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原初の悪魔〜異世界復讐譚〜  作者: いなさと
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第二話 破滅


「な、何だお前は!」


「私はただのしがない悪魔ですよ」


「あ、悪魔だと…?そんなもの聞いたことないぞ!我々を侮辱するのも大概にしろ!」


「貴方方は実の妹を殺そうとした訳ですが…もちろん自分達が殺される覚悟もできておりますよね?」


「ひっ…く、来るなァァ!がぁッ…」


「黙れ、ゴミが」


首を掴み問答無用で力を加えていく。


「か…く…苦し……」


そして最後には喉元を握りつぶした。


「一人目、次はどなたでしょう」


「「ひっ…」」


俺はもう一人の兄の前に行き、顔を覗き込む。


「人を殺そうとしたのに自分が殺されそうになったらこれですか。何とも情けないですね…何でも自分の思い通りにいくと思うなよ…?」


そいつは頭を握りつぶして殺した。


「最後は貴方ですね」


「い、嫌…」


「貴方は同じ女でしょう?何も思わなかったのですか?まぁ何も思わなかったから殺そうとしたんでしょうね。何ともつまらない。私利私欲で人を殺そうとするなんて悪魔である私が地獄を見せてあげましょう」


俺は女の両足を切断した。


「ぎぃやァァァァァァッッ!!!!」


「煩い」


「うがぁッ…」


「さ、アリスさん、最後に何か伝えたい事はありますか?」


「さようなら、お姉様」


「ぁ……」


最後に女の首が宙を舞い、俺の仕事は終わった。

そして俺は代償を払ってもらうべくアリスに話しかける。


「終わったが何をくれるんだ?」


「ふふ、口調が戻りましたね」


「一応王族だから使ったがもう使わんだろ」


「なるほど…私も王族なんですけど?」


「はぁ…今更敬語を使えと?」


「ふふ、冗談です。それで代償だけど、私をあげます」


「は?」


「不満ですか?私こう見えてもモテモテなんですけど…」


「自分で言うか?それ」


「事実なので…」


「ククク…いいだろう。俺は代償としてお前をもらう。これは悪魔との契約だ、一生呪いとして纏わりつくぞ?」


「望むところです!」


契約は成立し、アリスの体に悪魔の奴隷紋が浮かび上がる。

初めて原初の悪魔に眷属が出来た瞬間だった。


「この奴隷紋はアリスが死んだ時、悪魔として生まれ変わる呪いもかけられている。俺は死んでもお前をもらうからな」


「ふふ、告白ですか?貴方は意外と大胆なんですね」


「アランだ。それに告白とか生ぬるい事ではない。これはお願いじゃない。命令だ」


「アラン様は強欲なんですね」


「クハハハ…強欲かもな」


俺はしばらくアリスと話した後、魔界に帰った。



――***――



「よぅ、アラン。派手にやったみたいじゃないか」


「ルシフェルか、まぁな。初めてにしてはなかなかいい感じだったと思うが」


「あぁ、そうだな、ありゃ最高だった」


「それで、俺は思ったんだ、人界に行くのも悪くないなって。しばらく人界に行くことになるかも知れん」


「おぉ、そうか。そんなに気に入ったか」


「ククク…あぁ、実にいいところだった」


直ぐに王子達が殺されたことは街中に広がり、国民を騒がせた。

そして、悪魔が殺したと言う噂を出て来ていた。


それは王都どころかルイン王国全土に広がった。

アリスだけが生き残った事もあり第二王女が召喚したんじゃないかとも言われている。


あれからアリスはちょくちょく俺を召喚するようになっていた。

何でも唯一の話し相手らしく、何でも話してくれる。


前世の俺からしてもそれは有難い事だった。

だからアリスの信用が落ちてきていることが気がかりだった。


悪魔は古代の本に記されてはいるが今まで確認できた事はなかった。

そして、悪魔召喚は禁忌とされていたのだ。


それをアリスが行ったと言う噂が流れればそうなるのは必然だが、事情を知っている身からすると悪意はない事はわかる。

本人もそれに気づいているだろう。 


今は何も起こってはいないがこれからはそうとは限らない。

俺もいつの間にかアリスに情が移っていた。


「いつでも呼んでくれよ?」


「ふふ、アラン様は優しいのですね」


「そっか…」


「アラン様?」


「いや、何でもない。それよりしばらく人界にいることにした。だから仕事でも探そうと思うんだが手頃で稼げる職業なんかあったりしないか?」


「稼げる職業だと、冒険者とかですかね…アラン様ならすぐにSランクになれると思います。もう一つあるのですがこれは王族としては良くないことなのですが闇組織に入るって言う手もあります」


「…冒険者に闇組織か…。闇組織って言うのはどんなものだ?」


「大きい組織だと『黒狼』とかですかね。この組織は5人の幹部からなると聞いています。そのどれも実態は不明です」


「なるほど…まぁ考えとく、ありがとな」


「いえ、このくらいお安い御用です」


俺は自分の素性上あまり目立つのは良くないと思っている。それに少し『黒狼』に興味を持った。


俺は一旦魔界に帰り次の日の朝早くにスラム街へと赴いた。









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