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代わり映えしない日常の中で

作者: AERU

主は小説投稿初です。

文が変なところがありますがあたたかい目で見てください。

働いて食べて寝て。

そんな代わり映えのない生活を送っている一般会社員の話。




「〇〇、これもやっといてくれ」


「……はい」


会社の先輩から頼まれた仕事をやっていると次の仕事が来る。

(また重なった……まあ、仕事遅い俺が悪いんだけど)


「はあ……」


思わずため息が出る。

それもそのはず。この前まで学生ではちゃめちゃしてウキウキで就職したらこれなのだ。仕事だから仕方ないというのは分かっているつもりだが、こうも代わり映えのないことを毎日しているとうんざりしてくるのだ。



「こんなことだったら大学行って遊びまくれば良かった(ボソッ)」


「ボソボソ言ってないて仕事しろ!手が止まってるぞ!」


「はい!すみません!」


思わず止まっていた手を動かす。最近は仕事中にこんなことを考えるのが日常になっていた。




――――――その日の夜――――――


「今日も疲れたなぁ」


一人暮らしのアパートでそんなことを呟きながらスーパーで買った惣菜を食べる。ちなみに今は23時だ。なんでこんな時間に飯食ってるかって?……残業だよ。


……そう言えば上司にあの書類取ってこいって言われてたな。確か実家にあったっけ?明日は休日だし取りに行くか。




――――――次の日――――――


「♪♪」


アパートから実家までは大体2時間くらいで着く。

車の中では好きな音楽を聞きながら移動する。一人での移動というのは案外暇なもので音楽を口ずさんでしまう。10分もしたら車の中は一人カラオケの状態だ。

そんなことをしていると家が見えて来た。


「やっとついたか」


そう言いながら車を止める。


「? あんな自転車あったっけ?」


家の前に見覚えのない自転車が止まっていた。

結構な頻度で実家に帰って来ているので家族がどんな自転車に乗っているのかは覚えているのだがあんなのは無かったはずだ。

……まあいっか、と気にせず家に入る。


「ただいまー」


「あ、帰ったんだ。おかえり」

と高校生の妹が挨拶してくれた。

だが、適当にポイっと投げたような軽い言葉だった。それもそのはず、今は友達が一人遊びに来ていたのだ。

家で遊ぶ時は大体ゲームだが、実家はリビングにしかテレビゲームがなく必然的にリビングで遊んでいることになる。

できるならば自分の部屋に行きたいのだが、一人暮らしを始めたため自分の部屋は物置倉庫となっている。なので仕方なくリビングへ行きくつろぐ。


「そうだ!お兄ちゃんこのゲームやってたよね!エマちゃん上手くて勝てないから仇とってよ!」


いきなり妹に話しかけられた。

どうやら友達に勝てないため仇をとって欲しいらしい。

ただ、女子高生の空間に行くのは俺には厳しい。どんな会話していいのか分からないし、何より女の子と遊ぶのが恥ずかしいため断ろうとしたが。

(こんな奥手だから高校の時、女の気配がかけらもなかったんだ。ここで慣らしていくのもいいか)

と、多少は彼女が欲しかったためそう思い


「まあいいよ」


と偉そうに返事をしながらコントローラーの元へ向かっていった。


だが、いざ対戦しようとして困ることがあった。それは女子高生をゲームであったとしてもボコしていいのか?ということだった。

今やっているゲームはいろんなキャラで大乱闘をするものであり、大会などもあったりする。

自分は大会に出ることもあり優勝とまではいかないが、毎回Top8位までは入ることができて腕に自信があるためそこら辺の人には負けない自信はある。

(そこまで本気にならなくてもいいよな。テキトーにやって負けるか)

と考えて、キャラをおまかせにした。

その時、妹の友達が少し不満そうな顔をしていたので不思議に思ったが気のせいと思い対戦を開始した。


―対戦中―


「お兄さん、ほ、本気でやってくだ、下さい」


「……え?」


ギリギリの差で負けるように調整して負けたのだが、対戦後に妹の友達がそんなことを言ってきた。

妹があちゃー!という顔でこちらを見ていたのだが、理由を聞いたら友達は負けず嫌いであるため手を抜かれるのがすごく不快に感じるらしい。

こうなったら手をつけられないらしく、本気でやって欲しいと妹に言われた。

だが、今対戦した感じだと本気でやったら圧倒的な差をつけて勝ってしまう。そのことを妹に伝えてもやって欲しいとのことだったため、キャラをメインで使っているものに変え再戦した。

決して女子高生との時間を伸ばすためにやったのではない。………いや、ちょっと下心はありましたすみません。


―対戦中―


……気まずい。

対戦の結果、やはり圧倒的な差をつけて勝ってしまった。それもこちらは攻撃をくらわずにパーフェクト勝利だ。

もう一度言おう。すごく気まずい!!

ほらっ!あのなんでもそつなくこなすはずの妹まで引き攣った顔で苦笑いしている!横にいる妹の友達の顔を見るのが怖い!


