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6年2組悲劇の終焉物語   作者: 真咲 カナリア
~第一の物語~
30/42

ーみんなと自分ー(康祐の目線から) ~後編~


「な、嘘だろ・・・」


俺は驚きのあまり声を発してしまった。


一組の外野にはまったくコートに入ろうとしない奴がいたのだ。

ありえなかった、わからなかった。

なぜコートに入らない?


「お、おいコートに入れよ!北沢、井口、篠浪、竹鷹!」

「死にたいのか?」

「麻子?どうしたのっなんで、なんで入らないの」

「誰も殺したくないもん!」

「死にたくないのぉ!」

「っく、なにいってんだ、俺らも死ぬことになるんだぞ」


1組がもめている。


「け、慶斗、1組見ろ」


俺は慶斗のところまで駆け寄って言った。


「ど、どうしたんだよ康祐!」


近くにいた裕也が声をかけてくる。


「1組見ろ」


俺は驚きのあまり正気を保てなくなっていた。


コートの中の俺の周りに冷たく嘘の風が吹く。

一組を見た、2人は唖然としている。


「まだ、殺したくないとか考えているんだろ」

「俺も殺したくなんかねーよ」

「・・・・」


殺したくない、か俺も同じだよ。

殺したいなんて思ってない。


殺したいわけがない。

でも、それを上回るくらい死にたくないんだ。

恐怖を感じてならないんだ。


「俺らを殺すきかよ!」

「ち、ちがうもん・・・・だって殺し合いなんてしたくないもん」


1組はまだもめている。


「あと2分」


あの男の声は見下すように冷たく聞こえた。


自分が生きるために人を犠牲にするのは・・・人の本能なのか?

犠牲にするのは、いけないことなのか?


わからなくなっていく。



夢で見た世界は争いも苦痛もなかった。

けれど現実は平和とはかけ離れていて常にどこかで悲劇が起こっている。



なにが正しいのかわからなくなっておかしなことを俺の頭は考えている。


もめ続ける1組のことを思う気持ちはまったくといって無かった。

俺は弱いんだ、自分のことしか考えられない。


俺は・・・。


「康祐!」

「わりぃボーっとしてた」


なにをしてるんだろ、俺。


「一組は?」


俺は冷静さを取り戻して質問した。

自分で見ていてはまた冷静さを失うと感じたからだ。


「今、強制的に外野にいた奴をコートに入れた」

「俺もう、見てられないよ」


ああ、自分の命のために人の意思を捻じ曲げた。

なんて残酷な人の性だ。


みんなの命と自分の命、どちらをとるかと聞かれたら

きっと1組の外野にいた奴と宮本以外はきっと自分を真っ先に取るんだろう。

きっと俺も・・・。


自分のために行動できない宮本や善悪の判断が狂ってない奴は

みんなの命と自分の意思と自分の命すべてを守ろうとするんだろうな・・・。



いや、ある意味宮本だけか?


「あと60秒」


カウントダウンが響く中俺は自分の、人の性に絶望するしかなかった。

30回目の更新になりました。

いつもありがとうございます。

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