ー無意識と意識ー(康祐の目線から)
「康祐、裕也・・・俺らはもう2度と一緒に遊んだりゲームしたりできねーかもしれない
でも、俺はお前らが好きだよ」
「死ぬって決まったわけじゃねえのにそんなこと言うなよ」
「慶斗、康祐、もしキセキが起こってここから抜け出したらまた、また遊ぼうな」
俺が慶斗に反論すると同時に裕也は泣きながら笑ってそういった。
俺は情けないと思った。
その時だった。
「ひか!ひかぁ!」
慶永の声が聞こえて俺たちは無意識のうちに声が聞こえたところに走っていた。
「慶永、宮本はいつ来た?」
「わかんないよぉ・・・」
目を閉じた宮本の顔が映る。
「とにかくこいつは武田とかと違った原因で意識を失ってる」
「どうゆうことなの!」
「3で割れる人数の時だけ空間の設定かなんかが崩れるんだろーな、激しい痛みが体を襲うんだ」
慶永は涙目で、裕也は呆然としてて、慶斗はおかしいくらいに冷静だった。
俺は頭の中が真っ白で何も考えられなくて呆然と立ち尽くしていた。
「田淵・・・」
俺は宮本の行動を思い出した。
宮本は田淵をかばって腕を打たれたのだとしたら?
もしかしたら・・・・。
「田淵いる?」
俺は近くにいて泣いていた北村に問いかけた。
「りほ?今さっき来た、ところだから・・・あっちにいると思う」
俺はその言葉を聞いて田淵を探しに行った。
早くしないと宮本は死ぬ、と思った。直感だった。
「康祐!」
急に慶斗の声が聞こえた。
「田淵のところへ行くんだろ?急げ!」
慶斗も気づいたのかわからないけれど俺は急いで探した。
・・・そして見つけた。
泣き崩れている田淵を・・・。
「田淵!宮本がヤバいんだ早く来い!」
泣いていた田淵ははっと顔を上げた。
「ひか?ひかは・・・」
「とにかく来い!」
「・・・私が行っても何もできない。だから―――」
「お前がいないとあいつは死ぬんだよ!」
「でも・・・」
「来い!、お前が戸惑ってる暇はない!」
俺は自分が何を言っているのかさっぱりわからなかった。
ただ、宮本を死なせたくなくて。
あいつの人生を真っ暗の中で終わらせたくなくて、必死だった。
俺は無我夢中で田淵の腕を引っ張って宮本の所へと急いだ。
「慶斗!連れてきた」
俺は夢中で叫んだ。
「ひか?」
田淵は小さく孤独に包まれた瞳を見てまた泣き出した。
慶永はそんな田淵をにらんだ。
「ひかを散々苦しめたくせによくここに来られたよね」
その時宮本の手が動き慶永をたたいた。
俺は驚いた。
自分が死ぬかもしれなくて、意識もなくて・・・。
そんなときに行動をとれるのか?
ありえなかった。
「痛いぃ!」
慶永は片方のほっぺたを手で撫でる。
田淵は唖然と宮本の方を見ていた。
「ひか・・・」
田淵の目にはまた大量の涙があふれる。
「ひか、起きて!起きてよ!起きて!ひか!」
田淵の泣き叫ぶ声が響いていく。
田淵が泣いている。
叫んでいる・・・・。
そんな時宮本は小さく目を開けて、田淵の頭を撫でた。
「だ、いじょうぶ?け、がしてな、い?りーちゃ、ん」
宮本は声なんて到底出せそうもない状態で声を押し出していた。
「宮本、しゃべんな」
慶斗の声が少し小さめに響く。
「ひか、寝ててね」
そう田淵が言うとそれにこたえるかのように宮本は目を閉じた。
俺はそれを見てすごいなあと思った。
心から・・・・。
田淵の目からこぼれる涙と、それを心配し田淵の涙を拭こうとする宮本と
それを見てどこか悔しそうに、それでも嬉しそうにほっぺたを撫でる慶永と
安心したかのように天井を見上げる慶斗と
満足そうに笑う裕也を見て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺はまたこいつらと過ごしたいと心から思った。




