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6年2組悲劇の終焉物語   作者: 真咲 カナリア
~第一の物語~
42/42

ー最後と最後ー (宮本光の目線から) ~中編~


ボールを投げる、とる、投げる、とるの繰り返しで私の行動はほぼ成り立っていた。

ゲームだとは考えきれない今私が存在している世界では一方的なドッチボールが続いている。

微かに香る血の匂い。周囲の絶望と逃避の目・・・無表情。

一体あの男はなぜ私たちにこんなことをさせようとしたのだろう。


そんなことを考えながら私はまたボールを投げた。


「っくっそ、なんであんたはそんなに強いんだよ」


敵となった1組の声が聞こえた。

強くなんてない。私は、強くなんてない。りーちゃんがいるから強いだけ。

りーちゃんがいなかったらきっと、きっとただのクズ。

いいや、もしかしたらそれ以下かもしれない。


「この化物っ俺らだって死にたくないんだよ、まけてたまるかっ」


死にたくない、そう?

私も、死ぬのが怖い人間だった・・・。だから、死にたくても自殺できなかった。

階段から突き落とされても死なない自分を何度呪っただろう・・・。


化け物なのはあなたたちもでしょ?


そう言いたくなる。人に死ね死ね言っておいて自分は死ぬのが怖い。

頭の狂った化け物でしかない。私もあなたも・・・。


でも・・・生きてたら、幸せなのかな?

幸せってなんだろう・・・・。


私にとって、死というものこそが幸せなのかもしれないな。


白い白い空間に赤い赤いモノをみながら私はひそかに思った。


”幸せってなんですか?”


きっと、死んでもこの答えはでないのだろう。

だって私は、たとえりーちゃんといても楽しいとは思っても・・・・

幸せだと思ったことなど1度もないのだから。




「ッチ宮本をつぶせないんなら・・・・」


そんな中1組からそんな声が聞こえた。


私はただならぬものを感じて一気に集中力を高めていく。

だれを、狙うのだろう?


そう思って考えているとかなりの速さのボールがみきこちゃんの所へ飛んで行った。


予想外の展開に私は瞬時にみきこちゃんのいる後ろを見る。


「ひかだけが、つらい思いしなくていいから。私も戦うよ?」


そんな声が聞こえた。少し震えが入っているものの力強い声。知ってる声。

あれ・・・これは空耳?幻聴?


「今は普通のドッチだと思ったら?

 ひか・・・私もりーちゃんもまりこもみんな、何時ものひかが好きだよ?

 もちろん、今のひかもひかだしキライじゃない・・・

 でもね、ひかの目はひかの名前みたいにもっと輝いてたはずだよ?

 こんなときに輝いてるのもおかしいけど私はいつものひかが好きだなっ」


不器用だけど、自分の意見をはっきり言う聞きなれた私をいつもきれいにするやわらかい声。

この声は・・・・。


「そーだよ、無理しちゃだめだよ・・・みんなで帰ろうっ」


心から思ったことを口にする、声。この声も・・・。


「おっしゃーここは勝って勝って、そっから1組も俺らも3組も4組も5組もみんなで帰ろうぜ」

「そーだな、ここはどの組が代表で戦いにでるかの予選だ」


空気が少しずつ和らいでいく。

あれ?ここは今は・・・殺し合いをしてるんだよ?


「うん、私も、いいと、思うなっ」


ゆっくりしていて人のことを想える思いやりのある声。この声も・・・知ってる。


「ちょっと待てよ、もし俺らが負けて仮に2組が最後に残っても失敗したら全員終わりじゃねーか」

「私たち、そんなの納得できない」


納得するわけのない1組の反論の声までもが少し明るくなっている。


「絶対、また、帰れるって、約束、する、私も、がんばる」


なんで?なんで?

私は、戦うことしかできなかったのに・・・それにみんな初めは殺し合ってたのに。


りーちゃんの手が優しく私の肩に触れる。


え・・・もういいの?


私は・・・・なんで?


りーちゃんは私にだけ聞こえる、そんな声の大きさで私に囁いた。


「もう、1人で傷つかないでいいんだよ?」


私の頭はまだその言葉を本当に受け入れようとしない。


ねえ、りーちゃん。


私はもう、あなたの本当の優しさに触れてもいいですか?




やっと更新できました。遅くなり申し訳ございません。


これからもよろしくお願いします。

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