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6年2組悲劇の終焉物語   作者: 真咲 カナリア
~第一の物語~
6/42

ー現実と幻日ー(宮本光の目線から) ~前篇~

この話もブログで編集前を紹介しています。

今回も長くなりそうですが、よろしくお願いします。


靴箱に行って靴を履きかえて教室へ行った。

りーちゃん・・・・・は、いた。

でも、声をかけるのが怖い。

今まで私はいろんな人に裏切られ、傷つけられてきた。

もしかしたら、被害妄想が強すぎるのかもしれない。

でも、それでも苦しかった。

怖かった。

だからこそ、

『もし、リーちゃんに仲直りできないって言われたらどうしよう』

って思って怖くなる。

怖い、本当に怖い。

りーちゃんのそばにいないと自分が自分でなくなってしまうような気がする。

もとに戻ってしまう気がする。

りーちゃんが私にかけてくれたまほうが解けて・・・・・。

もしそうなったらあの時のようなことをしようとするかもしれない。

なんてことを考えてどんどん怖くなっていく。


私がりーちゃんといたい理由は、りーちゃんを守りたいのもある。

けど、それ以上に自分のものにしたかった。

何時みても輝いているりーちゃんに一番近い存在になりたかった。

そばにいたら私も輝ける気がしたから。

4年生までの自分を変えてくれたりーちゃんと、いたい!


「っでも・・・・」


勇気が出ない。

テガミを渡そう、言えないから。

弱いから、やっぱり私は。


私は勇気を出して教室に入った。

それで、りーちゃんに声をかけた。


「りーちゃん!あの・・・これ!」

「なに?」


りーちゃんの声を聴いて怖くなった。

返事を聞くのが怖くなった。


「これ、お家に帰ってから読んで?」

「えっちょっと、待っ――――――」


テガミだけ押し付けて逃げてきてしまった。

聞こえないように耳をふさいで、現実から逃げて。

どうしよう。



「ひか?」

「ま、眞理子ちゃん!」

「どーしたの?こんなところで」


さすがに、階段の隅で何もせずに立っていたら変だろうな・・・。


「えっと、その・・・・」


言えない。


「?どうしたの?言ってよ~。」

「眞理子とひかちゃんじゃん!どうしたの?」


美希子ちゃんだ。

ヤバい、ぜったいバレるパターンだっ。

眞理子ちゃんと美希子ちゃんペアはこういうのが得意でっ――。


「いや、ひかがさ~なんでここにいるのか言ってくれなくて~」

「フフフ?ひかちゃん~なにがあったの?」

「ひぃぃぃぃい」

「言わないとコショコショの刑~」

「ちょっと、待ってっぇ~言いますー」


結局全部白状させられた・・・・。


「ふーん。ひかちゃんも大変だね~」

「もう、仲直りしないの?」

「えっと、うん~。わ、わかんない」

「私は中学違うけど、りほとひかちゃんは同じなんだから、仲直りしなきゃ、ね?」

「・・・・・」

「仲直りは大事だよ、ひか」

「・・・・だれかけんかしたの?」

「も、萌ちゃん?」


佐々木さんだ。テンション高いときはあまりないけど、いつもこんな感じとは言えない。

今日は顔色が悪そうだ。

どうしたんだろう・・・。


「い、いつからいたの?」

「ちょっと、前?から・・・」

「萌ちゃん今日ちょっと顔色悪いけど、どうかしたの?」

「えっ萌ちゃん、顔色悪い?」

「萌ちゃんの肌っていつもこの色じゃない?」

「・・・えっと」

「萌ちゃんはいつもこんな感じの色だけど、ちょっと薄いよ?今日」

「そうだっけ?」

「うーん」

「萌ちゃんどうしたの?」

「今日、ちょっと嫌な夢、見て」

「そっか、大丈夫?」

「・・・うん、大丈夫、元気、だよ?」

「さすが、ひか!すごい観察力~」

「?そうかな・・・」

「ううん、すごいよっ」

「私も、そう、思う」

「あ、ありがとう」


そういわれると結構照れる。


「そんなにいいとこいっぱいあるんだしりほもひかちゃんの事、許してくれたらいいのにね」


許してくれるわけがない。

私にいくらいい所があったって、自分のためにしか動けない私を、許してくれるわけがない。


「ひか?」

「えっ、あ、ごめん?!」

「りほちゃんの、事?」

「え・・・・うん、まあね」

「けんかしたのってりほとひかなんだよね」

「そーそー」

「そう、なんだ」

「佐々木、宮本、慶長、北村、そこでなにしてんだよ」


気が付くと美希子ちゃんの後ろ蒼樹がいた。

蒼樹とは3年のときと4年の時、同じクラスだったけ?


「蒼樹?」

「それ、宮本を3人でいじめてるみたいに見える」

「へっ?」

「いじめてないよ!」


りーちゃん、怒ってるかな・・・。

怒ってるよね、絶対。

押しつけて出てきちゃったし。

ど、どうしよう。

りーちゃん・・・。


なんか今になってちょっともうなんか・・・わかんないよ・・・・。


「宮本?」

「?」

「ひかちゃん!なんで泣いてるの?」

「泣いて?」




気づいたら目からすごい量の涙が流れてて、

その涙はすごくしょっぱくて・・・。

なんか、心が苦しくて・・・りーちゃんがいない、ただそれだけがすごくすごく心にあって・・・。

りーちゃん、私は助けてもらってばっかりだよ。

私ばっかり・・・・・・・。


「光ちゃん、りーちゃんの事、でしょ?」

「へへへ・・・ち、違うよ!嘘泣きっ嘘泣き」


私の下手な言い訳がまだ静かな階段に響いた。


「・・・嘘つき、光ちゃん、嘘つきだよ。そんなに、私・・・頼り、ない?」

「ひか、なんでりーちゃんにそんなに思い入れするの?」

「そうだよ、ひかちゃん!なんでりほなんかに―――」




『りほなんかに』?

その言葉だけが心に残って・・・




私は気が付いたら美希子ちゃんを殴っていた。




「美希子ちゃん!」

「光、ちゃん?」

「りーちゃんは、ひかの宝物・・・命・・・!『なんか』なんて言わないで!」

「たかがなんかって言っただけでなにすんのよ!」

「殴った、だけだよ?」

「チッ」


蒼樹の舌打ちとかみんなの声とか全く聞こえなかった。


「美希子ちゃん?これ以上、りーちゃんを侮辱すると・・・殺すよ?」

「ひかっ」

「宮本!やめろ!!」

「離してよ!りーちゃんを侮辱したんだよ!やっつけなきゃ!りーちゃんを守らなきゃ!」


蒼樹に腕をつかまれても気持ちは抑えきれなかった。


「光、ちゃん・・・・」






その時の私はどうかしてた・・・のだと思う。

友達を殴る、いや・・・・・殺そうとするなんて。


気づいたら、蒼樹に違うとこに連れてかれててやっと落ち着いた時にはもう

朝の休み時間はあと3分くらいしかなかった―――。

誤字とかあったら・・・すいません!

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