蹴鞠のような、モノ。
なにか転がっているのを見つけて。
それが丸いと分かると否や、すかさず蹴りたくなった。
プロではないが、端くれだ。
「いっくぞ~~~!!」
ただ、質の悪い酔っぱらいでもある。
幼少の頃。 目にした小石や松ぼっくり。
あの当時を思い出して、相方に蹴り飛ばした。
だがその威力は思いもよらない。
「ちょっと~。どこ蹴ってんだよ」
ふらふらと、覚束ない足取りだった。
つまり、酔っぱらい同士の然り気無い日常だ。
街灯がつまらなさそうに照らしつけている。
その公園は人気もなく、多分ふたりだけの世界のようだった。
月明かりも微かに注ぐぐらいで、自分達が足げにした正体なぞ皆目検討もつかない。
「ったく……。 次ぃ、いっくぞぉ……」
「オーライ♪」
その時、さぁっと。
辺りに光が降り注がれた。
真っ赤に染まる塊は ―― 生首だった。
『ねぇ、どこまで飛ばすの??』
嗤っていた。
生首が――。