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青春代行課-七瀬七都木の青春救出  作者: ゆうま
ルートその2
7/66

#6

出席番号順で指定された席に座る


鞄から[トリック検証部]を取り出し、読み始めた


「ねぇねぇ」


「おはよう。どうしたの?」


「おはよう。特に用事があったわけじゃないんだけど、読んでる本が気になって」


「3年前に完結した作品だもんね。アニメ化したのも同時期だし」


「そうそう」


「好きなんだ」


弟が唯一、そう言った作品だ


「俺も好きなんだ」


「だから話しかけてくれたんだね」


「そんなところ」


はっきりそうだと言わないということは、なにか狙いがあるのか…?

まさか俺のことに気付いてなにか…

いや、先入観は良くない

まずは様子見を


「あ、俺小野口。去年はB組だったんだ。きみは?」


「七瀬。転入して登校初日だよ」


「そうなんだ。じゃあ入部先は決めてない?」


「そうだね」


「それなら、ミステリー研究部に見学に来ない?少し騒がし」


「席に着けー」


「え、担任あの先生か…。また後で」


「そこうるせー、黙れ。自己紹介しろー」


名前と1年のときのクラス、所属している部活

そんな簡単な自己紹介だった


「じゃホームルーム終わるぞー。親睦を深めるのは結構だがはしゃぐなよ、面倒だから」






                     ***






「小野口さん!遅いッス。緑田さんが…暴走してるッス!」


入ってすぐに小柄な女の子が小野口くんに駆け寄ってくる

この子…どこかで会った気がする


「文学を映像にすることで想像が制限されてしまう!本当に美しいのは文字なのだ!」


「緑田さんっ」


「なんでも良いけど、あのトリック本当に出来るのか、検証しようよ!」


「田村さんまでっ。議論は後日にするッス!見学?新入部員?とにかく知らない人が来てるッス!」


「俺のことは気にしないで続けて」


「でも折角来てくれたのに…」


可愛らしいが男子の制服を着ている子が小野口くんにちらりと視線をやる


「大丈夫、大丈夫」


「うん。俺もみんなの議論聞きたいな」


「行ってきます!」


笑顔が可愛い。制服じゃなかったら男の子だって気付けないかも


「小難しい言葉を並べれば頭が良いと思っていることが頭が悪いんッス。人の繊細な心理。それを表現出来るのは映像や漫画ッス」


さっきの女の子も議論に加わっている


「違います。「悲しそうな顔」と一口に言っても色々な表情があります。互いの足りないところを補い合うこと。それこそが正しい楽しみ方です」


「もっと落ち着いた雰囲気だと思っていたよ」


「よく言われる。でも普段からここまでうるさいわけじゃないから」


…聞かなかったことにしよう




「議論、少し落ち着いたみたい。混ざってこようかな」


さっき俺に気遣いを見せてくれた赤間くんの元と向かった


「今日の議題?の『トリック検証部』俺も小説読んでアニメも見たよ」


「そうなんですね!では両方派ですか」


「どっちでもないよ。映像化していない小説も読むし、オリジナルアニメも見るから強いて言うなら浮気派?なーんて」


「ははっ。確かにそうですね。…ところで、転校生ですか?」


「そうだけど、どうして?」


「僕たち1年生のときは全員違うクラスだったんです。でも誰も知らない感じだったので」


「なるほど。流石ミス研、かな」


「いえいえ。これくらいでは」


「そうだね。クラスが4つしかないのに対して部員が5人いるんだから簡単だね」


「部員は…もう1人いるんです」


…なんだろう

表情が少し暗くなった?


「転校生に事件はつきものですから、いつでも頼って下さい」


「ありがとう。割とトラブル体質なんだ」

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