ー1人と2人ー(康祐の目線から)
「俺、どうすればいいんだよ」
裕也の絶望しきった声が響く。
裕也は・・・俺の過去を知っている。
裕也は、俺の・・・過去を知っている。
見ている。視ている。観ている。
見ていた。視ていた。観ていた。
俺はどうすればいい?
どうしたらいい?
死んだらいい?
はじめて1人という文字に怒りを覚えた。
悲しみを覚えた。
辛さと冷たさと孤独を感じた。
1人は悲しい。
哀しい・・・・。
さびしい。
そんな時一人のクラスメイトの顔が浮かんだ。
わかった、あいつが強いわけ。
あいつが強がっている訳。
理由・・・・。
辛くて悲しくてさびしくて悔しくて冷たくて欠けていて孤独で小さくて
それでも、がんばって大きくて強くて明るくなろうとする。
それでも、心の隙間は埋まらない。
あいつのノートの隅に書いてあった言葉の理由が今になって理解できた。
1人は2人と天と地の差があって。
どうにもならなくて・・・。
それでもあがいて・・・。
なあ、おまえならこういう時どうするんだよ。
小さくうずくまって泣いていたあいつの姿を見たときに俺は何もできなかった。
なあ、お前ならどうするんだよ・・・。
哀しそうに笑うあいつの顔が浮かんで消えていった。