世界からの移転そして物語へ
載せてしまいました。文章化しにくいものが多い事が発覚
これからここに、書される世界は、人が、異世界へと、転移する話ではない。技術の違いにより、選ぶことの出来なかった、世界の話である。
この世界には、陰陽術を極め、更に進化させた、一族が居た。その為、時の権力者は、他者から影へと隠し、自国の危機からの、脱し方を、伺い実践してきた、日ノ本の物語である。
分岐の時は、幕末。様々な人間の思惑が、蠢く時代である。この世界の日ノ本も、我々の世界と同じく、鎖国していたが、最大の理由は、擁護している、一族が、原因である。
日ノ本の民草は、鎖国の最大の理由を知らぬ者で、賛否に分かれ、理由を知る、上位の権力者は、諸外国と通じる者いて、腹の探り合いをする。下位の権力者は、上の権力者に命じられ、動く派閥と、民草と同じく、賛否に分かれる者。諸外国は、日ノ本の能力者を、知る者と、拠点の一つと、考える者とに分かれる。
そして、能力者達の中でも、賛否に分かれていた。だが、ただ一つの一族だけが、違う議論をしていた。その事は、一族の族長も、知る由も無かった。その一族は、日ノ本に起こる、破滅の未来に憂い、討論をするが、その話は、別の機会に語ろう。結果として、この世界の日ノ本は、地球から姿を、消す事となる。日ノ本が消えた、地球は、何事も無かった様に、時を紡いで行く。
日ノ本を、一つの惑星へと、変化させる事は、容易い事で無く、多くの犠牲を払い、世界を、構成させていく。術者の希望、他の術者の不安、民草の恐れや、慄きと不安。それらの感情が、大地に要る、他の生命体へも影響を及ぼす。それは、人体も例外でない。さらに、人外の知的生命体を、誕生させる、要因となる。
人として、生活の環境を、整え管理士し、淘汰するのに、時間が掛かった。人や、他の生命体に起こった、変化の調査、新たに誕生した、生命体や、知的生命体の探索。それらが、終わってからの、領土争いは、この世界が、誕生してから初の戦争へと発展してしまう。そして、その戦争が終わったのは、丁度十年前の事である。それは、惑星が誕生して、丁度百年目の事である。
星和元年、戦争が終わり、六つの国が、統治された時に、各国の国家元首達により、決められた年号である。
会議が行われたのは、王都 大和である。大和は、多数の種族が、暮らしている国である。その中から、国家の元首が選ばれ、統治さる国である。故に、第一回の会議、主催国と成ったのである。
他の国を説明しよう。まず一つ目の国帝都 畿内である。畿内は、人族が統治している。人が暮らすのに、適した環境で、農産物が、豊富な国である。
次の国が、東にある青東 竜都である。竜都は、その名の如く、竜人が統治している。竜都の周囲は、緑樹に覆われている。そこに住む魔獣が、多く潜むため、他の種族では、暮らし難い環境である。林業が、盛んな国でもある。街の東に河が流れている。
続いての国が、南にある朱南 雀陽である。雀陽は、鳥人族が統治している。荒れ狂う風が、他の種族を拒み、風の流れを、読む事に秀でた、者以外では、暮らし難い環境である。織物が、盛んな国である。街の南に大地が有る。
四番目の国が、西にある白西 虎州である。虎州は、獣人族が統治している。開拓時、未知の獣が多く、他の種族では、管理し難かったため、彼らが管理している。酪農が、盛んな国である。街の西を中心に道が広がっている。
最後の国が、北にある北玄 奥武である。奥武は、海獣人族が統治している。開拓時、連峰が連なる為、陸路が困難で、海を渡るしか方法が無かった為である。それに加え海に、未知の海洋生物の為、彼らしか、開拓出来なかったのが由縁で、彼らが管理している。街の北に、山がある。
時は、平和から激動へと、移り変わろうとしていた。その変動に一番初めに気付いたのは、朱南 雀陽に住む壬生 零士である。彼は戦乱を、治めた戦士の一人で、天下五剣の一振り、大典太に宿る朱雀と、契約を結んだ侍である。その時零士は、道場で一人禅を組み瞑想していた。ゆっくりと開眼し言葉を零す。
「亮一、お前ほどの武士が、闇に落ちたか。」
徐に立ち上がり、道場の格子窓に近付き、空を見上げ、言葉を紡ぐ。
「私が、もう少し若ければ、御前を止められただろうに。朱雀も、我が呼び声に、応えてくれぬか。」
悲しみの瞳を、浮かべ最後に、言葉を囁く。
「和也、また激動の時代が始まるぞ。」
遠くで稲妻が、鼓動するかのように、鳴り響いている。
また、時同じくして北玄 奥武、連峰を開拓された道から逸れた山林の中で 剣戟の音が響くと共に厳しく激しい声が響く。
「莫迦もん。その様な、太刀捌きでは、亀にでも、躱せるわい。もっとも、当たったとしても、儂の薄皮一枚、斬れんわい。」
言葉が、終わると共に、目前の女性が、捕捉できない速さで、姿を消し、後ろから軽く、小太刀の峰で首筋を叩く。
「師匠、無茶を、言わないで下さいよ。」
首筋を擦りながら女は答える。
「文句ばかり言うでない、涼浬。それと、朝餉の準備を頼む。」
