ー当てると殺すー(宮本光の目線から) ~後編~
「ねえ、早く死んでよ」
小さくつぶやいた自分の言葉が鼓膜を叩く。
その言葉は胸をも振るわせる。
私の投げたボールは1組のコートへと飛んでいく。
相沢がそのボールを避ける。
後ろの誰かがそれを拾う。
「おっと、みーたんはそう簡単にやられないよ」
その”人”はそういった。
そんな流れすべてがただのドラマのようで、わからなくなる。
「私もそう簡単に殺せないよ?背は低いけど舐めないでね?」
そいつの声はまた私に届く。
そいつは私の方にボールを投げた。
難なく私はキャッチする。
「私に投げ返してくるの?いいよ?投げてきなよっ」
冷たい私の心に熱い言葉が伝わる。
自分の意思で行動して言葉を発し・・・・そんな熱い何か。
「邪魔・・・」
そんなの邪魔だ。
そうだ、いらない・・・必要ない。
そのはずなのに。
戻りたいと思うのはなぜ?
本当の自分に戻りたいと思うのはなぜ?
誰か教えてよ、答えてよ。
周りの声が鼓膜に伝わらなくなって。
自分の声も心に伝わらなくなって。
孤独を感じる。
1人は嫌だ、嫌なのにっ。
考えるな、考えるな。
『ズドンッ』
私の手は勝手にボールを投げていてそれは相沢に直撃していた。
赤い何かが見える。紅い何かが・・・。
それとともに悲鳴が響く。
雑音が響く。
「み、みーたん!!!!」
哀鳴が響く。
それでも紅い赤い何かは流れる。
倒れた相沢から・・・・。
「血・・・」
近くから声が聞こえる。
「み、みくっ」
「相沢っ」
「みーたん、みーたんっ」
血が他の子の服につく。
「ボール1つでここまでできるんだっすっごーい、さすが欠けた人形だね」
あの男の声が突然響く。
”欠けた人形”というその言葉がはっきりと心に残る。
欠けた・・・か。
もう、何もわからない私はやっぱり欠けているんだな。
でもね?私は、欠けてても人形でもある1つのことができたらそれでいい。
”りーちゃん”を守れたら、やっぱりそれだけでいい。
「ん?僕の出番が少ないけど・・・・どうなってるのかな?、作者さん?」
・・・す、すいません。




