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また異世界へ  作者: ローズ
2/7

1話

「…んぅ……」恭弥はゆっくりと目を開けた。


恭弥の目に映ったのは見たことのない草や木々だった。

恭弥には何が起こったのか、分からなかった。


「ここは……何処だろう…」


恭弥は嵐がいないことに気付き、辺りを見渡した。

しかし、あるのは見たことない木や草だけ。恭弥は嵐を見つけるため、歩き始めた。


「嵐兄ちゃーん…!嵐兄ちゃーん…!」いくら叫んでも何の反応もなかった。

恭弥はとても不安になった。


「ガサガサ…ガサガサ……」


「!!」後ろの背の高い草を掻き分ける音がした。


「…嵐…兄ちゃん?」響也は恐る恐る後ろを振り返る。


だが、出てきたのは嵐ではなく、人間でもなかった…。そこにいたのは、牙が長く体が赤く虎のような姿を生き物だった。それに虎よりも一回りも二回りも大きかった。


「ガルルゥ……ガルルゥ~」

赤い虎はこちらを今にも、襲おう身構えていた。


「………うぅ…う……」

恭弥は動かなかった。

正確には動かなかないのではなく、足が竦んで動くにも動けなかったのである。


それを見た赤い虎は突然、飛び掛かった。響也はその勢いで尻餅を着いてしまった。響也は「兄ちゃん!」と目を瞑りながら心の中で叫んだ。




・・・・・・・・・・・。


あれ?と思いながら目を開くと、目の前に大きく開いている虎の口が見えた。


「わっ!」

響也は後ろに飛び退いて木に頭をぶつけた。


「痛い……。あれ?僕生きてるの?」

そう考えていると赤い虎は腹の方から血を吹き出しながら、ドスンと倒れた。


「恭弥!大丈夫か?」

急いで駆け寄って来る嵐が見えた。


「おい!大丈夫か?」

嵐は恭弥の顔を覗いた。

「うん…大丈夫」


戸惑いながら、頷いた。

「良かった」嵐は胸を撫で下ろした。


「嵐兄ちゃん、あれは何?」


「あれはレッドタイガーと言う魔物だな」


「ま、魔物?」

恭弥はびっくりして、聞き返した。


「あぁ、何となく分かっていると思うがここは俺たちがいた世界ではない。

いわゆる…異世界と言う場所だな」

「異世界?」


「いや、信じられないよな…」


「信じるよ!」

その言葉に嵐は驚いた。


「そ、そうか」

嵐は安堵した表情をした。




それから、嵐は恭弥にこの異世界のことについて教えた。この世界には沢山の種族が住んでいることや、魔法が存在していることなど。いろいろなことを教えた。



「恭弥、この世界には沢山の魔物や危険がある。だから、自分の身は自分で守らなければならない。だから、お前に身を守る方法を教えたいと思うのだが?厳しく教えるけどな。お前はどうする?」


「僕は嵐兄ちゃんのように強くなれるなら教えて下さい!」

恭弥は強く頭を下げた。


「分かった。だが、俺をちょっとばかり厳しぞ」

恭弥は頷いた。


「当分の間は、この辺りで暮らすことになるが、いいか?」


「はい、嵐兄ちゃんがいるから大丈夫です」


「まぁ、危なくなったらな。まずは、基本的な知識を教える」


「まずは、魔物についてだ。魔物には魔獣と聖獣に分けられている。」


「魔物の中で大半は魔獣だ。魔獣は人々に危害を加えてくる。聖獣はこちらからちょっかいを出さなければ、敵対することは無い。例えば、このラウも一応聖獣だ」

「えっ、本当に?」

嵐はとても驚いた。犬だと思っていたのが魔物だとわかったのだから。


「あぁ、本当だ。神竜と言って、SSSランクの上のXに入るな」


「Xランクって何?」


「ん~そうだな、例えば、さっきのレッドタイガーがCランクぐらいだな」


「ラウって、そんなに強いの…」


「ガウガウ」

ラウがどうだと言う顔をしている気がした。


「それから………






~数十時間後~


「はぁ~、やっと終わりました。」

恭弥は顔が若干、青くなりながら、仰向けになっていた。


「一通りは教えたと思うから、明日からは魔法などの練習だな」


「分かりました~」

恭弥はこれが毎日続くかと思うと、苦笑いした。


「では、食事にするか」



食事はさっきのレッドタイガーの肉や木の実を使った、料理だった。嵐兄ちゃんの料理はとても美味しかった。

これから何があるか、ワクワクしている気持ちと不安な気持ちもあるが、嵐兄ちゃんとなら大丈夫な気がする。

きっと大丈夫だと、思いながら料理を味わった。



次の日から魔法や獲物の捉え方などを教えた。恭弥は飲み込みがよく教えがいがあった。数ヶ月経ったくらいから、恭弥はCランクぐらいなら余裕で狩れるようになった。



~ 数ヶ月後~


「さって、そろそろ街に行こうか」


「はい!」


「いろいろな物を見れるぞ」



嵐たちは、近くの街まで歩き出した。

期待を胸に馳せて。


「俺がいた時から、どのくらい経ったのだろうか」

嵐の声は誰にも気づかなかった。





~魔物~


[レッドタイガー]

・体長5メートル程で体は赤く、虎に似ている。

・動きが俊敏で群で行動されると非常に危険。

・主に大きな牙や爪で攻撃する。

・Cランク。群れの場合はBランク以上。

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