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亡国の皇女は、無能になる  作者: 藤原龍斗
1/2

皇女

「お父様っ」


私の声は衛兵によって遮られた。


「エレノア様、御下がり下さい」


近衛騎士のサローワが、私を玉座の間より


連れ出した。


「サローワ!、お父様の所へ戻りなさい。」


サローワは唇を噛みしめながら


首をふり、城の廻廊を皇女と進んで行く


「サローワ!、今すぐ離しなさい。」


それでも、サローワは皇女を離さず


城の門の外へ皇女を連れ出した。


「エレノア様、南のハグマレスト王国へ


お逃げ下さい。馬車は此れに用意しております。」


そう言い、護衛の従者に引き渡した。


「サローワ、私は逃げません」


サローワの表情は、悔しさと悲しさと


皇女への想いでなんとも言えない。


「エレノア様、どうか息災で。」


そう、言い残したサローワは


城の中に消えて行った。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


エレノアが馬車にゆられハグマレスト王国に


着いたのは城を出て3週間たっていた


「エレノア様、もうすぐハグマレスト王国の


サレマの町に着きます」


エレノアが皇都を出る時、付き従った


護衛騎士のカイバスが言ってきた


「わかりました。」


短く返事を返し、続けて


「貴方達は、ここまででよろしいです」


エレノアに付いてきたカイバス達は


驚きの顔をした


「エレノア様!」


おもわず声をあげてしまった、カイバスが


続けて何か言おうとして時


エレノアが手をあげて遮った


「カイバス、私は、もう皇女ではありません。


これからは、この国の民として生きるのですから」


なにか決意したような表情で


エレノアはサレマの町の入り口に向かって


歩き始めた。


カイバスはうつむき


その場に留まっていた。


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