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青春代行課-七瀬七都木の青春救出  作者: ゆうま
ルートその1
3/66

#2

「委員長は当番じゃない日もいるんですね」


「貴方だってそうじゃない」


「俺は時間があるだけなので」


「私もそうよ」


少し意外

私が頑張らなくちゃ!ってタイプかと勝手に思っていた


「責任が~って言いださなくて良かったです」


「どういう意味かしら」


「ひとりで頑張ることが責任を持つってことじゃない。そう思っているんです」


「私もそうよ」


なにか言えることはないか

寂しそうに微笑む委員長になにか言えることはないか

そう考えていると、静かな空間を切り裂くように大きな音をたてて扉が開いた


「やっぱりここか!」


「声が大きいよ。図書室では静かに」


「あ、悪い。これからゲーセン行くんだ。行くぞ」


「今日は当番なんだ。また誘って」


「じゃまた今度誘うから!当番頑張れよ!」


来たときと同じくバタバタと去って行く


「偏見だけれど、ああいう子にははっきり言わないと伝わらないんじゃないかしら」


「あははは…そうかもしれません。でも急なだけで、基本的にいい子なんです」


「それなら良いの。悪く言ってごめんなさい」


「心配してくれたんですよね?」ありがとうございます」


「お礼を言われるようなことじゃないわ」


「純粋な心配って、意外と嬉しいんですよ?」






                     ***






「おはよー!七都木!おはよー!」


「おはよう。朝から元気だね」


「おう!今日はお前を遊園地に誘おうと思って気合が入ってるからな!」


ドヤ顔をされても困る…


「GW1日目だけ使える半額チケットが4枚ある!俺と七都木と花、あと1人、誰にする?七都木が誘えば誰でも来るぞ」


「ずっと気になっていたんだけ、俺が誘えば、とか俺が来れば、とか…なんで?」


「なんでって七都木…!」


両肩にがっしりと手をかけられる


「な、なに…」


「顔良し、高身長。性格良し、頭良し、運動神経中の上。一体誰が食いつかないんだよ」


「…そう。「ここ」ではそう見えるんだ」


「え?なんだって?」


「いや、なんでもないよ。誘う人は黄さんの友達で良いんじゃないかな」


「黄って呼ばないでほしいわ」


「あ、おはよう」


「おはよー。うわさをすればなんとやらってヤツだな」


「おはよう」


「呼んでほしくないって、どうして?」


「飲食店の待ちで名前書くやつあるでしょ。あれ「おうさま」って言われるから嫌なのよ。そんな感じ」


「確かになんとなく困るね…」


「「キ」って書いても「キサマ」だしな」


…無視しよう


「なんて書いているの?」


「誰かと行くとその人の名前を勝手に書くわ。ひとりだと花井って書くわね」


「花…お前おひとり様なのか…」


「好きで行ってんのよ。ビュッフェなんて特に自分のペースで食べたいじゃない」


「意外だよ。花さんは大勢の人とワイワイ過ごすのが好きなのかと思っていたから」


「どっちも好きよ。本題のあとひとりについてだけど、興味ありまくりの人と関わりたくない人。その2パターンしかいないのよ」


「関わりたくないって…」


「顔良し、高身長。性格良し、頭良し、運動神経中の上。目立つのよ」


「ふふっ、戸部くんと同じこと言うんだね」


「誰が仲良しよ!」


「でも一緒に遊園地に行くんでしょ?」


「それは戸部が誰かひとり誘えって言って…普通に行きたかったし…」


ツンデレだ


「はいはい、分かったよ。もうホームルーム始まるから席に着こう」


「七瀬ぇ…!」


「はははっ」


柄にもなく、こんな時間がずっと続けば良いな

…なんて思った

そういえば、最後に声を出して笑ったのはいつだっただろう


「なんだ、七都木。にやにやしてキモいぞ」


「アンタが言うな」

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