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第105部

第45章 神々の宝玉の奪還


「さて、どこに隠してあるだろうな」

"私には分かる。さすがに、同じような力だからな。魔力が異様に高いところが何箇所かある。それらが恐らく神の宝玉の場所だろう。そこにいけば、いいだろう"

「なるほど。で、最初はどこに?」

カオス神は、エレベーターに乗り込むように指示し、乗り込んだ後、監視装置があったので、それを録画不能にしてから、言った。

"最初は、この階だ"

押したのは、地下駐車場とかかれた階だった。


地下3階。コンクリートうちっぱなしの、車がほとんどない駐車場だった。人影など見えなかった。

「ここの、どこに宝玉があるって言うんですか?」

"あの、守衛室があるだろう?あそこには、さらに地下に降りるための通路がある。それを降りたら部屋がある。その中にある"

すると、守衛室の人は、寝はじめた。

「あれ?突然寝ちゃったぞ?」

"当然だ。私が、寝さした。魔法と言うのは便利なものだ。さて、行こう"

一行は、歩き出した。


守衛室の中に入ると、全員が眠っていた。そして、やすやすと、鍵を盗みだし、守衛室の所にある隠し扉から宝玉の部屋に入った。


「なんか、同じようなガラス玉が一杯…」

「どれが本物?」

"さて、それぞれに、魔法を反射させる力を入れているようだ。だから、糸をたどるのと同じようにすれば良い。すぐに見つかるだろう"

しかし、探すのは苦労した。だが、ちゃんと見つかった。

「これだ!」

"そう、それが、神の宝玉だ。色からすると、カオイン神だな"

そして、それをカオス神が手の中に入れると、たちまち消滅した。

"では、次は地上だ"

みんなうなずき、その足で上へ向かった。


教団の地上の本部の所に入ると、あちこちで人も機械も、ロボットも眠っていた。

「みんな、寝ているの?」

"その通りだ。なにせ、俺がしたからな。魔力で、俺に勝る者はこの世の中に存在しない。但し、神の宝玉を持っていれば別だがな"

「で、その神の宝玉は、どこに?」

"地上3階、一番離れている所に、なぞの発信源がある。そこだろう"

「では、すぐにそこへ」

一行は足を早め、その場所へ向かっていた。


その場所に到着すると、ふと、変な感覚に襲われた。

「なんか、平衡感覚が無くなるような…」

"ここには、強力な磁場フィールドが張られている。それに、その奥を見てみろ"

カオス神に言われて、長見達はフィールドの奥を見た。電磁フィールド自体、無色透明、触れない限り、そこにある事が分からないほどだったので、向こう側まで透けて見る事が出来た。すると、向こう側には、宙に浮く球状の物体があった。

「あれは?」

"あれは、防御用ロボットだな。カオイン神よりも、こちらの方が重要だと言う事か"

「どうします?この電磁フィールドを破ったら、すかさず、こちらに来ますよ」

長見がカオス神に言った。

"そればっかりは、俺の力でもどうにもならない。俺の力は混沌だ。結局の所、エネルギー系を司っていたスタディン神がいない以上、それは、出来ないな"

「では、強行突破を?」

"それしかない。俺は、この電磁フィールドを破る。中和させ、隙間を潜り抜けるのだ。お前達は、その直後に来るであろう、防御用ロボットに対する攻撃を進めてくれ。出来る限り早めにそちらに行こう"

「了解!」

そして、決行された。


まず、カオス神が発するエネルギー波を、電磁フィールドの、真反対の波長で放出した。すると、電磁フィールドは、徐々に弱められ、そして、一部消滅した。

"今だ!"

カオス神の号令によって、その隙間を通って、中へ進入した。すると、読みの通りに、こちらのエネルギーを感知して、ロボットがこちらにやってきた。


「おりゃー!」

近くにあった鉄パイプを利用して、翔平は相手にその鉄パイプを当てた。

「クリスタルハイド!」

結晶系の魔法で、相手の周囲の空間のエネルギーを結晶化させ、それを包ます事によって、相手の行動を封じる空間系の魔法であり、上位魔法のひとつであるクリスタルハイドを、長見がする。佳苗は、近くに偶然落ちていた剣っぽい物を構え、周りを気にせず、切り続けた。そして、カオス神が電磁フィールドを再び閉じる頃には、全ての、ロボットは破壊されていた。

"さすがだな"

「いえいえ、そんな事ないですよ」

"謙遜するな、長見。しかし、佳苗は、どこでそのような技を身に付けたのだ?誰かに教わったのか?"

