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第102部

第42章 神を見つける


「どうする?どうやってここから脱出する?」

「でも、魔法が使えないんだろう?どうしたらいいんだろう」

「なあ、ひとついい方法がある。でも、みんなの力が必要だ」

「え?どんな方法?なんでも協力するよ」

「カオス神、少しお手伝いいただきたいのですが…力を貸してください。この扉を錬金術の力を応用して破壊します」

"じゃが、錬金術の力とて、元をたどれば魔力。どうやって破壊をするのじゃ?"

「こうやってですよ」

長見は練成陣を書いた。そして、剣を創った。

「この剣に、大量の魔力を入れてください。それで、扉を攻撃します。すると、一瞬で大量の魔力が向こうに入ります。そしたら、鍵は強力なエネルギーにより崩壊するはずです」

"なるほど、では、入れるぞ"

カオス神は、謎の言語の呪文を唱えだした。すると、剣が光りだした。だんだん光は激しくなっていった。同時に、剣芯が熱くなりだした。強力な魔力が入っている証拠だった。

"入れたぞ。いま、この剣には、通常の人間の300万倍の魔力が入っている。軽い衝撃で飛び散ってしまうほどの量じゃな。みんなは、下がっとくべきじゃな"

ススッと、長見以外は一番遠い所に下がった。そして、長見は、剣を振りかざし、扉に当てた。その途端、扉は爆発した。しかし、破片は発生せず、瞬時に消滅した。長見は神によって守られていたので大丈夫だった。そして、周辺の壁の一部、そぎ落とされたように消えていた。

「さて、外にでよう」

長見を先頭に、ドアを無理やりこじ開け、脱出した。


家から出ると、外は全く何事もなかったかのような世界が広がっていた。まるで、彼らだけが取り残されているようだった。周りは、闇だった。

「とにかく、空港に行こう。それからだ」

長見は、歩き出した。その時だった。後ろから車の音が聞こえてきた。車は、長見達の横で止まった。

「早く乗りなさい」

長見達は、その言葉に反応して、魔法で空港まで行くことにした。一瞬で、空港に到着した長見達は、警官が異様に多い事に気がついた。

「そうか、俺達を探しているんだ。だったら、魔法で、顔を変えてしまえばいい」

「でも、どうやって?私達、どうやったらいいか知らないよ」

"単純な事だ。私がしてあげよう"

カオス神は、どうやら姿ではなく、形を変えたようだった。

"私達の会話は、この姿になっている限り、テレパシー状態で行われる。それと、今の姿は鏡を見たらわかる"

そこで、ガラスに反射した姿を見た彼らは、自分自身に起こった変化に戸惑った。顔から、身長から、見た目の性別から、何もかも変わっていた。さらに細かい事に、パスポートを見ると、名前まで変わっていた。

「俺は、ファイスだって。職業は、見た目は、運び屋だな」

「私は、沢野和豊だって。誰だろうね」

「自分は、草月命だそうだ。まあ、いいか」

"ちなみに神でさえ、名前を変える事にしたからな。俺は、カオス・フランシーヌだ。見た目も女性っぽいだろ?"

「いや、微妙ですよ」

「とにかく、乗り込みましょう。ここでうようよすると、逆に怪しがられます」

"目的地は?"

「この宇宙空間のイフニ兄妹の実家です。そこには、イフニ兄妹が入っていったと言う穴が残されています。中は、彼ら以降、誰も入った者はいないそうです」

"そうか、イフニ神の穴だな。彼は、わざとそこに行ったんだ。自分の生粋の遺伝子を持つ物を見にな"

「あ、搭乗手続きですよ。急ぎましょう」


彼らは、航宙機に乗り込んだ。そして、宙高く飛んで行った。


太陽系第3惑星、再び来たこの地。宇宙人類発祥の地、そして、魔法の塊が存在する星。


「やっぱり、長い旅だよ。ここまで来るのは」

「でも、イフニ神の洞窟を見に行くんでしょ?でも、どこにあるの?」

「ほら、あそこ。あの家だって。いまでも、彼の子孫が住んでいるらしいけど、別の家が本拠だって」

"なるほど。では、行こう"


「失礼します。ちょっとお邪魔しますよ〜」

長見がそっと扉を開ける。中は誰もいないようだった。

「じゃあ、入っちゃえ」

ひょいと入ると、中には、生活感が全くと言っていいほどなかった。

「やっぱり、ここには誰も住んでないんだ」

一行は、中に入り、そして、伝説どおりの場所の畳をめくった。

「やっぱり。ここが、イフニ神の宝玉があったと言われている場所です」

"どうやって入るんだ?"

