ホントのキモチ
一途な隼人かっこいい.....笑
「好き。だから付き合って?」
私笹原 莉乃は突然告白されました。
しかも、名前も知らない人に.....。
多分同じ学年の人だと思うけど......。
なんで同じ学年ってわかるかって?
だって同じ色のスリッパ履いてるんだもん。
私の学校は1年は青、2年は緑、3年は赤で分けられている。
で、この人は私と同じ緑色のスリッパを履いている。
「え?」
突然の告白に驚く私。
「ごめん。私前の彼が忘れないの。だから貴方とは付き合えないの。本当にごめんなさい。」
と私は深々とお辞儀をし丁寧に断った。
しかし.......
「いいよ。それでも。」
「はい?」
な、なに言ってるのこの人?
「元彼の事忘れなくていいよ。絶対好きにさせるから。
元彼の事なんて俺が忘れさせてやるよ。だから俺と付き合え。」
付き合えって......。
なんて上から........。
「絶対好きにさせるから。」
「はぁー。」
とうなづいていた。
「俺は槇原 隼人。 あんた名前は?」
と聴いてきた。
名前も知らないのかよ。
「笹原 莉乃ですけど......。」
「莉乃か。今日から俺の事は隼人って呼べよ。」
「ちょ......。」
「今日からよろしくりーの♪♪」
その語尾の♪マークはなんだと思いつつ流れで強制的に付き合う事になり私に彼氏が出来ました。
~付き合ってから数日が経過し~
「りーの帰ろー♪」
付き合い初めてから毎日のように一緒に帰っている。
1人で帰ろうとしたら隼人が教室の前でいつも待っている状態。
隼人は思ったとおり同じ学年でしかも隣のクラスだった。
「莉乃ー今日どこ行きたいー?」
毎日毎日放課後デート?的な事してるからなー。
行きたいところって言われてももーないんだけど.......。
「どこでもいいよ。」
「えー、莉乃の行きたいところならどこでもいいよー♪」
行きたいところって......。
だからその行きたいところがないんだよ.......。
そう思いつつ隼人の顔を見ると期待の眼差しでこちらを見てくるから......
「じゃあ、クレープ食べたい......。」
と適当に思いついた事を言った。
すると......。
「おっけ~♪
じゃあ、近くにとっても美味しいクレープ屋さんがあるから行こー♪♪」
と私の手を握り歩き出した。
隼人のテンションにはついていけないな。
「ほい。チョコバナナ~♪」
とクレープを差し出した。
「あ、ありがと。」
「俺はマロンクレープ♪
秋限定なんだって~♪♪」
なんかちょ~嬉しそう。
子どもみたいだね。
でも、マロンクレープ美味しいそう......。
私はジーっと隼人の持っているマロンクレープを見ていた。
するとそれに気づいたのか隼人が.......
「はい。」
と私の目の前にクレープ差し出した。
「ん?」
「いや、だって莉乃ちょ~欲しそうに見てたから~♪
1口あげるよ~♪♪」
ば、ばれてたのか......。
そら、バレるか........。
フッと1人心の中で笑った。
「あ、ありがと。」
パクッ
「どー?」
「んー!おいひぃー!」
と笑顔で言った。
「そうよかった♪」
「秋限定とかもったいない!
絶対ずっと発売した方がいいよ!
私これからこれにする!」
と1人テンション上がっていた。
「本当に美味しそうに食べるね。」
「うん!クレープ結構好きなんだー。」
「じゃあ、俺も。」
と言って私が持っていたクレープを食べた。
「な//////」
いきなりのこと過ぎてびっくりした。
ついでにほっぺが熱くなった。
あー、ほっぺ赤くなっただろうなぁ。
「あはは笑
莉乃顔真っ赤~♪♪」
でしょーね。
自分でもわかりましたよ。
はい。
「そ、そんなことないよ!」
「焦ってる~♪
莉乃可愛い~♪♪」
「ちょ///」
いきなりなんて事言ってんのよ!
「も~、照れてる~♪
莉乃ホントに可愛い~♪♪」
「て、照れてないもん!」
「照れてないもん!だって~♪
もん!って可愛いね~♪♪」
もー!
お前は可愛いしか言えないのかー!
と心の中で叫ぶ。
「も、もう行くよ!」
と私は歩き出す。
「はいはーい♪」
とニヤニヤして言う。
もー、顔熱い.....////
それから私たちは少し買い物をしてもう遅いから帰るという話になった。
「今日も楽しかったね~♪」
「うーん。」
と曖昧に答えた。
「ちょっと莉乃ー?