「いいえ、気がつくと、誰か別の人になっているらしく、記憶が飛んでいるのです。その間は、なんだか、暗く、寒く、じめじめした部屋に一人でいるような感覚になります」

"…そうか。しかし、ここまで上手だと、まるで、ファインドみたいだな"

「ファインド?誰ですか?」

翔平が質問した。

"いや、昔の話だ。それよりも、間違いなく、こちらからエネルギーが来ている。急ごう"

そして、カオス神が先導し、神の宝玉が置かれているところへ来た。


"この部屋の中に、神の宝玉が安置されている。しかし、その周りには、謎の物体波が感知できる。恐らく、生きた人間を糧として生き続ける何らかの存在だろう。だが、非常に強力な魔法を保有している。気を付けてかかれよ。俺は、宝玉の周りに幾重にも張られている、特殊全方位型結界を解く事に専念する。その前に、これを全員にやろう"

カオス神が与えたのは、

白い剣、黒い盾、それと、透明な時計であった。

「これらは?」

"白の剣は、サイン神の対であり、誠実の神、アントイン神の贈り物。黒の盾は、アントイン神の対であり、悪の神、サイン神の贈り物。そして、この透明な時計は、混沌の神であり、旧来の7神を束ねる、この俺の贈り物だ。頭をよくして使えよ"

そして、何も聞かずに部屋に突入した。


部屋の中では、何らかの存在がいた。しかし、その存在は、長見達が理解できるような範囲を超えていた。形容しがたいぬめっている体。全身からは、謎の黄色っぽい液体が絶えずどこからか出ており、ナメクジ、足が速いナメクジのような形をしていた。そして、口の部分には、しゃれこうべがあった。それを、佳苗が最初に発見した。

「ねえ、あの口みたいなところにあるのって、人間の頭の骨?」

「ああ、そのようだな」

長見がさらりと言い切る。

「さっき、カオス神も言っていただろう?人を食べるって」

その時、ナメクジがこちらに気がついた。何らかの言葉を発しているようだが、何を言っているのかは理解できなかった。そして、突然飛びかかってきた。しかし、佳苗の白い剣が、突然光を発し始めると、ナメクジの行動力が弱まった。

「チャンスだ」

翔平はそう思った。そして、時計を見た。動いてなかった。

「最初から、動いていたっけ?」

しかし、ナメクジはだんだん、動く早さが遅くなっていた。

「そうか、この時計だ」

そして、とうとう、完全に動きを止めた。

「この時計、時間を操れるんだ。その隙に、こいつを倒そう」

ゆっくりと、しかし確実に前へ動いて行った。そして、ナメクジを倒すと、カオス神の方を向いた。

"こっちは既に結界を解いた。時計を動かしても問題はない"

時計をいじくりまわすと、勝手に動き始めた。

「あれ?勝手に…」

時計は確実に動いていた。周りの空気も動き出した。

"さて、これが、神の宝玉だ"

それは、黄色だった。

「黄色の宝玉、エクセウン神ですね。第5宇宙空間の神、臆病者の神、しかしそれを裏返すと、慎重さの神という事にもつながる」

それを取ると、次の場所へ向かった。


「次はどこですか?」

"一気に上に向かう。389階だ。そこから、神の力を感じる"

エレベータで、389階へ向かうと、不可思議な力が体の中を駆け巡った。それは、暖かくもあり冷たくもあり、滑らかでもあり、ざらざらでもあり、重くもあり、軽くもある、不思議な感覚だった。

「なんだろう、この気持ち」

"サイン神の力だ"

「サイン神、悪の神であり、魂の吸収者、第3宇宙を治めている神」

"そう言う事だ。いくぞ、早くしないと、神の気に当てられてしまう"

走ってゆくと、部屋があった。

"この部屋の中だ。サイン神の力を感じる"

「では、すぐに行きましょう」

「でも、神の気に当てられたら、死ぬんじゃないの」

"さてな、それは、それぞれの魔力の量によるからな。結論としては、死ぬかなんていう事は、神であるこの俺自身でも予想がつかない"

「とにかく、行きましょう。それからですよ。話は」

部屋には、何にも防御装置がなかった。しかし、サイン神と思われる、漆黒の闇の、空間に開いた深遠の闇をのぞきこむような感じの、そんな穴が突然開いていた。

{誰だ!}

"俺だ。カオス神だ。お前を助けに来た"

