ー前菜の味-(宮本光の目線から)
5回目の投稿になりました。
ここまで来たのもみなさんのおかげです。
ありがとうございます。
引き続きがんばって更新するのでよろしくお願いします☆
※これも編集前を私のブログで紹介しています。
卒業式当日
「6時30分か」
今日こそは仲直りしなきゃっ。
いつも笑ってくれたりーちゃんの顔が目に浮かぶ・・・。
私、宮本光は1週間ほど前からりーちゃんとけんかしている。
私が悪いんだけど、でも言えなかった。
りーちゃんに助けてもらって今ここにいるくせに、私は・・・。
けんかは私が調子に乗ったから起こった。
りーちゃんがいなかったらあのままだったのに人ってホントに強欲だ。
もっともっとほしいと思う・・・。
りーちゃんさえいてくれたらそれでよかったのに・・・・。
「あーあ・・・」
どうしようか。今日こそは、どうにかしないと。
「仲直り、仲直りぃ」
りーちゃんはやっぱり怒ってるだろーなー。
ごめんって言わなきゃなぁ。
でもなぁ、仲直りできなかったらどうしよう。
『嫌い、近づかないで』とか言われたら・・・。
嫌だ!!!!
でもこのままも嫌だ・・・。
気づいたらもう10分も時間がたっていた。
あーやっぱり解決しない。どうしよう。
うーん。
私に初めて「大丈夫?」と声をかけてくれたのはりーちゃんだった。
その時、私は「守るんだ」って決めたんだ。
けど――。
「実行できてないじゃん」
そうだ、実行できてない。
でもりーちゃんといたい。ずっと。
大学だって高校だってぜんぶついていきたい。ストーカーみたいだけど。
でも、それは迷惑なのかもしれない。
「でも」
仲直りしたい。
仲直りだけはしたいから・・・・。りーちゃんに『ごめん』っていうんだ。
「よしっ仲直りするぞっ」
仲直りしてアルバムにサインもらってー。
一緒に笑って帰るんだ。
・・・・でも怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・。
『嫌い』その一言が聞きたくない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・。
そうやっておびえるあの時の私がまだ心の中にいる。
弱い私なんか嫌い。
りーちゃんのことを思えない私なんかいらない。
私は強いんだ。
大切なもの、今度こそ守って見せる!!
そんなことを考えつつ、朝食をとって服を着替えて歯磨きをして・・・準備をした。
今日は卒業式なんかよりりーちゃんに謝るほうが先だ。
『ごめん』って言いなさい、私!!!
「いってらっしゃい」
意味もなく広すぎる玄関でお母様の声が聞こえる。
「いってきます、お母様」
私はそう返事をして玄関のドアを開けた。
外に出るとりーちゃんが見えた。
すごく遠いとこ・・・。
信号が青色に変わるのを待っていた。
その距離に今の私とりーちゃんとの距離が現れているような気がして全速力で走った。
一歩一歩がとっても遅く感じた。
けどっ仲直りしたくて。
今日はテガミをもってきた。りーちゃんに渡すために。
やっぱり弱い私がいるから・・・・。
テガミくらい渡さなきゃ。
「仲直りしなきゃ」
りーちゃんのためなら時速20キロで・・・・。
・・・・・・・・
信号が変わるほうが早かった。
「あ・・・」
失敗・・・・・・・・・。
信号に敗れたりー。
なんて・・・はぁ・・・。
気づいたら学校の前まで来ていた。
ボーっとして歩いてたからかここまでの記憶が曖昧だ。
けっきょくりーちゃんには追いつけなかった。
「ハァ」
仲直りできるかな?
・・・できるかなじゃない、するんだ!!!
誤字、おかしい所ありましたらよろしくお願いします((←まだ中学1年生