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第三十五話 満月の中、暗闇をすすむ(笑)
なし
頂上の木々のない
開けた
見晴らしのよい場所は、満月のひかりが
ふりそそぎ
眼下の素晴らしい夜景がひろがる。
はるかなその光をみるにつれ
日本は、なんと電気を無駄にしている国なのだろう。
と思う。
すばらしい光群が、遠い世界のよう。
自身が、電気をむだにしていながら
実感する(笑)
夜景を背に歩き出す。
頂上から小屋まで
とちゅう、木々がおいしげり闇になる部分がある。
クマさんがいらっしゃたら、いやだなあと
痛切に思う。
「たろう、熊は、夜行性だからな。
夜はきをつけろよ」
昼間、まだ、ご隠居が元気なうちに
言っていたことを
痛切に思い出す(笑)
なし