「……あの「もう一度、お願い、します」……はい。」


とても断れる雰囲気じゃないすごく真剣な顔で再戦を申し込んできたため思わず承諾してしまった。

まあ、すぐに飽からだろうと思いコントローラーを握った。




――――――5時間後――――――


「も、もう一回」


「……もういい時間だけど、大丈夫ですか?」


「……じゃあラ、ラスト」


まさかここまで執念深いとは思わなかった……。

5時間!5時間だぞ!お外真っ暗!

妹は飽きたのか一人で漫画を読んでいる。

お前の友達だぞ!と叫びたかったが、毎回毎回真剣な顔して対戦を申し込んできたため、女の子との関わりが全然なかった俺がどう断ればいいか分からずこの時間まで引きずってしまった。

たが、勇気を出して時間を伝えたとこと次でラストにしてくれるらしい。

もちろんラストだからって手は抜かない。なぜかって?それは1時間たった時くらいに、流石に可哀想と思い手を抜いたらそれがバレてもっと不機嫌になったからだ。




「ふぅ」


対戦が終わりやっと帰ってくれるのかとホッとしながら横を向く。


「っ!」


え?え?なんか涙目でこっち並んでんだけど?まあ、最後だからって手は抜かなかったけどそれは君が言ったことじゃん!俺わるいことしてないよね?!


「どどど、どうし「け、携帯、貸して」たの、あ、はい」


どう声をかけたらいいか分からないため、とりあえずどうしたのかを聞こうとしたら携帯を貸して欲しいとのことなので反射的に貸してしまった。

俺は携帯にパスワードは掛けていない。いちいちパスワード入力するのがめんどくさいためである。そのため携帯いじり放題!

対戦で負け続きのストレスを俺の携帯にぶつけるの?それ結構高かったから勘弁してくださいなんでもしますから。


「……こ、これ連絡先、です。また対戦してくだ、さい」


なにか操作をした後、そう言って携帯を差し出しながら涙目で強気に言ってきた。

……え、可愛いなにこれ。


「あ、はい」


内心では萌えていたのだが現実では返事が勝手に出ていた。

承諾してしまったがよく考えたらこれに毎回これに付き合わされるのか?もしかしてやっちまった?いやでも女子高生だぞ?役得だな。いやでも……


みたいなことを考えてたら妹の友達は帰って行った。

その後、妹から友達が雰囲気がやばい、なにしたの?あれ本気でやばいやつだって!と言われたが、なにもしてないと一点張りして乗り切った。

まあ、深いことは気にしなくてもいいかと考えることを放棄してその日はアパートへ戻った。




――――――それから――――――


それからというもの一週間おき程に連絡が来て、電話を繋ぎながらオンラインで対戦をしている。

だが、まだ一度も負けたことはない。

俺の努力をそう簡単に越えられると思うなよ。

……まあ、危ない時もあったけど。


その日の対戦後、いつものように終わるのかと思ったが妹の友達から提案があった。

いつもオンラインなのでたまにはオフライン(現実で会って)でやらないか?とのこと。自分には断る理由もなく、承諾をしたが俺の家でやることになってるのはなぜだ?まあいいか。




――――――数日後――――――


「いらっしゃい」


「こ、こんにち、わ」


オフラインで対戦する日がやってきた。

しばらくは世間話をしていたのだが、目的は対戦することなので話もほどほどにしてゲームのセッティングをする。


「お、お兄さん、あの……」


「なんですか?」


「いや、やっぱりい、いいです」


なんて会話があったが途中で妹の友達側から会話をやめたので無言でセッティングしていた。

なんだか縋るような目をしていたが……まあ気にすることはないか。


―対戦中―


今日も全勝だ。

危ない時は何度かあったが気合と経験で乗り切った。


「ふぅ、お疲れ様です」


「は、はい。ありがとうござ、います」


オンラインもいいがオンラインは直接話し合えるのでこれはこれでいいな。とゆうかこっちの方が好きかもしれない。

そんな感想を抱いていたら。


「あ、あの。これからは、オフ、ラインを主にやって、いきませんか?」


との提案を妹の友達からされた。

もちろんOKである。

その後は少し話をしてから分かれた。




――――――3ヶ月後――――――


そのあとはオフラインを主に対戦をしていた。

たまに負けるようになってきたので気合を入れ直さないと。

そう思っていたら携帯が鳴り出した。ちなみに今は23時である。

誰だよこんな時間に、と思いながら画面を見るとエマちゃんからだった。


「もしもし、どうしたのこんな時間に?」


「あ、あの。今から会えませんか?」


「なんだ?まさか告白か?照れるな!」


「あ、あはは。まあ、お、お願いします。△△公園で待って、ます」


電話が切られた。

俺の会心のボケが苦笑いでスルーされた挙句強引に約束していきやがった、なんてやつだ。

え?なんか馴れ馴れしくなってるって?3ヶ月の間に色々あったんだよ。エマちゃんのお願いとかエマちゃんのお願いとか。


「とりあえず行くか」

と呟き車を出した。


△△公園に着いた。

着いたはいいがエマちゃんベンチで泣いてるんだが?どういう状態だ?

