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6年2組悲劇の終焉物語   作者: 真咲 カナリア
~第一の物語~
24/42

ー予選とドッチボールー(宮本光の目線から)


「えっと、このゲームで生き残れるのはわかってると思うけどー1人だからねぇー」


1人、その数字が私の心を突き刺す。

りーちゃんが生き残ったら私が生き残るってことはないということ。

・・・なのだ。


「でも、さすがにこの人数を1人に絞るのってすっごく時間がかかると思ったからはじめに来た人に

 言っといたように、予選をしまーす」

「よ、予選・・・?」


予選、殺し合いの予選なのだろう。

勝たなきゃ、なんとしても。


私は正直体育は苦手だ。

運動だってできないといっても過言ではない。


でも、りーちゃんを守らなきゃ。

勇気があって誰にでも優しくて綺麗なりーちゃんを守らなきゃ。


「りーちゃん、私がりーちゃんを守るから」


自分にも誓うように小さく震えるりーちゃんに声をかけた。


「そう、予選デース」

「っく、私たちをどうするつもりなの!」

「?実験に使うだけだけど・・・・殺し合いをさせるつもりってことねっ」


実験、りーちゃんを実験に使うのか?

許せない、こんなやつを野放しにしておいてりーちゃんは大丈夫なんだろうか。


だって、りーちゃんが生き残っても私はその隣にはいないのだから。


「どうやって予選をする気だ?」

「蒼樹くんだね?2組の!冷静だねー」

「教えてくれないか?」

「はーいはい!予選の方法、うーんドッチボールだよ?」

「・・・ドッチボール」


ドッチボール・・・。


私の中には卒業式の前の少しやわらかい気持ちはかけらもなかった。

人が変わってしまったように、私の心は変わった。


恐れることはない、のに。

死ぬのが怖いと思うのはなぜなのだろう。

人間の本能なのだろうか。


「うん、ドッチボールだよぉ?」

「嫌だ!友達と殺し合いなんて狂ってるよぉ!」


ホントに狂っている、私もこの男も。


佳織(かおり)落ち着いて!」

志保(しほ)、佳織!冷静になろ?」

「はーい静かにしてね、僕の気は長くないんだから」


一瞬にして静まり返る周囲に異様な感覚を覚える。

気は長くない、か。

私もそうなのかもれない。


「ドッチボールっていうのわかるよね!当たったら、外に出るでしょ?」

「・・・」

「だから、最初から出てる2人以外にいる人はその時点で死んでるって感じ?

 でも、クラスで戦うからー最終的に負けたクラスは負け!即死ね!」


即死・・・・。

負けたら即死。私の中にその言葉が響く。


「う、うそ・・・」


私だって嘘だと思いたい。

いや、嘘だと願っている。


でも、本当なのだ。


「いや!死にたくない!」


死にたい人なんていないだろう。

まあ、昔の私は死にたかったけれど。


「で、当てられて外に出てからもし中の人を当てても中には戻れませーん

 長いのはキライだからね僕・・・」

「じゃあ、どうすりゃいいんだよ!」

「でも、先にコートの中の人がいなくなったほうが負けだから、どんどん当ててね!」

「ど、どっちのクラスも生き残るということはないんですか?」

「そーだね、どっちのクラスも死ぬって事もあったりするけどそれはないね」

「そんな・・・」

「おい!お前、出てこいよ・・・今ここにいない奴はどうなったんだよ?」

沙耶(さや)はどこなの?」

「うーん、もうゲームオーバーしたから帰ってこないなーごめんねっ」

「嘘・・・さ、沙耶」

「拓也っ」


話は淡々と進められていく。


私の頭にはゲームオーバーという文字が張り付いてはなれない。

ゲームオーバーといったらゲームを想像するかもしれないけれど、ここではゲームオーバーは死なのだ。


「はーい落ち込んでないで!落ち込んでたら死んじゃうよ?」

「な・・・」

「平気でいられるわけ――――」

「黙れっお前までいなくなる気かよ!」

「じゃーまた後でね?準備するまで待っててねー、ドッチボール楽しみにしててねー」

「なっくそっ」

「沙耶っ」

御嵩(みたけ)っ」

「で、出てこいよっ皆川を帰せ!」

「っく・・・」


男の声は途絶えた。


「ね、協力して何もしなかったどう?」

「無理だろ、気が長くないって自分で言う奴だ・・・」

「そっか・・・・」

「また、一緒に遊びたいな」

「元になんてそう簡単にもどりゃしねーよ」


そう、元になんて簡単には戻れない。

どんなにがんばっても変えられない。

帰られない、返られない・・・・。


絶対に、無理なんだ。




24回目の更新となりました。

ご覧頂きありがとうございます。


これからも、がんばりますのでよろしくお願いします。


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