ホントに楽しかったって思ってるー?」
「え!?あ、うん!
思ってる思ってる!」
「ホントに~?」
「うん!」
「まぁ、いーや。
ほら、着いたよ。」
私の家に着いた。
「ありがと。」
「いーえ、どーいたしまして。じゃあ、また明日ね。」
「うん。また明日。ばいばい。」
と手を振った。
「莉乃ばいばーい。」
と隼人も手を振って帰って行った。
ホント楽しかった。
前まで元彼の事忘れられなかったのに隼人といるときだけなぜか忘れられる。
私隼人の事好きになちゃったのかなぁ。
そんな事を思いながら家の中に入った。
~1週間後~
「今日もありがと。」
「どーいたしまして♪」
「じゃあ、また明日ね隼人。」
といつも通り手を振る。
「梨乃ばいばーい。」
と隼人もいつも通り手を振って帰っていった。
私は家に入ろうとした。
その時......。
「梨乃!」
と誰かに名前を呼ばれた。
「え?」
と私は振り返った。
そこにいたのは......。
「ゆ、優......。」
元彼の優だった。
「梨乃ひさしぶり......。」
「う、うん......。」
気まずい.....。
家に入ってちょっとしたらいつもみたいに隼人から電話がかかってきた。
隼人が家についたらいつもかけてきてくれる。
「はい。」
「もしもし。今から会える?」
だけどいつものテンションの隼人ではなかった。
なぜならいつもは語尾にある♪マークがないから。
さっきまで元気だったのに。
私は疑問に思いながらも”会える”といい公園で待ち合わせることになった。
私は10分ぐらいでついた。
あー、秋だからってちょっと寒いなー。
もう1枚上着きてこればよかった。
私はあたりを見回した。
だけど隼人の姿はなかった。
隼人まだ来てないのかなぁ?
「梨乃。」
と後ろから呼ばれた。
「あ!隼人!いたんだ!」
と駆け寄った。
「どーしたの?
てゆーか、珍しいね。帰った後にまた会える?って聞くなんて。」
隼人は黙ったまま口を開かない。
「ねぇ、隼人?どーしたの?」
そう聞くと隼人は口を開き言葉を発した。
その言葉に私は驚いた。
「いきなりごめん。別れよ。」
「え?なんで?」
「......冷めたんだ。」
冷めた......?
「だから別れよ。じゃあな。」
そう言って立ち去ろうとした。
その時かすかに小声で”あいつと幸せになれよ”って言ったのが聞こえた。
なんで.....?
ようやく自分の気持ちに気付いたのに。
冷めたから別れるって。
もう遅い?無理なの?
悲しみと同時に怒りが込み上げてきた。
「なによ!絶対好きにさせるとか言って冷めたからお終いってどんだけ自分勝手なのよ!
私の気持ちも知らないで!私は.......私は隼人の事が好きなのに!!」
と怒りと本音をぶつけた。
全部伝え終わったらなぜか涙が込み上げてきた。
「へぇー。」
声がワントーン低くなった。
「え?」
な、なに......?
「俺の事好きになったんだ。」
とフッと笑って言う。
「な、だったらなによ!」
隼人は無言で近づいてきた。
な、なに?
私は怖くなって目を瞑った。
すると......。
え?
私は隼人の腕の中にいた。
つまり抱きしめられている。
な、なんで?
「よかった.....。」
と安心した様な声を出した。
「へ?」
「その言葉を聞きたかったんだ。
梨乃が本音を言ってくれるのをずっと待ってたんだけどなかなか言ってくれないから。」
「じゃあ.....。」
「別れるなんてウソ。ごめんね?ウソなんかついて。」
「ううん。
てゆーかちょっと気になったんだけどあいつと幸せになれってどーゆー意味?」
「あ、聞こえてた?」
「うん。」
「不安だったんだ。」
「え?」
いつも元気で不安な表情なんて見せたことないくせに今はすごく不安そうで苦しそうな顔をしている。
「さっき元彼と会ったでしょ?」
「え?あ、見てたんだ....。」
「うん。それで最近俺にちょっとは気持ちが傾いてるかなぁって
ほんのちょっと期待とかしてたんだけどさっき元彼に寄りを戻そうって
言われてるの聞いて”あ、これはもう俺には勝ち目はないな”って思って
その場を立ち去ってちょっとしてから梨乃に電話をしてここであって別れよって言ったんだ。
本音が知りたいって言うのはもちろんだったけどそれが別れよって言った1番の理由かな。」
「そなんだ......。」
「別れるつもりで来たんだけど梨乃からの思いもよらない告白が聞けたからびっくりした。
それで頭の中ちょっとしたパニックになってちょっと意地悪っぽく俺の事好きになったんだーとか言っちゃった。」
と笑って言う。
「そうなんだ......。」
「後、ちょっと嫉妬したかも。」
「え?」
「だって梨乃俺には見せた事ないぐらいの笑顔を元彼には見せてたんだもん。
俺にはあんな笑顔見せないくせに.....。」
と拗ねて後ろを向く隼人。
「そ、それは......」
と焦る梨乃。
「隼人?拗ねないで?私が好きなのは隼人だけだよ?」
「ホントに?」
「うん!
