4話
恭弥は嵐と別れた後、街を回っていた。大通りでは数多くの露店が立ち並び、街の人々はわいわいと賑わっていた。
そして、それを見守るように騎士達が街を巡回していた。
「わぁー、ゲームでしか見たことないポーションや剣がたくさん売ってある~」と恭弥は少し興奮気味になっていた。
そのため、しばらくポーションや剣を見ていた。
「あっ、そういえば本を買わないといけなかった」恭弥は本屋へ行こうと踵を返し、歩き出したら・・・
・・・・ドンッ…ドッサ
横からぶつかられて、地面に尻もちをついてしまった。恭弥はぶつかられた方を向いていると、数人の人がこちらを見ていた。
そのうちの一人が手を差し伸べて、「大丈夫?」と言った。
「……」恭弥は驚いていた。
そのうちの三人が黒髪で黒い瞳で肌は肌色だった。まさに日本人そのものだった。
恭弥も日本人だが、今は特殊な指輪のおかげで青い髪に青い瞳に変わっていた。
因みに嵐も青に変わっている。
「おーい、大丈夫?」と一人の女にじっと見られていた。
「あっ、はい。大丈夫です」と言いながら、手を取って立ち上がった。
「ごめんな」
「いえ、こちらこそ。すいません」
「おいおい、気を付けろよな」
後ろの日本人らしき男に注意された。
「す、すいません」
恭弥は頭を下げた。
「君、そんなことしなくていいよ。こんなバカの言うことなんか無視しなさい」
三人目の女が二人目の男を挑発していた。
「誰がバカだ!誰が!」
「分からないの?これだからバカは…」
三人目の女はやれやれと言った感じで、応えている。
「このような場所で喧嘩なんてやめて下さい!」
一人のお付きの様な女性が二人の中に割って入った。
「「ふん」」
その男女は互いにそっぽを向いた。
「本当、ごめんな」と言って、その団体は去って行った。
その後、恭弥はその団体についていろいろと聞いて回った。
案外、直ぐに分かった。
彼女らは【勇者】と言われていて、帝国が呼び出したそうだ。
今、結構な数の勇者がいるらしい。
それと、その者達は相当強いらしい。今は訓練を行って、戦争に備えているらしい。
そして、僕は古本屋で魔物などの図鑑を買った。以外に高かった。
この世界では紙は少し高価な様です。
それから、僕は陽が暮れ始めた頃に宿に帰っていた。
僕は図鑑を見ながら、字を覚え始めた。こっちの世界に来てから、力がかなり増して、さらに物覚えが良くなった。だから、とても楽だ。
兄ちゃんと修行して、兄ちゃんに少しは近付いたと思って、組み手をしてもらったけど全然、歯が立たなかった。
でも、僕の夢は兄ちゃんを超えることだから、これからも精進していきたいなと思います。
よしっ、晩御飯まで外で体を動かしてきます。
あれ?僕、誰と話していたんだろう?