後日談
僕はクーラーをガンガンにつけながら、カップラーメン片手に部屋で新聞を読んでいた。
見出しには、「太陽の島殺人事件!」と書かれている。
太陽の島殺人事件!
犯人は高校生3人!
そう書かれていた。
あの後、本土に戻った僕たちは、すぐに警察と救急車を呼んだ。
僕たちはその日は家に返されて、次の日に改めて警察署に呼ばれた。
ペンションの焼け跡を捜索した結果、七人の遺体が見つかった。
それから、吉田さんは、島を探しても見つからなかったらしい。
7人の死亡者と、1人の行方不明者。
これが今回の事件の幕引きだ。
真坂 姫奈。
今回の事件の発端。顔も知らない彼女は一体どんな思いで、あの3人に復讐を託したんだろうか。
結果的に、真坂 姫奈はあの3人の人生を奪ってしまった。
あるいは、それが本当の目的だったのかもしれないと、僕は最近、考えている。
一人で死ぬのが寂しかった。
だから、後を追ってきて欲しい。
そんな思いで、3人に罪を犯させたんじゃないだろうか。
なんにしても、僕には関係のないことだ。
僕は新聞を投げた。
投げた新聞は、テレビ台の後ろに落ちた。
ゴロゴロしていると、家のインターホンが鳴った。
ダラダラした足取りで扉をあける。
「よっ!元気かっ!」
来客は薊だった。
「あのね。今、商店街で福引券やったんだけどね、温泉旅館二泊三日宿泊チケットが当たったんだ。」
すごいデジャブー。嵐で、閉じ込められてクローズドサークルしそー。さらに言うなら、7人の死亡者と、1人の行方不明がでそー。
「わーお、うわーい。そりゃすげーやー。」
努めて棒読みで喜んだ。
「こないだの旅行はあんなんだったし、また旅行やり直そう?」
懇願するように、上目遣いで言われる。
そんな顔で見られたら、断れないじゃないか。
「わかった。行こう。」
もうあんな事件のことなど忘れた。
仮に先になにがあろうとも、僕は今の笑顔を求めて暮らしていく。現在の幸福追求こそが、人が生きる上で最も大切なことなんだと思います。
僕は懲りないぜ!
ご覧になっていただきありがとうございました。
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