表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
叛逆の英雄譚~愛する幼馴染が処刑されそうだったので国を捨てることにする~  作者: おとら@9シリーズ商業化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/51

卵の正体

 翌朝起きてみると、カグヤがご機嫌で料理を作っていた。


 エプロンを身につけ、ポニテにし、鼻歌を歌っている。


「ふふふ〜ん、今日は〜何を作ろうかな〜クロウは〜何が好きかな〜? わ、私かな〜?」


 ……なんだ? あの可愛い生き物は?

 俺は気配を消して、カグヤに近づく。

 もちろん、側にいるハクには念を送る……静かにしてろと。


「ふふふ〜ん、後は……ニャア!?」


 カグヤが包丁などを持っていないことを確認し、後ろから、その小さな身体を優しく包み込んだ。


「カ、カグヤ……おはよう」


「にゃ、にゃ、にゃにしてるの!?」


「い、いやか?」


「ニャア!? い、イヤじゃないけど……はわわ……! ど、どうしよう!? 昨日、やりすぎたかしら!?」


 アワアワしてて可愛い……段々と、耳まで真っ赤になってくるし。

 離したくないという気持ちになるが、これ以上は俺がマズイ。

 だが俺とて、このままでは終われない……!

 国境の守護者、白き虎と恐れられた漢を見せてやる!


「……カグヤ、こっち向いてくれ」


「にゃい!? う、うん……」


 そのまま、カグヤにそっとキスをする……。


「んっ……」


 そして、ゆっくりと唇を離す。

すると、カグヤが俺をつきとはした!


「にゃ、にゃ〜!!」


「うおっ!? びっくりしたぁ……」


「ビックリはこっちのセリフよ〜! にゃにが起きたの!?」


「え、いや……また、していいって言ってたからな。まあ、してみた」


「い、言ったけど……はぅ」


「その、カグヤがイヤじゃなければ……毎日していいか?」


「ダ、ダメよ!」


 俺の心に感じたことないダメージが来る!

 ガハッ!? この俺が、こんなダメージを受けるとは……ドラゴンブレスよりきつい。

 俺は膝をつき、その場に崩れ落ちる。


「ち、違うのよ! イヤじゃなくて……ド、ド、ド……」


「ド? なんだ?」


「ドキドキしすぎて……心臓がもたないよぉ……」


 「ゴハッ!?」


違う意味でダメージが!

 深刻なダメージだ……お、落ち着け! 理性を保て!


「わ、わかった……我慢しよう。すまない、俺が性急すぎた。俺の気持ちを押し付けてしまったな……」。


「クロウ……二人に一回ならいいわ!」


「へ? ……い、いつだ? 朝? 夜?」


「そんなのわかんないわよ! クロウのばか——!」


「おい!? 待て!? 包丁は勘弁してくれ——!」


すると包丁を持って俺を追いかけるカグヤと一緒に、何故かハクまで追いかけてくる。


「お前までなんだ!?」


「グルル〜!」


 「いや、俺も遊んでじゃないから!」


 その後、なんとか生き残った俺は、朝食にありつくのだった。

 とりあえず、さっきのことはお互いに触れないことにした。


「さて……そろそろ行くか。早く、確かめないとな」


「これよね?」


 カグヤの腕の中には卵がある。

昨日も一緒に寝て、ずっと温めていたそうだ。


「ああ。鑑定できるかはわからないが、とりあえず行ってみよう」


「うん! 何が生まれるかなー」


いや、そもそもも生まれるかはわからないが……言うのはやめとくか。

 そして、以前ハクと契約した場所へ向かった。

受付で聞くと、すぐに支配人のブレナさんがやってくる。


「ブレナさん、突然すみません」


「これはこれは……何か、問題がございましたか?」


「いえ、ハクはよくやってくれています。な、ハク?」


ここはきちんと言っておかないとな。

ハクは、本当によくやってくれている。


「グルルー!」


「うむ、良好ですな……では、そちらですかな? お嬢さん?」


「は、はい! この卵を拾ったんですけど……なんの卵かわかりますか?」


「……少々お待ちを! 皆! 来てくれ! 意見が欲しい!」


卵を見るなり、ブレナさんの顔色が変わる。

 そして、ぞろぞろと人が集まってきた。


「これは……いや、まさか」


「でも、それ以外には……だとすると……」


「ただ、おかしくないか? それなら、アレを倒す必要が……」


「ま、まさか! 盗んできたんじゃないだろうな!?」


「マズイぞ!? 怒り狂ったドラゴンが都市にやってくる!」


 ……何か勘違いをされているな。

 すると、ブレナさんが神妙な顔つきで話しかけてくる。


「……クロウ様、ドラゴンと出会いましたか?」


「ええ、倒しましたけど」


俺の言葉に、その場にいる人たちの顔が驚愕に染まる。


「え!? 嘘でしょ!?」


「あんな若い子が、最強の魔物を……?」


「いや!森の王者がいるなら……」


「いや、俺一人で倒しましたね」


「「「「……………………」」」」


 驚きを通り越したのか、皆が口をパクパクさせて固まってしまう。

 いち早く、正気に戻ったブレナさんが動き出す。


「ゴホン! ハクドラを組み伏せるほどの実力者とはわかっていましたが……申し訳ありませんが、証拠はございますか?」


「ええ、もちろん」


 俺は魔法袋から、広い場所にドラゴンを出す。


「……間違いない、レッドドラゴンですな。この大きさなら、最低でも白銀等級クラス……」


「えっと……つまりは、どういうことなの?」


「これはお嬢さん、失礼いたしました。見間違いかと思ったので、全員の意見が欲しかったのです。それは……ドラゴンの卵に間違いないかと」


「……えぇ!? これ、ドラゴン!? ど、どうしよう!?」


 ……やはり、そうか。


 どうやら、俺の予感は的中したらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