、彼女の師である半井桃水への恋慕を中心に描いています。

 自分なりに頑張って調べて、自分好みに脚色も入れつつ、彼女の心情に出来るだけ寄り添おうと思って書いてみたんですよね。本物の一葉先生が見ていたらキレられそうではありますが(汗)

 でもやっぱり、あぁいう独特の雰囲気が好きなんです。西洋を取り入れつつ、でもどこか閉鎖的で、まだまだ女性差別も強かった明治の時代。

 そういう時代に生きる女性の悲哀を、自分なりに上手く表すことができたお話なのではないかと思っています。


 西洋を舞台にしたお話も、ご存じの人もいると思いますが、いくつか書いていまして。具体的な国名は作中に出ておらず、もちろんイメージでしかないんですが、だいたいルネッサンス時代のフランスとかイタリア・スペイン・ポルトガルあたり、一八〇〇年代のイギリス的な雰囲気の舞台が多いかなという気がします。

 色でイメージすると、セピア色ですね。ちょっと茶色がかったような、遠い昔を振り返るようなイメージというか……あんまり、分かって頂けないかもしれませんが。

 あのね。西洋といっても、例えばハイスクールミュージカル的なポップな雰囲気ではなくて、どちらかというと落ち着いている……サウンドオブミュージック的な、ふわりとした清楚なワンピースがひらめく、ちょっと古めの映像を遠くから見ているような。アンティーク的なね。あぁいう感じが好きなんですよ。

 相変わらず上手く説明はできませんが。


 現代日本が舞台のお話も、引き続き書くつもりでいますが、如何せんリアルになりすぎてしまって。たまに、疲れてしまうんです。ふわふわと夢を見たい、そんな時があるんですね。

 そういう時、たまに息抜きとして単純に好きなものを、好きなだけ詰め込んだお話を書くと、気持ちが楽なんですよ。色とりどりの着物だったり、フリルたっぷりのドレスだったり、きらびやかな装飾品だったり、あたたかな色味の毛糸で編まれたニットだったり。

 そうすると、自然と時代が遡ってしまう。そういうメカニズムです。


 少し話が逸れましたが。

 まぁ、簡単に言えば私はアナログ人間なんですね(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