「それは、あなたの方がご存知かと。なにせ、あなたは、イフニ兄妹を見た神ですから」

"確かにそうかもしれんが、忘れてしまっては、意味がなかろう"

「まあ、そうかもしれませんね」

「全員で行こうよ」

提案したのは、佳苗だった。

「でも、どうやって全員で行くんだ?」

「これがある」

翔平が取り出したのは、特殊な機械であった。

「これがあれば、ここに引っ掛けて、そのまま下に降りれる。耐久力は、30tまで大丈夫」

「じゃあ、それで行こう」

機械をセットし、そして、そのまま畳を元の位置に戻して下に降りていった。


「深いな…ここまで深いんだな、この縦穴」

そのとき、横に開いている穴を見つけた。

"この穴らしい。この横穴を通り、この宇宙ステーションの中央部に出る。そこに、イフニ神の宝玉があったらしい"

「全て伝聞なんですね」

"仕方があるまい。イフニ神の宝玉は特別でな。イフニ家のものではないと扱えない代物じゃ"

「じゃあ、自分達には無理じゃないですか」

"そうでもない。この中で、家族の中で、一人でも、イフニの姓を持つ物はおるか?"

「私、おばあさんが、イフニ家でした。イフニ・サラドールっていう…」

"彼女か。正確には、彼女はイフニ家ではないんだがな。まあ、いいじゃろう。何かあれば、佳苗に頼る事にしよう。では、この穴の中へ"

そして、中心部へ出た。真ん中には、何かが浮かんでいた。

「あれは?」

"久しぶりだな。イフニ神"

/その声は、カオス神か/

「でも、イフニ神の宝玉って、スタディンが持っていったんですよね。じゃあ、なんでこんなところに浮かんでいるの?」

佳苗が言った。

/単純な事だ。全ての宇宙空間には神の力があって成り立っているんだ。これで、もしも抜いたら、一瞬で潰れてしまう。それを防ぐためにしているんだ/

「なるほど。じゃあ、他の神もいるんですね」

長見が聞いた。

/そうだ。この広い宇宙の中、神はどこかにいる。私はここが一番好きだからここにいるだけだ/

「その力を少し分けてもらうというのは駄目ですかね」

/いいが、ひとつ条件がある。お前らの中で、イフニ家の者はいるのか?/

「私、おばあさんが、イフニの姓を持っていました」

/その者の名前は/

「イフニ・グランドールです」

/なんと、彼女は生きておったのか。それは気がつかなかったな/

「あの、私のおばあさんが、何かしたんですか?」

イフニ神は、佳苗のそばに行き、実体化した。まだ、青年というぐらいの、見た目は10歳前後の少年の姿をとった。

/私は、彼女に会っている。いや、彼女は元々人ではなかったんだ/

「え?どういう事?」

/話せば長くなる。彼女は、元々あった、WPI機関と言う特殊機関が作った、人造人間だったんだ/

「人造人間…そもそも、WPI機関って?」

佳苗はわからないような顔をした。無理もないだろう。この時代、新暦750年には、裏機関であるWPI機関は、存続していないのである。だが、他の組織に変わっていたのだが。


/彼女は、特殊な攻撃を行うために、作られた人造人間でな。そもそも、生殖機能自体があったかどうかも定かではない。だが、その孫娘というお前なら、興味がある。ついていってもいいか?/

