ー嘘と事実ー (康祐の目線から)
ここから、グロテスクな表現が入ってきます。
それだけはご理解ください。
何が今起こっているのかわからないまま俺は前を向いた。
前にある舞台には白衣を来た男の人がいた。
おかしいとか、夢だとか思う前に後ろを向いた。
「か、母さん・・・」
母さんは無表情だった。
でも、無表情でもどこか悲しそうな顔だった。
「聞こえるかー桜田東小学校の6年生のみなさーん!」
すごく驚いた。
教頭先生でも校長先生でも学校の人でもない人の声・・・・。
周りはどこかおかしいように静かで、まるで一言もしゃべってはいけないような空気だった。
その誰かわからない声を出した人はすぐに分かった。
そう、舞台の上で白衣を着た男の人がマイクを握っていた。
「では、今からちょっとしたゲームをしまーす」
その男の人がしゃべりだした。
「オンラインゲーム!みんなは知ってるよね。今回はそれを使って鬼ごっこをする」
オンラインゲームを知らないわけじゃないがオンラインゲームを使って鬼ごっこをしたことはない。
「ゲームの世界で鬼ごっこだ!楽しそうだろ?」
周りのみんなもなにが起きてるのか理解していないみたいだ。
だからって動くと殺されそうな空気が漂っている。
「でもこの人数じゃ多すぎるし本気で戦ってもらわないと面白くないからちょっとルールを作った」
嫌な予感がする。だれも逃げ出そうとしないのが怖い。
「待てよ!なんで俺らは強制的に鬼ごっこをさせられなきゃいけないんだよ」
声を真っ先に挙げたのは4組の加藤雄二とかいうやつだった。
「ん?君は加藤君だね!マラソン大会5位の」
「そんなこと聞いてんじゃねぇよ」
「あー鬼ごっこの事?なんでするかっていう理由か~話してあげよう!
少し前、『TWELVE・鬼ごっこ 』っていうドラマがあったの知ってるかな?」
祐樹が言っていたドラマだ・・・・。
「そのドラマの視聴率が73%っていうすごい数字を出したんだよ。
で、子供の人数が多いこの世の中で!そのドラマと同じことをしたらどうなるだろうって
その話を作ったこの僕が考えたんだ!
それでいろんなところのいろんな学校の校長先生に連絡を取ったんだ
でも、ぜんぜんОKしてくれなくてねぇ~
で、中学に進んでからばらばらになる子が多いこの学校にしようと思った
それで、この学校の校長先生が邪魔だから殺しといたんだーあ、あのウザイ教頭も一緒に!」
頭に衝撃的な一言が響いた。
「そこから僕はこのことを事前に親に伝えた、君たちのね?
子供が助かる方法は大きく分けて2つ!このゲームで生き残るか、親が自殺する」
それは理由の説明のほかに生き残る方法の説明にもなっていた。
でも、俺は冷静にその話を聞くことはできなかった。
だって俺の親は、母さんは俺をほぼ見殺しにしようとしているのだから。
俺はそのドラマを見ていたからよく内容がわかる。
小さな小学校である日行われることになった鬼ごっこは命を懸けた殺し合いで鬼は本気で殺しに来る。
それから生徒たちはにげるんだけど、その鬼ごっこのとちゅうに生徒の一人から放送が入る。
それは生き残れるのはただ一人ということで、そこから生徒たちは混乱し最後には鬼ごっこを仕掛けた
1人の生徒以外全員死んでしまうという残酷な話しだ。
それをゲームでやろうとあいつは考えているのだ。
そして、俺の親はそのゲームに俺を・・・参加させようとしているのだ。
「で、まあ今回はゲームの中で鬼ごっこをしてもらうんだけど・・・その説明はゲームの中でしよう」
「おい、待てよ!俺はおまえらの命令に・・・」
『パァン』
「キャァー」
「嫌!」
「ざんねーん、黒田君みたいに純粋でいればよかったのにー皆川くん死んじゃった!」
俺は一瞬目を疑った。
3組の皆川が打たれたこと・・・。
それでも銃声はイジワルをするかのように頭の中に響く。
銃声とともに少し先の椅子と共に皆川がぶっ倒れる。
それと共に悲鳴が聞こえる。
「恭太!」
皆川のお母さんが見える。
もう俺の頭の中は事実を見ないように運転を停止する。
『パァン』
「うるさいなーほら、僕キレ症だからお母さんまで打っちゃったじゃないか!」
見知らぬ男の声が体育館に響くとともに、耳が壊れそうになるくらいの悲鳴が聞こえる。
もう、体の震えが止まらない。
何時殺されるかわからない・・・。
俺はそんな恐怖の中頭を抱えこんで膝に蹲った。
まだ、12歳だからか銃声とかあんまりダメですよね・・・。
アドバイスとかもらえればうれしいです。