第4話:秘密
自分の命を救ってくれたハヤブサに私はまだ「秘密」を話していない。私は飛べない天使なんだと、まだ言い出せない。話たら、ハヤブサは私を嫌いになってしまうだろうか。
「なぁ。…俺の島に遊びに来ない?10分も飛べば着くしさ!すごくいい島なんだ。」
何度かそう誘われました。私はその度に笑いながら答えました。
「いいよ。ハヤブサだから飛べば10分であっても、普通20分くらいかかるし。」
そっか。私がそう断るとハヤブサはたいていそう言って無理やりに笑みを作るんです。
ハヤブサがまだ私が飛べないという事を知らないときのことです。私は必死に飛べないことを隠し通しました。
たいてい、私とハヤブサは海岸で会っていました。その日も海岸で世間話をしていました。
「知ってるか?俺の島の隣にあるミカエル島でさっ今度祭りをするんだって!年に1度の大きな祭りなんだ!」
ハヤブサはたぶんミカエル島があると思われる方角を見ながら言いました。
「…ごめん。私…。」ハヤブサの顔を直視できなくて、足元の砂を見ながら聞きました。
「…べっ別にいいさ。この島でだって祭りはするんだし。」ハヤブサが私を気遣って言っているのがわかったから、余計に申し訳なくて。
「それよりさ。最近は物騒な世の中だから気をつけろよ!天使狩りとかいうやつ等もいるらしいし。」
ハヤブサは話題を変えて、明るい雰囲気に戻そうとしました。
…こんなに優しくて、とても速く飛べる…私の憧れの人。好きな人。秘密になんかしていたくない。
それが原因で喧嘩したりなんてことには…なりたくない。……ハヤブサ、私は飛ぶことが出来ない天使なの。
出かかった言葉を無理やりに飲み込みました。そんな私を諭すように、ハヤブサは言いました。
「言いたくないなら…言わなくてもいいさ。俺はお前のすべてを知りたいわけじゃないし。俺だってお前にすべてを話しているわけじゃないんだから。」
ハヤブサにとっては言い慣れていないことだったみたいで、戸惑いながら、慎重に言葉を選んでいるのが伝わってきました。
「…あのね。」ハヤブサがそんな風に私を庇うから、今まで絶対に秘密にしようと考えていたことさえ話す気になってしまうんだ。
「ずっと…ずっと秘密にしてたんだけど。」私がそう言うと、ハヤブサは「うん。」と一言だけ言いました。
「私…私ね。…飛べないの!どんなに翼を広げようとしても、広がらないの。
だから…飛べないから、みんな私をっ落ちこぼれだって」まだ話し続けようとした私ですが、ハヤブサに止められました。
「もう、いいよ。わかったから。…もういいよ。」信じられないことに、ハヤブサは私を抱きしめました。
「俺はお前に辛い思いなんてして欲しくないんだ。…過去なんていいよ。ただそばに居てくれるだけでいい。」
なんでハヤブサにはわかるんだろう。私が今なんていう言葉が欲しいのか、なんでわかるんだろう。
ハヤブサ…大好きだよ。ハヤブサは?私はただの友達?私は、ハヤブサが好きだ。
私は秘密を話してしまった。ばれてしまった。…話してよかった。ハヤブサは私のことを軽蔑しなかった。
ハヤブサはそんな人じゃないってどうして信じられなかったんだろう。
私の中のわだかまりも消えてしばらく平和な日々が過ぎていった。…でも。
ハヤブサ。ごめんね。私のせいだ。…挫けないで。しっかり。しっかりと歩いて。
今まで以上にわけのわからない内容になってしまいました。アドバイスでもいいので、コメントがありましたらお願いします。