「ですが、この宇宙空間はどうするんですか?」

翔平が聞いた。

/それならば大丈夫だ。これを置く/

イフニ神が取り出したのは、光り輝く珠だった。それを宙に浮かせ、立ち去った。

「いいんですか?あれで」

/ああ、あれは、「光輝珠」という珠だ。同じような力がある/

そして、彼らは、この場からたち去った。光輝珠はこの場で、誰かが取りに来るのを待っていた。


「さてと、あの教団から、早く神の宝玉を取らないと、宇宙征服とかしでかしかねないな。次は、どこだ?」

彼らは、魔法で変装した格好で、宇宙ステーションの中の喫茶店にいた。

"宇宙外だ。そこに、我らが父がいる。神は、その方から作られた。だが、こちらから向こうには行けない"

「じゃあ、どうやって行くんだ?」

"我々についてくる気はあるか?遥か昔、スタディンとクシャトルと言う二人の人間も、同じように行った。だが、彼らとは少し事情が違うがね"

「確実に彼らの元にいけるのならば、カオス神にまかせる」

"ならば、イフニの末裔を、グランドールではない人を探す必要がある。そして、そのものから、ネックレスを借りるのだ。そしたら、神の社に行ける。そこからだ"

「神の社。それは、今まで、人を入れた事がほぼないと言う、伝説の場所。世界で最初にそこに入ったのは、スタディン達である」

長見が言った。

"その通り、ならば、イフニ神の血を分けた者はいずこに?"

イフニ神に視線が集まる。だが、イフニ神は、そ知らぬ顔をした。

「イフニ神、どこにいるか知っているんだな?」

翔平が詰め寄る。

/ああ、一人いる/

「それはどこだ?」

/この惑星上だ。だが、彼女に会うのは、非常に危険だろう/

「なぜだ?」

/彼女は、世界の命運を握っているほどの者だからだ。彼女が一声かければ、世界が滅びても不思議ではない/

「その人は誰だ?」

/連邦大統領だ/


この世界についての説明がいるだろう。スタディン達の世界から見て、350年ほど経った時代。連邦制をとっているのは、事実上の宇宙の盟主になっている。宇宙中の国は、この3惑星連邦を目指している。最初の国名に戻ったのは、全宇宙に及ぶ戦争があったためである。最後に勝ったのは、この3惑星連邦だった。全ての宇宙空間の独立国の盟主であり、宇宙平和理事会の唯一の常任理事国である。さらには、世界中に植民地を持っており、平和維持部隊と言う名目の元、さまざまな場所に駐留軍を置き、睨みをきかしているのである。そして、この時代の連邦大統領は終身制になっており、半独裁政権と化している。議会は存在するが、過半数が大統領の政党であり、事実上、議会は翼賛会化している。


「そう言えば、今の連邦大統領も、イフニ、何とかって名前だったわね」

佳苗が言った。

"イフニ・セカンドル。現在、68歳の彼女は、25歳と言う若さで連邦議会議員選挙で初当選。その後、31歳で、大統領選にて当選。しかし、その頃から、不自然な行動が目立つようになる。そして、32歳の時、大幅な憲法修正によって、初代終身大統領として即位。以後、現在に至るまで、大統領職にある"

「なぜ、そんなに詳しいんだ?」

"それは、長見。私は神だ。詳しいのは、全てを見ているからだ"

「そんなものだろうな。と言う事は、彼女から、ネックレスをもらえばいいという事か?それよりも、その宝玉の力によって、神の社に行くと言う手もあると思うがな」

翔平が言う。だが、一言で却下された。

"それは無理だ。何せ、宝玉利用で神の社に行く場合は、古来の神である、イフニ、カオイン、サイン、カオス、エクセウン、ガイエン、アントイン、全ての宝玉を手に入れなければならない。それが困難だから、350年ほどまえ、当時、実在した二人の人間である、イフニ・スタディンとクシャトルの両名に、特別な力を宿させた。そして、神の社に到達した時、すぐに行けるように、ネックレスを授けたのだ。それが、我々が欲しているネックレスになる"

「じゃあ、あんた達が行けばいいんだよ。俺らはいけないが、あんたらは神だ。神なら神の社に行けるだろう?」

翔平が再び言った。だが、カオス神とイフニ神は首を縦には振らなかった。


だが、彼らは、何にも策がないわけではなかった。しかし、彼らと接触できなければ、全ては水の泡であった。

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