「分かりました、御爺様。少しお待ちください。準備してまいります。」
涼浬と呼ばれた女性は、答えてその場から離れて行く。
顎を摩りながら、孫娘が、去るのを見届ける、この男もまた戦乱を、治めた戦士の一人名で、神野 龍禅である。現在は、禅光と名乗っている。
「今の孫では、数珠丸には、認められんわ。何としても彼奴より先に契約せねばならんわ。」
数珠丸もまた、天下五剣の一振りで、玄武が宿る刀である。
禅光は、数珠丸を狙う者から逃げ今は、孫娘の鍛錬に力を注いでいる。
「和也、闇の生命が動きだいたぞ。お主の事だ、準備を始めた頃かの。」
禅光の問いに答えるかのように一陣の風が舞う。
一月後、帝都 畿内の大地に、一人の若き武士が、足を踏み入れる。彼の名は、鷹野 京士浪である。彼は、亡師の教えに倣い、諸国、武者修行の旅に、出たのである。賑やかな大通りを、竜都の方面へ向かっていく。彼は、一軒の旅籠へと、足を向け暖簾を潜り女中に声を掛ける。
「御免、ここに、神前 九重殿が御滞在と伺ったのですが。」
「九重先生は、誰にも御会いしませんが。」
女中が直ぐに答える。
「ならば、この書状を、九重殿に、御渡し下さい。礼三からと、御伝え下さい。」
京士浪の声に反応する様に一部屋の襖が空き中より一人の老人が現れ話し掛ける。
「その手紙、俺に見せてみろ、小僧。」
京士浪は答えるより先に動き出しその老人に書状を渡す。
「この頃、下らない話しか耳にしなかった物だからな。勘繰って悪かったな。」
書状に目を通して呟く。
「礼三の奴、儂より先に逝ったか。邪気に当てられたか。特別だ、腰の物を、儂に貸せ、鍛えてやる。」
京士浪は、言われた通りに、腰に佩く刀を渡す。
「三本杉の波紋、関の孫六兼元、業物じゃ。直ぐに終わる、見ておけ。」
刀の鎺に二本の指を置き、鎬をなぞり切っ先まで、指を持って行きながら、九字を切る、すると刀身が、輝き始める。刀を、突出し柄頭を、掌で軽く叩と光が散る。そして、抜き放った刀を鞘に戻しながら、声を掛ける。
「小僧。動乱が始まる、気を付けて行けよ。それと、礼三の言い付けを守れば何とか成るわい。」
言い終わると九重は、部屋に戻り襖を閉める。
「有り難う御座いました。」
京士浪は、それだけ言うと、旅籠を出て、竜都へと旅路を、急ぐのだった。青天が、彼の旅路を、見送る様であった。
白西 虎州この地でも他の地と同じように動乱を感じ動く者たちがいた。一人は戦乱を、治めた戦士の、補佐だった人物で、名を木崎 紗絵子もう一人は、彼女の弟、桧神 蔵人である。彼は、今天下五剣の一振り、鬼丸に宿りし白虎と契約する為に特訓中である。
構えを取らない紗絵子に対して構えを取る蔵人、一陣の風が凪いだ瞬間に彼は、動き出す。常人には、捕らえる事の出来ない、俊足であったが、彼女は、当たり前の様に捌き、足を引っ掛け、地面に倒し、きつい一言を言い放つ。
「猪でも、もう少し考えて、突進して来るよ。君の頭は、空っぽかしら。せめて足払い位させてよね。」
その言葉を、聞きながら、這い上る。息を荒立たせながら、もう一度、構えを取る。今度は、制空圏を用い、ゆっくり間合いを、取りながら近づき、攻撃を加える。蔵人は、組み立てた攻撃を、放ち続けるが、全て虚しく、空を斬るだけであった。そして、攻撃が尽きた瞬間、重い一撃が、腹部に走り、前のめりに倒れる。薄れる意識だったが紗絵子の声が聞こえる。
「攻撃の方考えて、制空圏用いるだけじゃ、私には勝てないよ。白虎なら、あんた何回、喰われている事か、解ったものじゃないよ。」
紗絵子は、蔵人を抱きかかえ、部屋へと連れて行く。紗絵子は、蔵人を、部屋に寝かしてから、木崎家の墓へ参っていた。
「恭一さん、蔵人が、貴方の後を継ごうと頑張っていますよ。そちらからあの子を見守ってやって下さいな。新たな悲しみが生まれない為に。」
そう言ってから、墓前より離れて行く。
暑い日が続いていたが、今日は珍しく、冷やかに感じる、日中であった。
物語の一ヶ月前、青東 竜都から新たな戦士の出立を見送る者がいた。彼女の名は、水鏡 京子である。彼女もまた先の戦乱を治めた戦士の一人で元天下五剣の保持者であった、銘を三日月宿すは、青竜である。新たなる戦士である彼女は、朧と名付けられた。竜都が、保持した結界の贄であったが、京子に助けられ新たなる三日月の保持者と成ったため、国も手を出せなくなったのである。
「朧、良く御聞き私が、見える未来には、和也と共にある。どんな道順を通ろうとあんたは必ず彼に出会う。安心して闇と闘いな。それに、近い将来、青竜とも契約できるよ。」
京子の言葉に応える様に宣言する。
「師匠行って参ります。必ず全ての因縁を終わらせ帰って来ますの。」
眠りに付いている青竜と共に、朧は、全てを終わらせる旅路へと付くこれから始まる旅は、先の大戦と違う結末を求め動き始めた。
それぞれの地域に居る主人公たちの歯車がどう噛み合い動いて行くのか。そして、この物語は、王都大和のはずれの、小室村から始まる。
感想お待ちしています。コメントによって随時書き直すつもりです。