プロローグ 王位継承
ああ、クソ。どうしてこうなった!? 王位継承候補の末席だったよね、俺!?
第四王子リアムである俺はなぜか王になってしまったこの状況に頭を抱えていた。
その様子をニヤニヤと笑いながら、見ている男が一人。リアムの腹心、現宰相エリアスであった。
「ざまあねえな、リアム。俺はお前が苦しむ姿が見れて嬉しいよ」
「てめえ、相変わらずの性格だな」
俺はエリアスを睨むも、彼はどこ吹く風といった様子で無視していた。ここから王にならないですむ方法はないか。頭をフル回転する。
「諦めろ」
肩をポンと叩かれる。もう一人のリアムの腹心、現近衛騎士団長カイン。
「そんな助けてよ、カイン」
あきれたカインに背中を押された。
まずい、国民の前に引きずり出される。
張り裂けんばかりの大歓声。逃げれない。国民たちのとてつもない熱気に胸焼けする。
……、面倒だが、もう、逃げられない。
「このたび、アルビオン王国国王に就任したリアムだ!!」
もうどうにでもなれ!!
国民の歓喜の中、俺は過去を思い返す。ああ、あの時俺が動かなければ、俺はこんな立場に立たされることはなかっただろう。
そう、それは…