元彼にはちゃんと私には大好きな人がいるの!だからごめんなさい!って言って振ったよ!」
「今なんて?」
と怪しげに笑う。
「え?だから.....ごめんなさい!って言って振った.....よ?」
「違う。もう少し前。」
「だから私には大好きな人が......。」
はっ!
気付いた時には遅かった。
「へぇ~。梨乃は俺の事だ~いすきなんだ~。」
と笑って言う。
「なっ/////
だ~いすきなんていってない!/////」
「言ってない?嘘はダメだよりのちゃん♪
ホントは言ったよね?リーのっ♪」
と耳元で言われた。
「ちょ/////」
「言ったよね?」
と再び耳元で囁かれた。
「い、言ってない!」
「ほんと~?ホントの事言わないとキスしちゃうけどなぁ~。」
と顔を近づけてきた。
私はそれに耐えきれず
「い、言いました!」
と白状した。
「やっと白状した♪」
ちゅっ
え!?
ちょっとしてから状況が理解できた。
私キスされたのー!?
「これはウソついた罰だよ♪」
「も、もー//////!」
「あはは~♪梨乃顔真っ赤~♪可愛い~♪」
「うるさい/////」
「ねぇ、梨乃。」
「な、なに/////?」
「もう1回言って?」
「なにを?」
「大好きって。」
「む、むむむむり!」
「なんで?」
「な、なんでも.....////?」
「ふっ。なんで疑問形?」
と笑って言った。
「.....と、とにかく言わない//////!」
「諦めて言っちゃえば?」
「やだ!」
「も~、梨乃ちゃんは諦め悪いんだから~。」
「り、梨乃ちゃんとか呼ばないで////!慣れないから/////!!」
「じゃあ、言って?」
とニコニコして言う。
「うぅ.....。す、好き/////」
「違う。大好きって。」
「うぅ.....。だ、大好き....だよ///////」
「よく言えました。」
と頭をポンポンした。
「もー//////」
「俺も大好きだよ梨乃。」
「うぅ...../////」
不意打ちに言われ焦る私。
私はなんとか仕返しをしたくて......
ちゅっ。
と隼人のほっぺにキスをした。
だけどそれが逆効果だったらしく.....
「梨乃可愛い事してくれるじゃん。」
「///////」
「そんなに俺のこと好きなんだ?」
とニヤニヤして言う。
なんか怖い.....。
「ち、違う!い、今のは....その.....し、仕返し!」
と焦りながら言う。
「違うんだ?俺のこと好きじゃないんだ?」
と落ち込む隼人。
「あ、そ、そうじゃなくて.....。」
と焦る私。
「......。」
隼人は無言のまま口を開こうとしない。
「.....隼人?」
「......。」
やっぱり隼人は無言のままで。
「は、隼人!」
と叫んでみる。
「なに?」
と無表情でこちらを見る。
「そ、その....嫌いじゃなくて....だ、大好きだよ/////!」
そう言うと.....。
「ふっ。そんなの知ってる♪」
とニコッと笑って言う。
「な、だましたの!?もう!隼人なんか嫌い!」
と私は拗ねている。
すると......
「梨乃は俺の事嫌い?俺は好きなんだけどなぁ。」
と後ろから抱きつかれた。
「.....。」
私は黙る。
「ねぇ、りーの。」
「.....もう!大好きに決まってるじゃん//////!」
と振り返り隼人に抱きつく。
「梨乃大好き。」
「わ、私も/////!」
やっぱり私は隼人には勝てないみたいです。
読んでくださってありがとうございます。
最後らへんおんなじようなことばっかですみません汗
ラブラブしすぎました。笑