28.ウィリアムの考察
ライラは腐女子だった。
僕とギルの様子に対するあの反応ぶり。腐女子というのは、ライラという人間の本当の部分、コアの部分を形成しているのあは間違いない。
前世の“私”も腐女子だったからわかるが、腐女子というのは単なる趣味以上のものであり、腐女子にとってボーイズラブへの萌えは、生きる糧またはライフワークのようなものである。
もし僕が女に転生していたらライラと仲良くなれたかもしれない、なんて前世の“私”の部分が囁いてくるが、現世の“僕”の部分が全力でそれを拒否している。
だいたい、腐女子のくせにライラは攻略キャラクターに手を出しすぎだ!
ギルと僕の絡みに萌えているくせに、ギルと僕両方に乙女ゲームのヒロインとしてちょっかい出してくるのである。
この間、あれほど見せつけてやったというのに、ギルや僕への攻略の手を緩めるつもりは毛頭ないらしかった。
やっぱりライラには、腐女子というだけでなく、他にも何かありそうだ。
腐女子の本能よりも優先させているのだから、余程のことに違いない。
腐女子だって色々、人生色々だ。
人間だもの。
今回の件で、ライラの人となりについて深く知ることができたと思う。しかし、今回知った部分は、僕が知りたかった部分から微妙にずれてしまった。引き続き警戒を怠らないようにしよう。
「ウィル、何しているの?」
「ああ、エレン。日記を書いてたんだ。最近書き始めたんだけどね」
「日記って1日の終わりに書くものでなくて?」
「僕のは思いついた時に書くんだよ。いずれ小説にしてみようかな」
タイトルは『乙女ゲームの攻略キャラに転生したけどヒロインを口説きたくありません』かな?そのまんまだな。