{カオス神か、じゃあ、その後ろにいる人間は誰だ?}

"メフィストフェレスは言った。彼らこそ、第8宇宙空間を治めるのに、最適だと"

{そうか、翔平、長見、佳苗か}

"その通りだ。こっちに来てくれ。神の社へ道を開けさせるわけには行かない"

{それが出来たらさっさとここから出て行っているよ。この部屋全体に、魔力を吸い取る装置が組み込まれていて、ここに入ると、完全に魔力がなくなる}

「その通りだ」

部屋の扉の前に、誰かが立っていた。

「おめでとう、そう言っておこうか。君達が、最初にここに来た者だ。だが、ここでは、お得意の魔法も使えない。ま、自分は別だがな」

"お前は、誰だ"

「自分は、上級魔法教団団長の、高田栄治だ。さあ、我々から盗った神の宝玉を返してもらおうか」

「最後にひとつ聞いておきたい」

「なんだ?」

長見が聞いた。

「お前の目的は何だ」

「自分の目的か。当然の事だろう?神の力を追い求めるのは、人間としての性にも等しい。周りよりも、上に立ち、支配する事こそが、最も素晴らしい事なのだよ。さあ、分かっただろう。分かったなら、神の宝玉を返してくれ」

「出来ないな。そんな、不純な理由ならば。だとしたら、こちらの回答はこれだ」

長見は、袋の中から、カオス神の宝玉に似た水晶玉を取り出した。

「おい、まさか、やめろよ」

栄治は顔が引きつっていた。

「無理だな」

思いっきり、床に叩きつけた。水晶玉が粉々になると同時に、カオス神の姿がなくなった。

「貴様!なんていう事をしてくれる!」

「何せ、お前が、欲しいといったからな。だから、拒否をした」

「カオス神の力は、永久に手に入れられなくなったんだぞ。それでもいいのか!」

「当然、お前のようなやつに取られるよりも、このほうが本望だろう」

栄治は、突然こちらに切りかかった。しかし、佳苗が、神速の早さで、受け止めた。

「どうした?これでおしまいか?」

佳苗の声が変わっていた。

「かな、え?」

「こ、これは…一人の少女が出せるような力ではない。お前は、一体誰だ!」

栄治の剣をやすやすと折り曲げ、放り投げた。それから、栄治をにらみながら言った。

「我が名は、メフィストフェレス。神々の父たる存在。お前のようなやつらを見てると、虫唾が走る。早々にこの場から立ち去れ!さもなくば、神罰を下そうぞ!」

歯をがたがた鳴らしながら、栄治は去っていった。

「さて、これでいいな」

メフィストフェレスは、佳苗の体から消えた。一瞬ふらついたような感じがしたが、すぐに立ち直った。

「あれ?私、どうしたの?なんで、みんな、青ざめているの?」

佳苗は、元の人格に戻ったようだった。

「大丈夫か?」

「え?うん。私なら大丈夫だから」

ハハハと、笑い飛ばした。そして、カオス神の姿が戻った。

"やれやれ、あんなことするなら、最初に言ってくれ"

「言ったら、ばれるじゃないですか。それよりも、はやく、サイン神の宝玉を………」


エピローグ


その後、順調に全ての宝玉を取った。そして教団の魔の手からすべての宝玉を救い出した直後から、神が作った特殊な空間にいた。


「やれやれ、ここで、死ぬまで缶詰か」

「仕方が無いんじゃない?外に出たらずっと神のお世話になるしかないし、私たち追われてる身だし、それでここにいさせてもらっているんだけど…」

「まあ、それもいいんじゃない?」

6畳一間の、小さい部屋に、少女が一人、少年が二人、テレビがひとつ、キッチンがひとつ、机がひとつあった。

「テレビ付けてよ」

「はいはい」

佳苗が、長見に言われて、テレビをつけた。

「……今日、新暦750年、上級魔法教団及び、中・下魔法教団の全団員が、同時に、教団を解散する事を表明。並びに、連邦政府は、教団の代わりの機関として、魔法省の設置を発表。翌日に、正式に発表する予想。以上、臨時ニュースでした」

テレビを切り、机の周りに集まった。

「さてと、これから、どうしようかな」


それから、数十年の時が経た。彼らは、伝説的な存在となっていた。そして、神の社にて。


「これより、神になるための儀式を開始する」

「儀式ですか…」

"そう言う事だ。では、君達は眠りなさい"


気がつくと、人と言う存在ではなくなっていた。


こうして、新暦803年。新たなる神が3人誕生した。そして、物語は続いて行く。

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