インスピレーション(予感)
全体像の時点で、言いたいことはかなり言ってしまったので(笑)内容を掘り下げるだけでなく、前エッセイの追加だったり、個人的な考え方も述べていきます。
さあ、螺旋階段の一段目と行きましょう……!
さて詩を書き始める原動力は、発想+予感だと先ほど言いました。しかしそれ以前に確認したいことがあります。
そもそも本当に言葉で表現したいのか?
潮風(著者)は間違いなく、言葉で表現したいです。
言葉を信じる理由を簡単にご説明します。
それは、「詩や言葉じゃないと、心の中の感情や感動は真に伝えられない」からです。
例えば、すごい綺麗な景色があったとして、写真に収めたとします。そしてそれを誰かに見せても、自分が感じたことをそのまま感じるとは限りませんよね。絵でも同じです。
見たまんまじゃだめなんです。あくまで、自分が感じた神経の経緯(?)を、そのままなぞって欲しいんです。
スタート=現物ではなくて、ゴール=感じたそのままの感情ではどうか? もちろん味わった感情を誰かに送ることなんてできないですが、実はそれも意味がないのです。
不完全な言語ツールを使う理由は、そこにあります。スタートでもゴールでもなく、感想思考の過程を提示したいのです。
(感動の過程を①心で感じる②心で想う③頭で思う④頭で考える、ということで“感想思考”と略しています。)
この感想思考は、言葉でしか表せないのではないか? そしてオリジナルの詩にした時点で元のスタートは意味を為さなくなり、読んでくれた人が新たに感じる感動は、その人だけのものとなります。再感動、とでも言うのでしょうか……それこそが詩の存在意義だと思います。
いきなり難しい話になってしまい恐縮ですが、自分自身を感動の器だと考えてみてください……。と、これ以上進むと本当に言語学の領域になりそうなので、本筋に戻ります。
とにもかくにも、自分が感動しないと始まりません。
振り子にもたとえましたが、感受性の振り子が振れやすい人もいれば、振れにくい人もいます。もちろん書こうとしてる詩によっても変わってくるかもしれません。
ただ、振れにくいから詩作ができないわけではないです。むしろ振り子が重い分、揺れたときのエネルギーは凄まじいものになるかもしれないですし。詩作のペースには影響してくるかもですが……筆が早い人もいれば遅い人もいますし、それは書いていくうちに自分に合った書き方を確立できるでしょう。
そしてですね。その振り子を一発で動かすことができるのが、インスピレーションです。本当に詩の神様が降りてくるってイメージです。うーん、難しい……。
ビッグバンによって宇宙が誕生しましたが、それが自分の心で起こっている感じ……? これは人それぞれで違ってきそうですね。つまり、何が自分にとって強力なエネルギーになり得るのか?
自分に足りていない、欲している渇望や憧憬は何なのか? 強い想い、それが言葉とリンクした時に“気付き”が起こって、上手くいけばドーパミンと一緒に大量の言葉の泉が溢れてきます。後はそれらを組み合わせて構成することで、詩が完成します。
潮風自身も、いわゆる“降りてこないと書けない系詩人”なので(笑)、大量生産できるタイプの詩人さんは、もしかしたら普通に書けるのかもしれません。
ただ最初にインスピレーションを得られると、そのまま詩作に没頭できるので、ゾーン状態に入りやすくなるとは言えます。
あと補足ですが、言葉を信じる、というのは表現方法としてだけではなく、言葉の力を信じるということでもあります。良くもわるくも、言葉は何でもできるので……逆に言えば、言葉を大事にすれば、その分すばらしい詩が書けることにもつながります。
詩とは、言葉による感想思考の再構築である。○か✕か?