ー通常と異常ー(康祐の目線から)
「うーん、今思ったけど人数多いね~」
舞台の上の白衣の男は何事もなかったように平然としている。
でも、確かに2度の銃声がし・・・皆川とその親が打たれた。それは間違いなく事実だ。
目の前で人が死ぬというのはすごい影響を及ぼすのだろう。周りの子のほとんどが座って震えて――――
そのとき俺は目を疑った。
みんなが座っておびえているときに1人立っていた。
おかしい、狂っている。自分の席からはだれが立っているのかはよくわからないけど女子だ。
同じクラスだ。
怖くないのだろうか、この状況が。
この状況で立っているなんて普通じゃない。普通じゃなさすぎる。
だれだ・・・。誰なんだ立っているのは。
殺されたいのか?なんで座らないんだ、なんで・・・。
「ん?宮本さんだっけ?なんで座らない?」
舞台の男はその女子に気付いた。
そして俺もその子の正体を知った。
宮本?あの元いじめられっこの?
ありえない、弱くて泣き虫なあいつがなんで立ってるんだ。
「あなたこそ人を簡単に殺して、罪悪感を感じないんですか?」
「ん?僕?感じないよ?」
「そうですか、頭が狂ってますね」
「君こそなんで座らない?」
宮本が舞台の男と平然と話している。
夢だ、夢だと思いたくなるくらいおかしい。
その宮本の声は冷たく棘があるような感じだ。
人を完全に見下している。
「私ですか?なんでって守るためですよ希望を」
「希望・・・僕には視えないなァ」
「あたりまえです。私だけの希望です」
「それは君の後ろの田淵さんだね?知ってるよ、君は興味深いからいろいろ調べさせてもらったんだ!」
「・・・・」
「まあそれはまた~ゲームの中で話すことがあるのなら話そう!」
「・・・・」
「でも、座らないのは悪いことだと思うな~。」
『パァン』
直後聞こえた銃声に俺は目と耳をふさぐことしかなかった。




