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転生吸血鬼さんは地位向上を訴える!~決して悪い種族ではございません~  作者: 玉響なつめ
第五章 偉い人たちにはわからんのです!

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 放課後が来てしまった。

 いや時間は刻一刻と過ぎるのが当たり前なので今日という日が始まったらもうそれは止まらないっていうかそんなことを言ってもどうしようもない現実逃避。


「それじゃあ行くか」


「あ、うん」


 っていうかどこへ?

 そんなことを口に出そうモンならデートプランを語られることになり、逆に恥ずかしさが倍増するってさすがに私も理解しているのでそんな馬鹿なことはしない。


 むしろこういうのは堂々としておくもんでしょ。

 その方が面白がられないで済むってもんよ!!


 連れ立ってジャミィルと歩くけど、歩幅を合わせてくれているらしくとても歩きやすい。

 くっそ、最初から好感触とか強いなこの男……一体どこまで本気なんだか。

 デートってのも多分冗談だと思っている。思いたい。思わせて。


(スィリーンの保証付きだったんだから冗談じゃない、のかなあ、やっぱり)


 だとしたらとりあえずお試しでオツキアイってのをしてみればいいんだろうか?

 でもお別れ前提とかやっぱりそれは不義理なんだろうか。

 なんとなくこう、付き合って、楽しんで、フェードアウトしてけばいい……?


「これなんてどうだ?」


「えっ」


 連れて行かれたのは雑貨屋さん。

 結構色んなアクセサリーとか、食器とか……本当になんでも売っているような、学生で賑わうお店だ。


 その中でジャミィルが手に取ったのは、ほんの少し学生にしてみたら手が届くようで届かない絶妙な値段行きにあるピアスだ。

 小粒のオニキスがいくつか連なっているタイプのやつ。


「うん、似合うんじゃないか」


 確かに私の肌は白いし、髪は金色だから……耳元は濃い色だと映えるよね。

 っていうかブラックオニキスって、そのう……。


(自惚れじゃなかったら、ジャミィルの色じゃん……?)


 なんだろう、この独占欲を示してますよーって堂々とされる感じ!

 背中が超、むずむずするんですけど!!

 さすがにここまでされて「自惚れてんのかな」はないわ、私。


「え、ええと……じゃあこれ買ってくるよ!」


「お前に払わせるわけないだろう」


「うっ」


 やめろスパダリか私に効くだろ。

 ぱっと手に取ってさっさと会計してきた挙げ句につけてやるとかまた言い出すんだろう知ってるんだからな!


 私にできる抵抗といえば、恥ずかしがらないことと当然のことっていう態度を貫いてみせるくらいか……無理だな。


「ほら、つけてやるからあっちのベンチ行くぞ」


「ふぁい……」


 ほらな! やっぱりだよ!!


 人に耳触られるって緊張するんだけどな……と思いながら視線をあらぬ方向へ。

 ちらっと見たジャミィルは真面目くさった表情をしていたので、疚しい気持ちなんてこれっぽっちもないと信じている。


「できた」


「……ありがと」


「どういたしまして」


 満足そうに! 微笑むんじゃない!

 ドキッとしてしまったではないか……!!


(くっ……これが引きこもっていた弊害か……)


 恋愛関係の小説とかあんまり読んでいなかったから圧倒的に経験値が少ないのだ。

 いや本を読んでも変わらないだろ?って思うかもしれないけど、ないよりマシだと思うんだよね。


「さてそれじゃあ次はカフェ行くか」


「えっ? あ、う、うん!」


「マリカノンナは何が飲みたい?」


「ええと……」


「最近コーヒーで美味い店がオープンしたって話だけど、そこ行くか?」


「う、うん」


 どうしよう。

 何から何まで多分ジャミィルのペースで進んでいる気しかしない!!


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― 新着の感想 ―
[一言] いいぞジャミィル!! その調子だ!!(ジャミィル派) 100歳越えてても初々しいのは良いと思います。 次はカフェかー。 ここまで順調だと何かあるのか心配になるな。 おじさん乱入とかしたらど…
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