流したやつ出てこい!とっちめてやる!と思いながら近づいていくとエマちゃんがこっちに気づいて声をかけてきた。


「き、来てくれて、ありがとう、ござい、ます」


「なにがあったんだ?」


「そ、その」


エマちゃんからどうしたのかを聞くとどうやら学校でいじめられていたらしい。

それを聞いた俺は怒りながらその学校に連絡しようとしたがエマちゃんに止められた。どうやらあまり騒がれたくないらしい。

それに少しイラッとしてしまってなぜ対処しないかを聞いてしまった。自分の失敗に気づき訂正しようとしたが、その一言でエマちゃんの何かが爆発したらしく、聞いたこともないような大声で怒鳴られた。


「あ、あなたに私のなにが、わかるんですか?!いじめをけ、経験したことの、ない、あなたに!」


その後は気まずくなり数分二人とも無言でいた。


「その、ごめん」


俺はそう言い


「エマちゃんの気持ちは分からない。でもエマちゃんを大切に思う気持ちは人一倍あるからあんな言い方になってしまった。でももう一度言わせてもらう、対処はした方がいい」


と続けた。

具体的に親に相談して学校に連絡する。それか転校する。

根本的には解決してないが今の俺ではこれで精一杯の回答だった。

エマちゃんも、どうしていいかわかっていなかったようでこの提案になってくれた。




――――――そのあと――――――


結局エマちゃんは親に相談し学校に連絡したらしい。

いじめの相手側も、やってはいけないことをしているとの自覚はあったらしいのでいじめはすぐ止んだ。ちなみにいじめの原因は、エマちゃんは言葉を喋る時にどもることが多く、それがうざくなって嫌がらせしたとのこと。

そんなちっぽけなことでいじめに発展するのだ。


いじめ解決後、またエマちゃんから電話がかかってきた。


「もしもし?今度こそ告白のための電話かな?」


なんとなく気まずかったので冗談を入れて電話に出たのだが


「そ、そうです。△△公園で待ってます」


……oh


とりあえず行くか。

顔を赤くしながら家を出た。



到着した。

エマちゃんがベンチに座っている。恥ずかしい。行きたくない。でも行きたい。よし行こう。

エマちゃんに話しかけるために歩いていたが、エマちゃんがこちらに気づき、声をかけてきた。


「そ、その。今日は来てくれて、ありがとうござい、ます」


「お、おう」


無言で見つめ合う二人


「え、えと電話のこ「すきです!付き合って下さい!」となんだ、あ、えー、はい」


いきなり来たので適当な返事になってしまった。

俺もエマちゃんと関わっていく中でいいところ、悪いとことを見て惹かれていたのだ。

二人で顔を真っ赤にしながら見つめ合う。


「で、ても!エマちゃんが高校を卒業してからな!なんか犯罪臭いから」


「は、はい!……私はいいのに(ボソッ)」


それからベンチに二人で腰掛ける。

恥ずかしいためこちらから話しかけられない。その時


「ほ、本当にわたし、でよかったんですか?」


とエマちゃんが聞いてきた。

これに対する回答はもちろん


「エマちゃんがいい」


だったが、気分が高揚していたのか変なことを口走ってきた。


「で、でも私は!喋る時はどもってし、まうし!げ、ゲームオタクでかわいく、もないし!そ、その。〇〇さんをそ、想像して。ひ、ひひひ一人エッチ、を、する、変態、さん、ですし、し!こ、こんな私、よりもいい人だって、いる!」


………oh


と、とととととりあえず!


「……一つずつ回答するよ。まず黙ってしまうこと。これは全然気にしていないし、気になるのならこれから時間をかけて直していけばいい。協力もする。二つ目のゲームオタクで可愛くないということ。ゲームオタクについては俺もそうだし、エマちゃんはすごく可愛い。自信を持っていい。……最後にひ、一人エごにょだれど、その理論でいくと世界中の人が変態になってしまう。そ、それに、好きな人にそうゆうことを想像してもらえるのは、かなり嬉しい。……と、とにかく!俺はエマちゃんがいいんだ!エマちゃんしかダメなんだ!」


言い切ってしまった……。

すると突然、エマちゃんが抱きついてきた。


「あ、ありがとうございます!」


もう、大好き。
















「あなた、なにボーッとしてるの?」


「ああ、悪い」


「ほら、お腹の子もそう言ってる」


「悪かったって、エマ」


病院の一室で昔のことを考えているとエマから声がかかった。






そう、これは代わり映えしない毎日を送っていた一般会社員の話。


「ほら、中の子がお腹を蹴ってる!あなたも触ってみて!」


「今行くよ」


代わり映えしない毎日から、色鮮やかな日常になった幸せな一般会社員の話。


「家に帰ったらゲームしようね。この子も含めて三人で。」


「今度は負けないぞ!」


「あら、負け越してるくせになんでそんなに強気なの?ふふ」


「くっ。言ってろ!すぐに追い越してやる!」


「楽しみにしてるわ」







ありがとうございました。

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