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56.オタクトーク

評価して下さった方ありがとうございます!まさか評価が来るとは思わず、嬉しかったです。

それから、ライラと僕は色々なことを話した。


ライラは、割と幼い時から前世の記憶があったのだという。アルベルトは僕達と違って転生者ではないそうだが、ライラ曰く、前世も含めて「アルベルトには何でも話している」そうだ。

何でも、幼い頃に偶然アルベルトと出会う機会があったそうで、2人はそれ以来の幼馴染だとか。この辺りは「ときプリ」のゲームの設定にはなかったはずから、どこかで運命が変わったのだと思う。

ライラは幼い頃から前世の記憶があったため、自分が将来聖パトリック学園に入学することも、そこで必要になる様々な技能も分かっていたので、先取りして勉強していたとのことだ。

ダンスもそのうちのひとつで、必死で「アルベルトと特訓した」そうだ。

新入生歓迎パーティーで見せたディーノとの完璧なダンスの裏にはそんな苦労があったとは。


「じゃあさ、あの新入生歓迎パーティーで着てた“オーロラのドレス”はどうしたの?」

「さすがにディーノ様には貰えないでしょ!前世の記憶を頼りに、アルベルトと作ったのよ」

アルベルト、そんな事までやらされてるのか。大変だな。


「MAP機能ってどんな感じなの?」

「強いて言うなら3次元的な?入学式で鐘の音を聞いた途端、脳内がぶわーっと広がって」

「あ、僕も前世を思い出したのはあの鐘の音だった!」


気がつけば、中庭のベンチに移動して隣に仲良く腰掛けながら前世談義に花を咲かせている。


そうそう、ついでに、なんとなく、とやたら長い前フリとともに、ちょっとモジモジしながらライラが聞いてきた。

「『ときプリ』で一番好きだったキャラって誰?」

僕は、前世の日々に想いを馳せながら言った。

「ギルバートだよ」

あの、ゲームのギルバートと青春を共にした日々が懐かしい。

ライラの顔がぱああっと明るくなる。

「私も!」

「ライラもか。ギル、断トツで一番人気だったもんな。ゲームじゃなくて本物も文句なくカッコイイよね」

「そうよね!それで、ウィルは前世でBLって言葉、知ってた?」

BL……。

ボーイズラブ。

その瞬間、僕の血の気がさあっと引いた。この娘は危険な腐女子だ。

「BL?なにそれ?」

引きつった顔を隠すために特大の作り笑いを浮かべる僕。

「そう、ウィルはそっち系ではないのね……。ううん、なんでもないの」

大変危険だ。

BL、知っているどころか、朝晩果ては下手すれば夢の中でまでBLに浸かっていた前世の“私”だ。

ライラの推しキャラはギルバートだって?

ウィリアム×ギルバートのカップリング本を出していた前世は絶対にバレてはならない。


「ギルとの友情を大切にしてね」

ライラは熱っぽい視線とともに僕にそう言ってくるのだった。

僕は、「ソウダネ。」って返すので精一杯だった。

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