表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/53

第29話 再会

「「リアム!?」」

「なに、エリアス。お前、ツンデレなの?」

「うるさい!!!」


 顔を真っ赤にして怒るエリアスを、俺はにやにやとしながらからかう。エリアスはそっぽを向く。その姿に、俺は笑みをこぼした。


 

 ふと、カインの方に目をやる。カインは口を丸くして動けなくなっていた。しばらくすると、目に涙を浮かべて、俺に言う。


「すまない、リアム。お、俺は、お前を守れなかった」

「仕方ないさ。それに、俺の命令に従った結果だろう」


 俺は肩をポンと叩く。カインは肩を震わす。が、決して涙はこぼさぬよう、天井を見上げていた。



「でも、どうして、あの状況から生きて帰れたんだ?」


 エリアスは普段通りの様子をよそおいながら、俺に聞いた。俺はこれまでに起こった出来事を、ありのままエリアスに伝える。


「なにか裏があるな……」

「エリアスもそう思うか」


 俺たちは2人、顔を見合わせる。だが、今はこんなことを考えていても仕方ない。俺には、倒さなければならない、強大な敵がいる。


「エリアス、お前の方は順調に進んでいるのか?」

「あぁ、任せてくれ」

「そうか……、難しい仕事だと思うが、頼んだ」


 軽く会釈を交わすと、エリアスは俺の部屋から外に出た。



 いよいよか……。


 御前会議。


 俺が【真理の灯台】と結んだ密約を公表するために開かれるその会議は、すでに明日にまで迫っていた。窓から月明かりがこぼれる。


 ユスタキウス、貴様を断罪してやるよ……。


 俺は、薄く笑みを浮かべていた。



◇◆◇◆

 王宮の厨房ちゅうぼう


 その神聖な厨房に、足を踏み入れる男が一人。


 エリアス。リアムの腹心であり、頭脳面をサポートしている人物。


「ジュリアス、どういうことだ!? リアムはヤッたんじゃなかったのか!?」


 エリアスは、ユスタキウスの腹心の1人・ジュリアスの胸ぐらをガバッと掴んだ。黄金のたてがみが、ふわりと揺れる。


「まぁ、そう慌てるなよ、相棒。お前には、ふさわしいポストを用意してある」

「本当だろうな?」

「あぁ、お前がくれた情報のおかげで、あいつを追い詰めることができたんだ」


 密書を奪い、カインとリアムが逃走したあの日。彼らがなにかを企てているということをリークしたのは、エリアスだった。そのため、宦官派は、迅速に対応することができ、リアムを殺すあと一歩のところまで、追い込めたのだ。


 エリアスが宦官派であるジュリアスと手を組んだ理由。それは、エリアスが今後、政界に進出していく上で必要となるであろう「多額の資金」をもらうため。そして、成功次第では、政治的に重要なポストも約束してもらっていた。


 ジュリアスは、人の心のうちに入り込むことに長けている。だからこそ、エリアスの不満を酒の席で聞き出して、密約を持ちかけた。


 しかし、エリアスにとっても、これ以上の行動は、リアムから不信感をもたれかねない。


 エリアスは、ジュリアスに語りかける。


「なぁ、ジュリアス。俺から提案がある」


 エリアスが口を開く。


「リアム王子を今夜、襲撃しないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