プロローグ
「まずは私からお礼を言わせてもらうわ。ありがとう」
「まぁいいさ。なかなか楽しめたし。一時はどうなることかと思ったけれど」
「本当にあなたには感謝しきれないわ。あなたのおかげで、この世界は救われたも同然よ。
だからあなたにはご褒美を用意しないといけないと思うの」
「ご褒美……あー前世の記憶がもうほとんど思い出せないから、自分が何を望んでいたのか覚えてないや」
「前世のあなたは常日頃から言ってたわ『俺は来世が美少女であることが確約されるまで死ねない』って」
「うわーなにそいつキモイ。……あーちょっと思い出した気がする。結局、美少女になる確約なしで死んじまったなぁ」
「大往生だったわよ。最後まであなたは美少女になりたいっていってたけれど」
「……もう思い出したくないからそれ以上はやめてくれ」
「あら、そう。まぁいいわ。ここからがご褒美なのだけど……」
そういうと、まるで転生もののテンプレートにあるような白い部屋で、これまたレンプレートにあるような女神さまは、息を吸い込みこう言った。
「あなたに美少女になってもらって、あなたが救ったこの世界を楽しんで来てほしいの」
「……美少女にするのは今世の方が良かったんじゃないかな」
僕のぼやきが言い終わるか終わらないかの瞬間、見慣れた白い部屋の床が開き、僕は問答無用で地面に落ちて行った。
「またこの展開かよ!」
それが僕の今世での本当の意味での最後の言葉だった。
初投稿みたいなもんです。よろしくお願いします。